この先、比嘉大吾は、どこのボクシングジムで、本腰入れて、落ち着いて、練習してゆくのであろうか・・・・。
それも、決して、「不定期」などではなく。
専任指導トレーナーは、一体、誰がするのであろうか・・・・・。
上記、写真右側に映りこむ、野木丈司(のぎ じょうじ)とは、あの試合以降、ジムとも、比嘉大吾とも、たもとを分かち、離れて行った。
すでに、記事化したが、元々、具志堅のジムの専属、もしくは、所属のトレーナー契約などでは無く、リングのなかで、ミットを構え、打ち込ませるものの、それは、見よう見まね。
主要な業務は、比嘉の体幹を鍛える、パーソナルトレーナーであったのだから、辞めるに当たって、支障は無いに等しかった。
偶然であろうか、期せずして、現在、白井・具志堅スポーツジムでは、「トレーナー募集」の、告知がなされている。
新入トレーナーは、いったい、誰のトレーナーになるのであろうか。
ベテランの、元・世界チャンピオンの、友利正もいるのだが・・・・・。
その事を書く前に、前篇の続きを、書く。
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ファイトマネーの未払い金、全額返金や、他のボクシングジムへの移籍を求めて、「所属」していた前ボクシングジム、及び会長を提訴した結果の判決は、何とも、理屈の通らない、驚くしかないシロモノとなった。
要約して言うと、次の2点に集約される。
1) 当然、もらえるべきと想っていた、ファイトマネーの残金や、いずれ、支払うと口頭で会長が言明していたはずだった、その他もろもろの残りの金銭は、原告は1円も、もらえない。
2) だが、そもそも、書面も交わしていないという、「所属契約」そのものが、慣例とされ続けていたプロボクシング業界だったと、認識こそ、されるが、書面による契約すらかわしていない「所属」なるものは、本来、法的には、無効と言い切るほか無い。
したがって、原告の選手は、今後、どこのジムに移ろうとも、本来、元々、自由である、
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はあ?
金銭の問題は、置いといても、そもそも、純法律的にそうなら、提訴した、2年前に、ハッキリ、言っといてよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお・・・・・という、印象。
いささか、あらためて、驚いた。
確かに、そう・・・・・だけどさあ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
原告にとって、その期間の、ブランクは、とても大きく、響いた。
プロボクサーが、練習を丸2日、休むと、取り戻すには、1週間かかると、言われている。
ましてや、彼は、有る階級のチャンピオンにもなった、当時、さらなる成長が見込まれたボクサーだった。
わたしも、何度か、試合も見て、取材も重ねたボクサー。実母にも、ハナシもきいた。
癖のある性格であったが、ボクシングに向かう姿勢は、一本気で、ひたむきで、好感が持てた。
それゆえか、訴えておいて、その一方で、隠れるようにして、知り合いのジムで練習を積むことは出来ず、
結局、彼は・・・・・
判決後、他の、都内にあるボクシングジムに、移籍出来た。
出来はしたが・・・・・ボクシングを休業宣言。
決して、「引退」ではないというものの、この先は、家族と共に生きたいと。家族に、すべてをささげたい、と。
結婚もしており、妻以外に、すでに、女児2人、男児1人の、計3児の父親になっていた。
まだ、29歳。チャンピオンのベルトを巻いた経歴も有り、あと8年だけでなく、定年の37歳を過ぎても、試合は出来るというものの、2年間にもわたる、心身の耐えがたい苦労の積み重ねと、弁護士に支払わねばならない大金。
すぐに、立ち直れることは出来ず、働くと同時に、日々、公園に連れ出し、遊んであげるなど、子育てに奮闘中だ。
カラダは、見事に太り、丸くなり、それは、一見して、比嘉大吾の比ではないほど。
おそらく・・・・2度と、プロボクサーとして、リングに上がることは、無い・・・・ように想える。
実は、そのジムでは、ほかにも、何人もの選手が、提訴前後から、他のジムへの移籍を求めて、ワンマン会長と交渉。
より、汚さを露呈させ・・・・
苦難の交渉の末、選手たちは、やっと、他のジムへ、大挙して、移籍した。
信じられないほどの、不信感。人間の裏側をみた、とつぶやく選手もいた。
それまでは、移籍の承認・承諾は、各ジムの会長の感情ひとつ次第だった。
もろに、性格がにじみ出るものとなった。
選手の気持ちを受け止め、無償で、知り合いのジムに送り出す会長や、オーナー。
かと想うと、移籍には、ん百万円、必要だ。
移りたいのなら、耳揃えて、用意してこい。
そ~ゆ~会長もいた。
最近も、高田馬場にあるボクシングジムが、選手に対し、金銭要求。
それが、ばれて、有吉会長は、日本プロボクシング協会にあてて、しばし、退会ならぬ、休会を申請し、了承された。協会幹事職も、同時に、辞任した。
映画などでも、撮影協力として出ていたジムだ。
とある、のちに書く問題。
他のジムに在籍しながら、ソコのジムに、練習に毎日来ていた、女子世界チャンピオンのことで、会長に、聴き込んだことをありのままに記事化したら、二度とクチをきいてくれなくなり、無視された。そう言う方だった。
むろん、会長側だけが、問題なわけではない。
勝ち続け、周りにおだてられ、反社の連中と付き合い始め、すっかり天狗になって、練習を勝手にさぼるようになった、あるボクサー。
ある日、突然、ジムに来て、「移籍したいんだ。させてよお」
そんな、ワガママ、許せる訳も無く、お断り。
そのボクサー、ツイッターで、不満たらたら。
2年半後、仲介に入ってあげた、旧知の、温厚な会長のいる、大手のジムに移籍させてあげたものの、ブランクの影響で、もう、、スパーリングの段階で、ボコボコにされて・・・・気持ち、ポッキリ、折れかけたものの、髪は以前と同様、目も鮮やかな、金髪パツ。
この夏、ベテランボクサー相手に、TKO勝ちし、再び、天狗ぶり、のぞかせている・・・・。
一方、移籍出来ないままの、チャンピオンクラスの男女は、これまで、どうしていたか?
先の女子世界チャンピオンのように、教えを乞いたいトレーナーがいる、他のジムに行き、そこで、週の大半、練習に通う。
一応、長期の「出稽古」という、名目で、試合の10日前ぐらいまで、そこで練習の仕上げまで行い、
「所属ジム」に、戻り、マスコミを呼んでの「公開スパーリング」か「公開練習」を行ない、何の移籍問題も無い顔を見せて、記者会見に応じる。
そのパターンで、しのぎ切ってきた。
それが・・・・・
今後、契約締結の期日を、統一所属契約書に、必ず、書き込まなければならないことになり、更新。法的に、最長でも、3年間、契約期間が終了した段階で、選手にとって、移籍が可能になってゆく。
そんな画期的な流れになったのは、上記、千葉地裁における、確定判決が、大きく、影響していた。
正式書面契約もしていないのに、「所属」名目で縛りつけ、生殺与奪の権利がジム会長側にある実態が、はからずも、法廷で露呈した、昨年の判決内容を重視した、「公正取引委員会」が、動いたのだ。
今年、実態を、統括管理団体に、直接「聴き取り調査」をするべく、1月24日(木)日本ボクシング協会を訪問。
さらに、2月6日(水)、日本ボクシングコミッション(JBC)を訪問し、聴き取りを敢行。
その結果を取りまとめ、文面の規約通りにしませんか? と、是正を求めた模様。
そのことが、6月になって判明。
そして、期せずして、偶然にか、移籍の余地を残す、比嘉大吾の、ボクサーライセンス、再取得承認についで、10月1日から、すべてのボクシングジムに、練習に来ているプロボクサー全員に対し、1人1人と、書面による「所属契約書」をかわし、うち、1枚を、JBCに送付するように命じた。
これにより、改めて言うが、選手の自由意思が、通りやすくなった。
このところ、YAHOO!でも、タレントの正式法的書面による、芸能事務所移籍報道が、目に付くが、背景に、このような公正取引委員会の、聴き取り調査が、あったからだ。
一応、プロ契約の、女子バレーボール、チーム所属契約者など、今年に入り、多岐にわたる、プロスポーツの、契約書なき、契約縛りに、メスが入っている。
女子だから、メスではない。
あの、吉本興業だけに、目が向きがちだが、プロスポーツの世界も、少しづつではあるが、是正されようとしている流れが見える。
一方、選手が、曲がりなりにも、「プロ」ボクサーと呼ばれる、よりどころの、ファイトマネー。
これに関しては、・・・・所定の金額が、JBCの規定で、決められている。
4回戦で、4万円程度。ただし、もしも、試合中にケガなど負うことを考慮し、保険代や、ジムのマネージメント代など、所定の金額が引かれる。
だが・・・・
その引かれた金額でさえ、規約通り、現金で支払ってくれるボクシングジムは、極めて、数少ない。
良くて、半分が、現金。あとの半分は、自分で知り合い、家族、友人、アルバイト先の同僚、後援者に売って、現金に換えなさい・・・・という、パターン。
全額、チケット、というボクシングジムも、また多い。
だから、10年ほど前には、ジムから足が遠のき、月会費も納めず、正式に引退届けは出さぬが、引退したも同様のボクサーも含め、全国に、約3000人いたのが、令和元年の今、約2000人に激減した・・・ということではない。
ないが、例えば群馬県に隣接している、ある地方都市にあるジムでは、試合が決まるたびに、現金4万円を選手から、先の保険代も、もぐり込ませ、ジムのもろもろの手数料として、徴取。
チケットを、それに見合う枚数を渡し、それを自分のチカラで売れ、という。ただし、ジムの中の選手には、売るな。お前の応援に、東京の、後楽園ホールに行きたい奴は、ジムがチケットを売るから・・・・と。
試合日は、いつも、平日の夜。
仕事先の同僚に売りにくい。
例え、定時の17時に、無理やり終えたとしても、そこから、バスに乗り込み、急ぎ、駅に向かい、新幹線に飛び乗ったとしても、自分の試合の開始予定時刻には・・・・・到底間に合わない。
チケットは、事実上、紙屑と化す。
それ承知で、5000円、6000円、はたまた、1万円もの、提供してくれる人は・・・・いない。
「もう、ジム、やめたくなりますよ。試合決まるたびに、カネ取られて・・・・。試合前に、やる気無くしていって」
「断ると、お前、せっかく、試合、組んであげたのに。すでに、カネかかってんだぞ。どう弁償してくれるんだ?と、会長は怒鳴り出すし・・・・」。
別の、パターン。
北海道札幌市にある、ジム。
道内で、ボクシングの自主興業を打って、黒字になるなんてことは、ほぼ、不可能。
なもんで、イキの良い、戦績の良い選手は、東京のジムの選手の相手に選抜指名され、後楽園ホールへと呼ばれる。
ジムの会長、当人、そして、トレーナー。
試合前日、3人が揃って、早朝の、新千歳空港から、羽田空港行きに、乗る。
前日計量を終える、
ソレを終え、ゆっくりと、胃に負担をかけないように、食事をとり、しばし休息。前夜、近くの安いビジネスホテルに、シングルルーム、3部屋取り宿泊。
当日、勝っても負けても、なるべく、早く、札幌に帰る予定を組む。
そんなボクサーに、聴いたことが有る。
---ファイトマネー、ちゃんと、もらえるんですか?
「いやあ。とんでもないです。ジムのヒトの苦労を考え、今回の自分の為に使う経費を考えると、とても、言い出せません。それに、ココに、この自分にとって憧れの、後楽園ホールのリングに立てただけで、幸せで、不満なんて、まったく、ありません」
---今日、判定ながら、勝ちましたね。おめでとう、ございます
「ありがとうございます。東京の大学にいた時の友達たちが、チケット買ってくれていて、絶叫みたく、応援してくれてるのがわかって(笑)」
「励みになりました。彼らと、食事、この後、しようと言う約束になってしまって・・・・」
「俺だけ、無理言わせてもらって、今晩、東京に、もう1泊しようかなって」と、嬉しそう。
---大手の系列のジムだし、東京に出てきて、移籍願い出て、ランキング入り、目指すという考えは?
「ないです。今日も、運よく勝てたようなもんで。ソレに、俺、北海道、好きだし、仕事もあるし。ソレに、彼女もいるんで」と、にっこり。
地方の、プロボクサーの、さまざまな事情が、取材していると、のぞく。
かつて、九州の宮崎県都城市の、同じジムから、ずば抜けたハードパンチャー、2人が輩出された。
1人は、やっとの想いで、「交渉」の挙げ句、東京のジムへ移籍。
もう、1人も、カネのなるドル箱だったこともあり、断固として、拒否され、試合が近くなると、東京のジムへ、自費で、「長期出稽古」という、あいまい決着。
みかねた個人スポンサーが、経費の面倒をみてくれた。
試合のたびに、都城市から、「所属」ジムの会長が、当日、控え室に来て、売り上げの計算して、マネーをいくぶんか渡し、かんじんの試合も見ずに、さっさと、羽田空港へ。
その選手の、故郷での「凱旋試合」が、かの会長の肝いりで、組まれた。
相手は、負けるはずの無い実力のボクサー。
故郷に、錦を飾るはずが、彼は、別の事で、試合開始まで、のた打ち回った。
なんと、渡されたファイトマネー。すべて、多額の・・・・チケット。
売るために、現金に換えるために、携帯電話片手に、最終調整と、仕上げと、減量との闘い・・・・。
結果、試合は負けた。それも、ノックアウト負け!
「もうね、俺、試合どころじゃなかったもん。試合の、ゴング鳴る直前まで、チケットの事で、携帯、鳴りっ放しでさあ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ボクサーになって、初めての経験だった(笑)。試合に、集中するどころじゃなかった」
「応援してくれた、故郷の人たちに、みっともない、リングに、ぶざまに転がるサマ見せてしまってさあ・・・・」
「生涯、最大の汚点だったね(笑)」
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そんなことも、これから、少しづつでいい。無くなって欲しい。
とはいうものの、ボクシングジム経営者側からすると、全額チケットは問題だが、ある程度、仕方のない部分も、取材を重ねると、垣間見えてくる。
大手、小手、中堅、それぞれ、ボクシングジムの経営状態、流れで、ジムに依頼され、申告時に、専属で手伝っている、税理士らにも取材をしたことがある。
世界タイトルマッチなど、試合前、華やかないくつもの、ライトに、照らされ、さぞかし、ウハウハの利潤を挙げているんだろうなあ・・・・と予期していたら
いやあ、台所事情は、そんな、潤沢ではなかったのに、いささか、驚いた。
赤字では、もちろんないが、大きな黒字と言うには・・・・・遠い。
だから、う~ん・・・・・・
とはいえ、試合、組んであげたから、現金4万円寄こせは、あまりにも、ひどいが、
まして、年々、冷え切っていきつつある、プロボクシング人気。
明日の、中谷潤人(なかたに じゅんと)の、タイトルマッチ。
唯一、4回戦の第一試合から、全試合、CSで、録画ながら、放送してくれる、日テレG+は、ありがたい。
不人気でも支え続けてくれる。
総合格闘技の代表格、K-1や、キックボクシング、無名の新団体の、見る影も無い、衰退ぶりを、見るにつけ・・・・。
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そんななかでの、比嘉大吾の、ボクシングでの、リング復帰報道。
それも、比嘉は、年内、年末に、バンタム級での試合を、希望している・・・・という。
勝負勘、当て勘、1年半のブランクを、素人記者が言うのはなんだが・・・・甘く見ていると想う。
これから、これから。自信がよみがえってからの、スパーリングと、出稽古であろう。
来春までに、再起試合が出来て、良し。
またも、万全の選手の仕上がりでは無く、先に、テレビ局ありきで、試合日程、年末に組み込まれる愚を、犯そうというのであろうか・・・・。
生活資金、底を尽いたころなので、どのようなカタチにせよ、ファイトマネー、1日も早く、手にしたいという、裏事情は、分からないでもないが・・・・・。
あっけなく、五輪前に、ゴロンと、転がるよ。
さて、具志堅会長との、複雑な感情と、共にJBCに連れだって行けるようになるまでの経緯を知りたかった。
「ソレにつきましては、この段階では、一切、お話し、出来ません。処分が、正式に、解除されたのち、改めて、記者会見を開いた際に、お話し、出来るかと、思います」
ジムの、マネージャーとおぼしき人の御答え。
---今日は、比嘉大吾クンは、ジムに来て、もう、練習、始めているんですか?
「今日は、来ております。まだまだ、不定期ですけどね」
---今後は、総合格闘技のジム、そちらのジム。どちらが、メインで、練習を続けるんでしょうか?
「まだ、正式には、決まっておりませんが、おそらく、コチラになると・・・・思いますが、わかりません」
---そうすると、野木丈司さんは、もう、来ることは無いにしても、今後は、誰が、比嘉クンの専属トレーナーになるんでしようか?
「誰と言うことは無く、トレーナー、みんなで、指導してゆくカタチになるかと思います」
---それで、試合に向かうんですか。今もう少し、これまでの1年半や、今後のことをお聞きしたいのですが
「それらも含めまして、いずれ、記者会見の場で、お話しさせて戴きたいと存じます。ソレまで、お持ちください。失礼いたします」
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さて、どういう軌跡をたどり、復帰戦に至るのか?
所属契約書への、正式なサインは、まだのような感触。
移籍問題も、複雑に絡み合い。冷静にみさせて戴こうと想う。
時代は、変わりつつある・・・・・確実に、1歩、また、1歩と。
先陣きって、礎(いしづえ)を創った、元プロボクサー斉藤司くんに、この場を借りて、ささやかながら、拍手と、この先の人生への、エールを送りたい。
君の闘いの結果、全国のプロボクサーの道が開け、助かったのだから