金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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映画:『思い、思われ、ふり、ふられ』

2023-01-06 22:45:55 | 映画の感想
2023年の映画④『思い、思われ、ふり、ふられ』(黒柳トシマサ 監督)
★★☆☆☆
 
【Amazonの内容紹介】
 
偶然出会った、全くタイプの違う朱里と由奈、
朱里の義理の弟の理央と由奈の幼馴染の和臣は、
同じマンションに住み、同じ学校に通う高校1年生。
夢見がちで恋愛に消極的な由奈は、理央に憧れるが、
自分に自信がなく一歩踏み出せずにいる。
理央はかつて朱里に想いを寄せていたが、親同士の再婚により、
気持ちを告げられないまま、想いを胸のうちに抱えていた。
また、恋愛に対して現実的な朱里は、
率直でどこかつかみどころない和臣のことが気になり出し、
割り切れない初めての感情に戸惑う。
そして和臣は、ある“秘密”を目撃し、葛藤を抱えることになり…。
それぞれの思いは複雑に絡み合い、相手を思えば思うほどすれ違って−。
 
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小学生に付き合って、Amazon primeで視聴。
アニメ映画。
 
原作が漫画で、実写化もしてるみたいだから、
たぶん人気作なんだろう。
 
こういう話見ると、
「青春っていいね~」って思うのが常なのだけども……
 
長い話を短くまとめているせいか、
登場人物の誰にも愛着を持てず、
登場人物が叫んだり泣いたりしても
見ている自分の心はぴくりとも動かず、
自分がずっと無表情で見ているのがわかった。
画面を眺めながら
「この人もこの人も、一人で盛り上がってるな~」
って……。
 
携帯電話の普及で、
「物語にすれ違いを起こせなくなった」と言われているけれど、
 
待ち合わせした二人
→男の子のほうが先生に呼ばれて、待ち合わせに遅れることに
→女の子がスマホを落としたうえにそれを踏まれて、
 男の子からのメッセージを読むことができない(←無理矢理すぎる!)
→男の子が先生に呼ばれていたと聞いた女の子が、
 先生のところへ行って会話を立ち聞き
→男の子が京都の大学に行くと聞いた女の子はショック!
 「もういい!!」(←????)
→喧嘩別れする二人
 
この流れに最高に白けてしまった。
付き合ってるのに隠してた、とかじゃないんだよ。
なんで「もういい!!」なのか、わからん。
 
朱里ちゃんの目の色がとてもきれい。
よかったとこはそれくらい!
 
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3:谷津矢車『廉太郎ノオト』

2023-01-06 14:54:57 | 23 本の感想
谷津矢車『廉太郎ノオト』
★★★★★
 
【Amazonの内容紹介】
 
廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――

最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、
孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。
若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、
数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。
そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。
「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。

時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
 
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読書感想文コンクールの高校生の課題図書になっていたため
知った本。
鎌倉時代アンソロジーのときには、
「あまり好みの作家さんじゃないかも」
と思ったのだけども、これはとても良かった。
気になったのは、幸田姉妹のキャラ立てが
ラノベっぽくて、やや浮いていたことくらい。
滝廉太郎については、昔テレビでやってた映画
『わが愛の譜 滝廉太郎物語』しか見ていないから、
たいして詳しくなく、新鮮味があったというのもあるんだけど、
最初から最後まで面白かったし、
新聞屋の家に行った場面のあたりから、何回も泣いてしまった。
 
廉太郎と幸田幸のふたりそれぞれに克服すべき課題が設定され、
それが克服されたことが、同時に示されるのが美しい。
二人の間に恋愛が介在せず、あくまでも音楽家同士の関係、
「これから日本で新しい音楽をやっていくぞ!」という仲間であるとともに
ライバルでもあるという関係に終始したのもよかった。
 
滝がこれからというときに結核で死んでしまうというのは知っていたが、
「結核の発覚」と「死」が直結した形で描かれず、
何事も成し遂げられないままに日本に帰り、
余生を送らなければならない空しさや悔しさを描くことに尺を
とっていたのもよい。
前半に音楽のエリートたちを数多く登場させていたことが、
滝が死んでも、その曲や夢が別の誰かに引き継がれていく、という救いに
リアリティを持たせていた。
 

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