ハマカンゾウ(浜萱草)
Hemerocallis fulva var. littorea
ワスレグサ科ワスレグサ属
海岸に群生する多年生草本。葉は束生2列に出て、上部は外に曲がり、狭くて長い広線形で、先端は次第に長鋭尖形となる。葉の集まりの中から茎を出し、花は花茎の上部に数個、集まってつく。花は1日咲き、ユリ花形で漏斗状、6弁一重の花を3~6個 上向きに咲かせ、花被片は皮針形、上端は上に反り返る。
(一般的なハマカンゾウの花期としては早いが、海岸に自生しているので「ノカンゾウ」ではなく「ハマカンゾウ」とした。)
日本で見られるHemerocallis fulva の変種としては以下のものがある。
・ ヤブカンゾウ(藪萱草、薮萱草)
Hemerocallis fulva L. var. kwanso Regel
北海道から九州まで分布しており、野原や山麓、薮などに群生する。
中国原産と考えられているが、中国に野生はなく、原産地の由来は不明。
やや湿った場所を選んで生える。
三倍体なので結実しない。八重咲。
・ ノカンゾウ(野萱草)
Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
本州以南の原野などに群生する。
・ ハマカンゾウ(浜萱草)
Hemerocallis fulva L. var. littorea (Makino) M.Hotta
関東地方以西の暖地の海岸などに自生する。
葉が常緑で厚い。
・ ニシノハマカンゾウ(西の浜萱草)
Hemerocallis fulva L. var. aurantiaca (Baker) M.Hotta
九州以南の海岸などに自生する。
・ アキノワスレグサ(秋の忘れ草)、トキワカンゾウ(常葉萱草)
Hemerocallis fulva L. var. sempervirens (Araki) M.Hotta
九州南部および南西諸島の海岸近くの草地に自生する。
中国原産。
・ ベニカンゾウ(紅萓草)、ムサシノワスレグサ(武蔵野忘れ草)
Hemerocallis fulva L. var. longituba (Miq.) Maxim.
本州、四国、九州に分布する。
ノカンゾウよりも花の赤味が強い。
・ ヒメノカンゾウ(姫野萓草)
Hemerocallis fulva L. var. pauciflora M.Hotta et M.Matsuoka
ノカンゾウに似るが、湿地に生え、全体に細くて小形。
2024年6月27日 神奈川県横須賀市観音崎公園
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