懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

羽生の粋、ネイサンの深さ【2021世界フィギュア男子SP】

2021-03-26 01:17:33 | Weblog
タイトル敬称略ですみません。
順位のことはちょい横へ。

以前は女子が物凄かったけど、今回のSPは、全体に私的には女子より男子の方が面白かったので、表題にした1位3位の二人以外も、それぞれちゃんと見たら味わい深い演技が色々ありそうなんだけど。

まだ、全然ちゃんと録画見てなくて、とりあえず表題の二人だけ雑感。

【羽生結弦選手のSP】
リアルタイムで見たら、楽しくて一緒に踊ってました🎶

全日本の時も衣装も含めて印象良かったけど。
今回はさらに。

この方は「羽生道」みたいになってて、今季の環境でもここまで仕上げてくる、恐い位自分に厳しい事を課してる背景があるのだろうけど、
演技が始まったらそんなこと忘れて楽しく見れる感じで。
(演技直前は、王者の貫禄風格オーラが凄くて、近寄りがたい大物感バリバリだったのが。曲がかかると軽やかに変わって。)

色んな意味で感心したし良かったけど、分析より素直に楽しみたかった。

バレエマニアの自分から見ると、音楽を伝える、本当の意味で正しく音楽を伝える踊りって、こんな感じ。
なかなかできないことなのだけど。それを実現している羽生ワールドで、技術の高さ、集中力も素敵だったけど、ステップのレベルが3だったのが意外(自分の見方とフィギュアのジャッジは基準が全然違うので、それはそれでいい事なんだけど。)な位、とてもよく曲を表現していて、ああいう在り方が好きですね。毎回できることでもないけど。

舞台は一回一回違うものだから、今迄も素晴らしい羽生結弦の世界をたくさん見られたけれど、でもまだまだ、リアル見逃したらイカン!という、聖なる一回性の試合という名のステージが見られるかも、と思って次もまた見たくなる。

そんな演技だったかな。冷静に見てない。

無観客じゃないみたいな、羽生選手のファンの歓声が聞こえてきそうなファンキーな演技でした。
(プリンスの曲のレッツゴークレージーとかとちょっと似てるけど、でも全然被らない、衣装も今までのパターンとぜんぜん違うのを出してきたし、動きの洗練はあっても、今迄の振付のとはまた異なる動き、新しいアイデアだしてきていて、そういうディテールの創造性も、また良かった。)

(技術の高さは素晴らしいんだけど、それを全然書いてない文でごめんなさい)

【最終滑走の手前、ネイサン・チェン選手のSP】
羽生、ネイサン、と言った選手たちに実力を発揮してほしい気持ちはやまやまなので、羽生がいい演技を決められてほっとして、ネイサンを見る直前に、もしや、ネイサンの方は今回SPは順当な出来ではないかも?ってカンが閃いて、自分はそういう悪い予感が当たる方ではないけど、今日は当たってしまった。

冒頭4回転ルッツ、ミスはミスだけど。
ただ、この方は、とても賢い、教養のある例外的なスケーターなのかも?って凄く思った。
前も、五輪FSでちょっとそう思ったんだけど。

技術の痛いミスはあっても、この選手の作品世界との向き合い方、なまなかでない。
今回挑戦した新しい音楽世界も、背景、文化的な事、こういうスポーツの選手には珍しく、凄く学習して把握して向き合って取り組んでるんじゃないかって、そんな感じがした。

フィギュアスケートの世界は、今も昔も音楽の使い方、作品理解等々が物凄くいい加減に見える物って当たり前のように散見されて、まあ、スポーツだからいいんじゃないの?みたいな所で終わってしまうのだけど。

そういった在り方とは一線を画する教養有りそうな選手の存在は貴重だと思った。

学業との両立はなまなかでないと思うし、羽生選手が頑張りすぎると、ついネイサンがフィギュアに力入りすぎて学業に影響するんじゃないか?なんて、余計なお世話な事を考えてしまいました。

(ほんと、フィギュアで頂点を目指すのもいいけど、医学の道に進むと仰せでそれって大変な事と思うから、困難を乗り越えて、フィギュアだけでなく、そっちの道でも過たず彼の行くべき道を進めるといいなと思った。)

他に目を引く選手、演技は色々あったし、技術はこの二人に追いつき追い越そうとするものは現れるかもしれないけれど、
この二人の、技術の素晴らしさだけじゃなく、この二人だけしかない、別の良さがあるな、って、今日はちょっと思いましたです。

(最初の4ルッツは、当初はやらないつもりの時もあったのかな?だから、あの展開もあり得なくない状況だったのかもだけど。皆が言う通り、あれで後半の4回転フリップのコンビネーションで巻き返せる底力はさすがネイサン。)

この二人のことしか書かない自分って酷いと思うけど。
(二人の選手の演技についても、たいして書いてないけど)

全日本で一番感動したのは、羽生選手が優勝した時、空間に向かって「みんな、健康で、かえってくださ~い!」って言った時。
演技とその集中力やSP衣装にも、おおおっと思ったけど、それがさらに上だった。

今回の世界選手権は北欧だし、コロナが心配なのはやまやまなので、
無観客試合だし、
その言葉、そっくり選手たちに返したい。

出場選手の皆様、健康で帰って下さい。

(本日も推敲無)


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