想風亭日記new

森暮らし25年、木々の精霊と野鳥の声に命をつないでもらう日々。黒ラブは永遠のわがアイドル。

ソフトボール、追想

2008-08-21 09:40:22 | Weblog
     えーっと、狙ってますが‥



     腰を低くして、飛びます。
     いや、飛んだつもり。

     届かない‥ ぼくのお菓子‥くれよ!
       



    延長12回戦4:3でオーストラリアに勝利したソフトボール。
    勝つ試合はいいですねえ。
    めずらしくオリンピックを観たのは理由があって‥。
    
    うさこは中学生一年生の時、ソフトボール部に入りました。
    新学期にではなく他部をうろちょろした挙げ句に不純な動機で入部した。
    それはどんな理由? すぐには言えないわ~。

    バッテリーは親友同士で部の中心でした。
    ピッチャーのおめめぱっちりの女の子が誘ってくれたけど、
    相方のキャッチャーの方は、皮肉屋で勉強がよくできる女子。
    対照的だったけど、ふたりはとても仲良しで、部活以外でも一緒でした。
    皮肉屋のユーコちゃんに「なんで、あんたが入ったわけよ」とことあるごとに
    言われ続け、でもうさこはぼーっとしてるか、へらへらと応じてました。

    遅れて入ったけどなぜか肩が強くてコントロールがいいのでレギュラーに。
    最初はライト、次にファースト。
    打順は1番。
    ひそかにピッチングの練習などしていたのを、社会人コーチのおじさんが
    見つけてくれて、リリーフ投手に。

    さて、肝心の試合はというと‥ 練習試合ではいい感じなのに
    勝ったことがありません。
    うさこの暴投、ここぞというときにコントロールがきかないんだ、これが。
    勝つはずの試合をよくダメにしてました。エラーで負ける、負ける。
    大きな大会ではいつも初戦敗退でした。
    キャッチャーの女子は実はうさこの従姉妹だったんだけど、
    あんたなんかもう知らんとばかりに皮肉られまくってました。当然です。

    いつも部内で浮いているのに、なぜか応援団ができて、彼らが練習を
    見に来てファーストのそばに並ぶので、なおさら浮いてました。
    なんであんなことになっていたのか今では不思議ですが、うさこを好きな男子が
    いて、その男子に取り巻きの子分がいて、団体さんでやってくるのでした。
    部室で孤独なのに、そのせいかますますもって浮いてました。

    試合に負け続け、勝つということを知らないままの部活。
    それでも、うさこはその二年間が楽しかったのでした。
    それは、実は、とてもいいにくのだが‥応援の男子には目もくれず
    顧問の先生に恋していたからでした。国語の先生。

    入部する前から放課後になるとバックネットにへばりつくようにして
    その先生を見つめていたわけです。
    それをビッチャーの信代ちゃんが気づいて、誘ってくれたのでした。
    ソフトボールを好きなのだと思ったわけではないと思います。
    みんなに冷やかされても、ぜーんぜん、平気な14歳の初恋であったね。

    先生はカブ号で通勤していたので、部活の後、後ろに乗っけてもらって
    家の近くまで送ってもらったことがありました。
    先生が将来の夢を語っていたのを、あまり意味もわからず聞いていた、
    オトナの先生の話を聞いているのが幸せなのでした。

    うさこ達が受験を前に部活を止めたのち、先生は突然結婚しました。
    びーっくりして、急に熱が冷めてしまった。
    それからのうさこは、ふてくされ青春時代に突入し、
    どんどん冷めた子になっていきました。
    失恋のせいか? いや、いろいろなものを失って、はしゃいだり、へらへらしたり
    の子供から脱皮していったのだと思います。
    
    グローブとボール、今もあります。
    ソフトボール用じゃなく野球ボールだけど、キャッチボールが好きです。

    人とも犬とも、投げ返してくれる相手がいるのは楽しいね。
    暴投癖は今もあまり変わらない。
    受けてくれる人のやさしさで、生きています。
    投げ返されたのは、どんな球でもとろうとします。
    くんくん親分の真剣眼と同じ、飛び上がったり走ったり、全力でキャッチします。
    独りじゃないのは、しあわせです。

    追記/アメリカとの試合は今日なのですね、楽しみです。
  

    


 
コメント
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