シンガー、中山ラビ(写真左下)。
普段は、キチンとキッチンに立つ、喫茶店&バーの経営者。
あの、有名な孤高の漫画家、故・つげ義春の作品からとった「ほんやら洞」国分寺店にいて、コーヒーなどの他に、うまい!と評判の髙い、「スパイシー・チキンカレー」(850円)などを作り、客に出している。
最近は、バーに変わる夜に出勤することが多いという。
この記事を読み進めているひとは、すでに、何らかの形で、彼女の存在を知っているような気がする。
年齢、本名は、公式的に非公表ながら、1950年前後に、広すぎる米軍基地が、今もってある東京都立川市に生まれている。
ボブ・ディランの歌と生き方に感銘を受けると同時に、10代当時、メッセージ色の強い関西フォークに影響を受け、単身移住。
大阪YMCA予備校でアルバイトしながら、歌をさまざまな場で歌い始め、付いた異名とキャッチフレーズが、「女ボブ・ディラン」。
が、ディランのように、気まま、わがままじゃ無かったし、ステージで勝手なことをして、バックバンドをあわてさせたりは、しない。
「プロ歌手」となったものの、まだまだ歌だけでは食べていけないのに、続けていたバイトをクビになった。
「通学している青少年に、良くない影響を与えるので」と、きつく言われたと言う。
なにしろ当時。今は考えられないが、高校生男子が長髪にしていたら「不良」とみなされ、「不純異性交遊」につながると決めつけられ、そのうえギターをかき鳴らしていたもんなら、「退学処分」にされた時代。
やがて東京に戻り、音楽活動継続。さまざまな、数多くのコンサートに出まくった。
後年結婚し、男児を産み落とし、わがまませず、ママになった。
その息子も、すでに28歳前後に成り、「ほんやら洞」を手伝ったりしている。
出産前後は、しばらく音楽活動の方は、休止。
世間の誰もが知る、大ヒット曲こそないが、ロック&フォーク業界では、その明るく、気さくな性格もあって、とても良く知られたシンガー。
なにしろ、あ~た、グループ・サウンズ全盛の頃、力也(現・故人)がボーカルを担当していた「シャープ・ホークス」の追っかけをやっており、その流れで、あの内田裕也と知り合う。
以来、今も「裕也クン」と呼ぶ。平然と、親しみも込めて、呼ぶ。
実は、内田裕也が76歳と、10歳近い年上なのだが、そ~ゆ~上下関係が、いつの間にか築きあげられている。
内田裕也の、戸籍上の妻である、樹木希林でさえ、「あのヒトはねえ・・」とか、「ロックのヒト」とか、「裕也さん」と言うのに!
業界広し、狭し、と言えども、「内田裕也クン」と呼べるのは、中山ラビだけだろう。
いやいや、いやいやあ・・・・・・・
何でもかんでもロック魂にこだわる、内田裕也。中央官公庁の、「公聴会」に行き、帰りしなマスコミにつかまり、怒りの表情で言い放った。
「あんなのは、ロックじゃねえ! フォークだ」
と言い放っておきながら、ポツリと、杖ついてこう続けた。
「俺も、ロックと言ってるだけで、何もしてねえけどな」
その昔、「ほんやら洞」の経営を親しいヒトからゆずり受けたものの、11年間は赤字続きだったそうな。
だが今や、常連客が引きも切らない。
検索して、店内の写真を見て戴ければわかるが、すごく何とも言えぬ雰囲気のある、落ち着いた作り。
店は正午開店、深夜までやっている。LIVEのある日は早く店仕舞いし、家族やアルバイトの女性が会場の手伝いをし、年末年始は、休業。
その生活基盤を背景に、シンガーとしてのライブ活動だけに収まらず、ここ数年は「呼ばれて」、その昔の「アングラ芝居」に、シンガー兼女優として、出演もしている。
原作・脚本は、唐十郎や寺山修司。で、ラビ自身も「荒唐無稽」と言ってのけるほど、ストーリーとセリフの意味が、よく分かんない。んだけど、「アングラ」の雰囲気が、いまも、こよなく好き。
今年も、新宿・花園神社の大型テントの下で、「新宿梁山泊(りょうざんぱく)」の芝居に女優として、出た。
が、活動の軸は、シンガー。
この10月9日(日)、「新宿ブルースナイト」と銘打って、女性歌手&女優たちが勢ぞろいして、新宿駅の地下通路から続く「安田生命ホール」で、コンサートがあり、ソレに出る。
午後4時開演、料金、7500円なり。
中山ラビの他に出るのは、カルメン・マキ、リリィ、根岸季衣(としえ)など。
かつて人気があった若い頃のカルメン・マキは、リハーサルでは歌ったが、「気分が乗らない!」とかなんとかなんとか理由つけて、コンサートを直前、自分勝手にキャンセル・・・・てなこと、やってた、気まま女王様天狗。
長年、不摂生な生活していたため、声の伸びが無く、高低音域が、聴いてて苦しいまま。
リリィも若い頃、インタビューのときは良いのだが、外での撮影で、風が強かったり、雨が降っていたりすると、ダダこねて出ない、わがままさ。近年。歌に、味はあるけれど・・・・・・。声帯と音域が、日ごとに狭まってきている。
「私は泣いています」は、実はホント、記者とカメラマンの心境だった。
もう、カルメン・マキは、65歳。リリィも、64歳。
分別ある晩年迎え、んなことは、もうないでしょうね。
根岸季衣とは、一緒に映画観に行ったりしたが、良いヒトでした。
彼女も、すでに62歳。演技力はかうが、自称ブルース歌手としては、まったく評価できません。
雪だるま体形のうえ、今年4月、「自分では、まったくそういう性格では無いと思っているんですが、なんでか周りはみんな言うのよ」と言っていた、「わがまま」という題名の「ミュージカル」に出た、渡辺えり。
やたら、すぐ人を叩く渡辺えり。音痴で、ひどい歌唱力のデブ彼女ほどではないが、根岸に歌は・・・・すすめません。
ギター弾きの、亡き夫が生きていたら、必ず止めさせたでしょう。素人が、カネ取ってはいけません。
おばさん群団のなか、ホンモノの歌唱力をひときわ聴かせるであろう、中山ラビの姿が目に浮かぶ。
11月5日(土)、「ラビ組 LIVE 2016」として、今年何度目かのライブを、吉祥寺にある「スター・パインズ・カフェ」で行なう。
これ、実は、中山ラビの自筆です。
毎回、はがきにきれいに、読みやすく、列記してくる。
ウイッグ、というのか、アタマにかぶせて、歌う。
網タイツ姿で歌う時もあったが、元「SHOWーYA」の寺田恵子、52歳のように、いやらしく腰をくねらせたり、乳房を寄せて、わざと溢れ出るように見せて、強調したりは、決してしない。
色気はまったく出さない、出ない。健康的な、両足。
歌唱力で、勝負する。ロックでもない、フォークでもない、かと言ってロックンロールでも、ブルースとも言い切れない。
あらゆる区分けを飛び越えた、中山ラビの歌う独特の世界。
開場、午後6時半。開演、午後7時半。料金4300円に、ドリンク代。
予約などは書いてあるように、「ほんやら洞」にしてください。
バックで演奏する、梅津和時のサックスは上手いし、小川ヒロ、加藤ヒロユキ、高橋誠一、森ヒデハル、山口トモらも、力量は確かだし、あうんの呼吸で音を出せるはず。
前回の7月31日(日)は、梅津、高橋、RYOTAROの、「アコースティックなユニット」3人だけだっただけに、「ラビ組」として、倍の6人にもなった厚みのあるサウンドにも、目ならぬ、耳を傾けて欲しい。
興味のある方は、ユーチューブを見てください。
とても、年齢を感じさせない歌唱力。そして、せつせつと歌い、説く。音程、まったくはずれておりません。
お店をしながら、歌い続けて、ン十年。
すごい!の一言です。
興味、関心を抱いた方。足を運んでみてください。
杖つき白髪老人の「内田裕也クン」は、おそらく、来ないと想いますが・・・・・。
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≪ 2018・12・2 追記 ≫
この記事に、急に検索が、注がれた。
ん?
中山ラビに、何か、あったのかな?
調べてみても・・・・格別、何もなかった。
健康状態も、良い・・・・・はずだし。
で、表題の、、あの内田裕也を、「裕也クン」と呼ぶこと。
あるとき、直接、聞いた。
---あの、内田裕也を、ホントに「裕也クン」って、呼んでいるの?
返ってきた答えは、意表を突くものであった。
「ん? ああ、あれ? ウソよお!」
「だって、わたし、内田裕也さんと、直接、逢ったことだって、一度も無いもん」
一発、そんなウソまで、ペロッと言って、かましたのは、
実は、その発言をした時の、ナマ放送の長時間番組の司会をしていたのが、なぎら健壱だったという、コトが、起因していた。
元々、相性が悪い・・・・と、ラビは、思い込んでいる。嫌われている。そう、思っている。なぎらは、否定しながらも、にやつく。
どこか、昔から、わたしを馬鹿にしているというか、甘くみている口調で、話しかけてくる・・・らしい。
いわゆる、上から目線、というやつ。
おまけに、入りの指定された時刻に,キチンとNHKのスタジオに入ったというのに、・・・・待たされ、待たされ。帰ろうかと想ったという、2時間後。
ようやく出番に。
おまけに、トークの時間、短縮されて。相手は、「天敵」とも言うべき、なぎら健壱。
だったらと、あいつが驚くネタで、1発、かましてやろうと想って、とっさに、クチを突いて出たのが、「裕也クン」だったという訳。
予想通り、狙った通り、なぎら健壱は驚き、見る目、クチのきき方が変わった。
というのが、真実。
それ、聴いて、書き直そうかとも思ったが、ライブの告知も兼ねての記事。
そのままでも、面白いかなあ・・・・と、放って置いたというわけです。
ネタにされた、かの内田裕也クンにしても、今も公開されているのだろうか・・・・
長編ドキュメンタリー映画。私は、その原形のドキュメンタリー番組、前後篇、2本とも、見ている。
そのなかでの、10代の内田裕也クン。
俺は、すごいスペシャル・天才シンガーなんだぜえ!という態度で、当時、有名なライブハウスの面接で、かましまくったオヒト。
その後の、今に至るも、かましまくり人生は、御存じの通り。
なので、本人に「裕也クン」が、伝わったところで、苦笑するだけだろう。
以上。追記です。
ラビの歌声、この10月も、11月も、まったく、落ちておりませんでした。
童謡まで、彼女の味で、歌い聞かせてくれましたし・・・
良いですよお。今も、お薦めの、シンガー&ソングライターです