懐かしのバレエ

バレエ、パフォーミングアーツ等の感想、及び、日々雑感。バレエは、少し以前の回顧も。他、政治、社会、競馬、少女マンガ。

指揮者

2015-05-29 00:40:41 | バレエ
2007年のダンチェンコ来日公演のパンフを見ていて、

当時の35歳の首席指揮者だった、フェリックス・コロボフがいなくなってるな、と思って。

前回、ちょっと前よりふとったとは思っていたけれど。

あれは、過激指揮者というか、かなり視覚に訴える指揮で、演奏もどっちへ飛んでいくかわからないような、刺激的なもの。

今回の指揮者は一人で(前回は2名)、白鳥の湖の一つの正統的な、順当な音楽を導く指揮だった。

それと、上演時間が。前回公演より短かったと思う。(休憩が短かったのか、本体も短かったのかは未確認。)

バレエ団来日についての公式HPに、キャスト表のUPがなかったので、備忘録として記載しておくだけでも、あとあと役に立ちそう。

・「エスメラルダ」は、前回と群衆の処理の印象が微妙に違っていて、
ウラジーミル・キリーロフらの参加した前回は、無慈悲なストーリーにも、演じ手たちのカラーなのか、ヒューマニステッィクなものを感じた。

今回は、もっと冷酷な感じ。
貴族と民衆を対峙させる構図がもっと輪郭くっきりで、

あれ?これって、ブルメイステルは、ほんとはこういうことをやりたかったのかしら?
とちょっとだけ思った。これって?もしかして社会主義リアリズム(死語)とか??ってな。

でも、前々回の公演パンフに昔のダンサーのデデーエフのインタビューが出てて、やっぱり、キリーロフらのやってた方が、順当にブルメイルテルがやりたかったもののように思えた。

・カルダシュは、前々回も「白鳥」の1幕の脇役の女性で、アダージョ踊ってる。でもこの時は、セメニャチェンコの方が目を引いた。
今回は、同じ1幕アダージョで、鍛えられた細身の上体に、白い衣装が映えて目を引いた。

・今にして思えば、マリインスキーとボリショイの人がトップに来れば、ダンチェの男性舞踊手が前より強化されるのは、自明だったのかもしれないが。

自分は以前のダンチェも好きだけど、友人とかは、ダンチェンコはバレリーナは良いけど、男性の技術水準が低い、という意味のことを言われたことがある。これが今回、強化されたのは、事実なんでしょうね。変わりゆくダンチェンコ。

今回は、白鳥1幕のパドカトル等の水準は、きっと客観的には、上がったんだと思う。ジャンプの着地音も減ったし。

自分は、今回みたいに踊りきっちり、っていう感じじゃなく、王子の友人二人が常に仲良さそうに交流の感じられた、1995年(TV放送)の公演の時の1幕のあり方も好きだったけど。

それで、男性ダンサーは、多少、入れ替わりが。ゼレンスキーが人を地方とかから、引き抜いてきたのかなと思ったけど、よく探したというか。
マリインスキーは、一方、今度の来日公演で、韓国人の王子が登場!これも、ちょっとびっくり!マリインスキーってそういうイメージなかったから。

今どきはロシアの都会で、いい男性舞踊手になりそうな人材を見つけるのが、以前に比べ、難しくなってきてるって事かなと思った。

・前々回の公演パンフ、現地取材した、知らない女性の文章が秀逸だった。

・今回の公演パンフのダンサーインタビュー群の中で、ドミトリエフ(なんと、この方、サラトフの出身!チェルノブロフキナ以外に、ここの出身ダンサーってあんま聞かなかったので。)が、今回が最後にならないよう、だったか、次があるように、という意味のことを(言い方忘れたけど)言っていて。
ドッキリ。も、もしかして、次回また公演できるか、未知数ってこと?と思って。

グランドバレエをいい形で実現できる力量があるバレエ団で、ぜひまた来てほしいと思う。けど、公演で、アンケート書かずに帰っちゃった・・・。


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