懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

黒澤明「天国と地獄」

2007-09-09 14:49:47 | Weblog
ご飯食べてるとなんとなくチャンネルつけて見る気になるような要素のあるドラ

マ、映像の引き込み力はある、ということ。

結末がどうなるかの興味と画像の綺麗さで引っ張られて、そして映画俳優二人のラ

ストの対決シーンで盛り上がって・・・。

でも、終わってみると大したものが何も残らない、というゴールデンタイムのテレ

ビドラマでした。

肝心の主犯の心理も関係した女の子の内面もノータっチだからドラマ全体が最後に

肩透かし感。薄っぺらく見える。(そこまで気にするほどのものでもないか)

こういうのもあり?

でも女性の服や景色の綺麗さを見る以外の価値はなかったような。

8月にテレビでやってた映画で、むさい野郎ばかり出てきて見るのがちょっと苦痛

だったけど、見た後、まあ結構よかった「出口のない海」とは対照的な印象。

テレビだから、内容よりも視聴者を引っ張りめればいいのかもしれないが。

カメラワークのきれいなドラマは、そういう価値は高いけど。

結局妻夫木とか、人気の俳優さんの演技っていつもあんな感じなのかも。

意味ありげだけど、終わってみると意味不明。

主役のヒューマン系な内面描写も、今の時代には単純すぎる。もっと複雑なものが

欲しい。以前長瀬智也が主演で低視聴率で話題になった土曜のテレビドラマなどは

今思うと良かったと思い出した。

スターになれず燻って日々をいい加減に生きてる男が主人公で、一夜だけの関係の

女性が自殺したことで彼女の過去を追うはめになり、いつかその死んだ女性に愛や

思い入れを感じて涙する。

長瀬の演技力や役者としての新鮮さ無くしてはなりたたない世界だったが、

主役が最初はいい人ではなく、あまり共感できない男で、そういう男の純情などを

見せられたのは「天国と地獄」の主人公より遥かにひねりがあって現代的だったと

思う。

「天国と地獄」の方は、むしろ主役の重役を裏切る男の方の興味を持ちながら見て

いた。

自分の周りの企業社会には、あることだから。





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仕事と恋

2007-09-08 03:17:58 | Weblog
人生で思うこと。

恋は全てを与う。

仕事は全てを奪う。


恋は表層は多くを失わせているように見えても、結局惜しみなく与えられることが

多い。

仕事は、一時、どんなに充足感があっても、振り返ればそれは錯覚で、例えば恋や

芸術に没頭する時間を奪っていただけ、と思う時はある。

「あの時、あの仕事にあんなに夢中にならなければ、他で失いたくないものを失わ

ずに済んだ」と、青春の時間を振り返ると、思うときがある。

仕事は、ほどほどに。

思う割には、二の轍を繰り返す。

台風一過


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日本的なるもの

2007-09-03 02:10:17 | Weblog
映画「蝉しぐれ」の世界。

日本的な美学の映像化、といってはどうだろう。

確か吉本隆明あたりが、「日本的」というのはどういうものか、実は未だはっきり

していないんだとかいう趣旨の発言をしていたことがある。

確かに、よく考えると案外解明されてないものなのかもしれないけれど。

とりあえず、それでも、あの「蝉しぐれ」の中で語られる、恋愛のすれ違いの話な

どは、あの展開が作者の美学の世界なのだろうと捉えてる。

例えば、主人公が、ヒロインが江戸に下ると知って、追いかける場面。

ワルガキたちに捕まり袋にされて、ヒロインをとめることが出来ない。

ああいう歯がゆい展開によって、切ない結ばれぬ純愛に終始するのだが。

たぶん、そういうことも含めて、完璧に破綻のない日本的美学なんだろとは思う、

一応は。

でも。

本当は、恋は、そうあってはいけない。

実の所、恋ゴゴロを抱く女の子が江戸へ行く、それを止めるとひた走る。

「ここ一番!」と言う時に目的を達せられる、「運を引き寄せる力」は、恋には必須

の能力だと思う。

最後は破滅でも、別れでも、1回くらい、逢瀬のひとつもないことには・・・。

こういうセンスは小説上は、西欧的なセンス、ということになるんだろうか。

「ロミオとジュリエット」などは典型的に、関係を前に進めることで話が回ってゆ

く。

「蝉しぐれ」の結ばれぬ純愛は、小説の作者たちがこころのどこかで願ってる完成

された世界、ということはなかろうか?

山田洋次監督語る、「寅さん」の女性や恋愛への感じ方も、ちょっと似てる。い

や、もっとさらにパワーアップしたシャイで、「いいな」と思う女性がいて、脈あり

でも、寅さんが「でも、やっぱり巧くいかないのではないか」と思って、心の中で

がっかりして、自分から恋をやめてしまう、そんな感じらしい。

(なんかかわいい)

こういう昔の日本人男性は、時々いたと思う。

これは「蝉しぐれ」の美学とはちょっと違うけど。


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「マラーホフ来日不可」、お大事に!

2007-09-03 01:53:18 | Weblog
公演降板したスターダンサー、踊る芸術監督、マラーホフがさらに具合悪そうで、

踊らなくても仕事で来日するはずだったのを、キャンセル!

本当に特別な芸術家で、「誰も怒ってないから、どうかゆっくり休んでほしい」と

言うのが、バレエファンの私の感想だ。

仕事に穴をあけるのは色々大変だと思うが、

今年日本公演でもカムバックしたボリショイバレエのウヴァーロフのように、

きちんと直してから復帰してほしい。

鉄人のように丈夫で精神的にも強く、今まで私はマラーホフの身体の心配をしたこ

とがなかった。降板歴もとても少なかった。

ここらで年貢の納め時か。

膝の再手術なんて痛そう・・・。

ファンじゃないけど、天才マラーホフよ、お大事に。


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映画「出口のない海」

2007-09-03 01:44:49 | Weblog
やっぱり塩谷瞬が出ていなければ見なかったと思う。

冒頭の男たちだけで狭い潜水艦艦内を暑がってるシーンだけで、リタイヤしそうだ

った。女性がでない映画ってのがダメなたちで。

でも全部見ると結構面白かった。

今の状況に慣れた身としては、この夏、クーラーないとダメ人間になり、クーラー

あっても夏ばてで、あの冒頭シーン見ただけで「戦争には行きたくない」と思う私

は軟弱もの。

40度のクーラーなし(当然)艦内で耐える青年たち。

自分はやりたくないと思うが、来世以降に男に生まれてきて、そういうシチュエー

ションになったら・・・とはたと考えてしまった。

今生、女で軟弱ものの自分には、論外である。

は~、暑そう、見てるだけでもうだめだった。

昔、戦争ものは多くあったのだけど、「風化度数」を考えるとこういう地道な戦争

ものもあっていいのかもしれない。

「私は貝になりたい」の氷を身体に巻く拷問も、冷え性感覚で見ていて腹こわしそ

うだと思った。

戦争へ行った人々にはとても言えない軟弱な感想。

我ながら凡庸な内容だが。


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