懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

順位を超えて

2020-12-01 01:36:34 | Weblog
フィギュアスケート、今年のNHK杯は、日本選手メイン。今宵は、ちょこっとだけ、アイスダンスと男子シングル方面で、素人のえり好み感想を。

(と、その前に、12月の全日本に、羽生結弦選手がついにお出まし、とのこと。ほんじゃ、これは見るかな。)

【男子シングル、山本草太選手】上位選手じゃなかったけど、山本草太選手FSの、変わらぬ佇まいに心洗われる思い。淡い緑系のお衣装も良くお似合いで。
本人的には完璧なジャンプでなく、不本意というのはあったろうけど、この方は、年齢を重ねても、良い所は変わらないなあ、と思った。見ていて清々しい気持ちになれる演技。お人柄が出ているのかしら?と思う時がある。

ついでに、FSは和っぽい感じがしたけど、SPは、ロシアのコサックとかを思い出すような雰囲気。アームスの使い方とか,ちょっとバレエっぽかったり、趣きがFSとは異なっていて、これも衣装の雰囲気も含め,堪能した。

点数や順位って、選手には物凄く大事なんだろうけど、点数や順位がすべてでなく、TV放送だと、この人が出ているから見る、と思う演技の人は居る。

【アイスダンス 有名人、高橋大輔選手と,新パートナー、村元哉中選手】
単純に、彼らが出てくると、近年TV放送で冷遇されていた、アイスダンスを、今迄よりも、うつしてくれるんではないか?という淡い期待が。

勿論、そういう効果は、他局番組では期待大だが。

このペア自体は、正直、どんな感じかな?と思ったんだけど。

まず、リズムダンス、フリーダンス共、振付が、大変素晴らしかった。誰?これ作ったの?って思った。

リズムダンス、最初、ざっと見ただけだったけど。
アイスダンスに詳しい人から見て、どうかは分らないけど、単純に、見ていて楽しい。
私が「マスク」のストーリーをすぐには分らないので、細かい設定が分ったら、もっと楽しめそう。

アイスダンスの専門的見地からの良しあしは別として、上質のエンターティメント。
作品として優れてるし、二人の動きが違う所を、二人とも、それぞれ面白く見られた。
高橋選手は、シングル引退後、人生回り道したけれど、キャスターもいいけど、舞台を2回はやってたと思うから、これが奏功したかと。ちゃんとプロの演出家がついて舞台の演出指導を受けた事が、今の試合でも非常にプラスになってると感じる。

一皮むけた感があって、何を演じても、楽しく見ていられる。
村元選手は、(アイスダンサーとしては出来て当たり前なのかもしれないけど、)腰を振ったりとか手慣れた感じで、他ジャンルから来た高橋選手と動きの質が違うのが、却って新鮮で、いい感じのコンビネーションに見えた。

「マスク」で充分良かったけど。
次の「ラ・バヤデール」!(バレエで来たら、自分の様なバレエマニアはよく出来ていたら喜ぶが、フィギュアスケータには、たぶん一番難しいのが、クラシックバレエ系演目なのでは?)

ちゃんと、バレエの「ラ・バヤデール」の世界になっていて、二人が清らかな舞姫ニキヤと、恋人の戦士ソロルに見えた。
振付が、フィギュアスケートの男子、女子シングルでは、なかなか望めない位、バレエの世界に肉薄していて、これ、また見たいって思った。

振付が、ほぼほぼ、元作品を踏襲した音楽の使い方で感心した。最後だけ、少し違うのをもってきたかな?
そのせいもあるのか、元作品は悲しい恋の話なのだけど、ラストは、愛し合う二人の思いが通じる、愛の勝利の様な幕切れに、自分には見えた。

二人が演じたのは、たぶん、バヤデールの第三幕、影の王国の部分がベースかと思ったが。

(元作品の筋は、ソロルは巫女のニキヤと恋仲だったが、権力者の娘、ガムザッティと結婚し、失意のニキヤは陰謀の手に落ちて絶望の中で死ぬ。第三幕は、死んだニキヤを想うソロルが夢の中で彼女と出会う、そして最後はニキヤの幻影が消えて…、という感じなのだけど。)

村元・高橋ペアによる「ラ・バヤデール」、とても素敵な、ソロルとニキヤになっていた。
(昔は私は、ソロルって役は、二心のある男と思ってたけど、今回、高橋選手の演じたソロルは、そういう感じじゃなくて、ニキヤだけ好きみたいな感じ。バレエブランまで行かなくても、終始柔らかな動きで、バレエの舞台の雰囲気に凄く近くて、もう少し長くストーリーを追った形で(試合じゃなくアイスショーみたいので)見られたら楽しいかも?とも思った。

クラシックバレエは大変難しく、30才過ぎてから、こういうものに取り組んだのかもしれない、高橋選手が、よくぞここまでやれた、と、意外というか、感心はした。いい先生が付いていたとしても。

高橋選手の、アームスの使い方とか、バレエっぽく変化していて。フィギュアスケートだけやってた人が、短期でここまではなるのは、なまなかではないと思った。バレエの男性主役の、独特の雰囲気もそう。

ただ、リフトとかは、大変体に負担がかかると思うし、凄く努力してここまで来てると思うので、体壊さずに、北京まで行けたらいいね、と思った。

「マスク」の時よりは、二人の動きが揃っていたので感心したけど、高橋選手が転倒したのは、頑張りすぎたかな、って思った。その直前がとてもよく揃っていたので。彼がやってる、30才過ぎてのアイスダンス転向とか、非常に努力のいる難しい事をやっていると思うので。頭ではどう動くべきか理解していて、やりとげよううとして、体が、転倒したところでついていけなかった、みたいな感じかな?って思った。

身体さえしっかりしていれば、明日はもっと良くなることもあるだろうから。
深刻な怪我さえ負わなければ、彼らの独自の世界を、アイスダンスの試合で見せられるかも?

と、彼らだけ見てると思った。

けど、優勝した小松原・コレト組をみていると、まったく異質な世界で、ああ、やっぱりあのくらい、二人の動きが異様に揃ってないと、オリンピック出場は難しいのかしら?とも思ったけど。

アイスダンスの世界には、独特の決まり事や価値基準があり、それを踏襲できないと上には行けないのかな?とも思うけど、現在の村元・高橋ペアの面白さは、他のアイスダンサーにはない種類のものであって、自分でも矛盾した感想を持った。(揃ってない所も含めて面白かった。っていっちゃいけないのかもしれないけど)アイスダンス界に、新風を吹き込むコンビではある。

そして、振付、音楽の使い方、素晴らしいので、先生含め、チームの良さが目立った。

以上、非・高橋大輔ファンにして、アイスダンスの現行ルールに無知な者の、勝手感想でした。

(ちなみに、エキシか何かで放送された、昔のシングル時代の高橋選手の「白鳥の湖」は、自分的には、だめだめで、ついていけん。ファンはあの高橋選手が大好きだったんだろうけど。良しあしじゃなくて、あれはロックじゃ。くらしっくばれえでは、ありまへん、という感想。

(そういえば、余談だが、対照的だったのが、羽生結弦選手の17歳当時の「白鳥」っぽいプログラム。

当時の日本男子とも思えぬ、究極の白鳥の世界で、なんで?なんでこの人、こういう雰囲気が出せるの?!って、衝撃を受けた。当時、日本の少年、青年で、「白鳥の湖」みたいのがやれる人って、めったにいなかったと思うので、フィギュア界にこういう人がいて、大変ビックリした。)

一方で、男子シングルで優勝した人とか、4回転やった人たち見てたら、改めてトゥルソワを気の毒に思った。彼女は、3Aやるより、SPから4回転やれたら、今頃無敵だったことだろう。残念無念。

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