来期のオペラチケットの交換が必要なので、ロイヤルオペラハウスへ行かなくては、と思っていたところ、今日の公演がボリショイバレエだという。バレエは全く分からない私だが(他が分かるわけではないが)、それでもボリショイバレエが有名なことくらいは知っている(=何も知らないに等しい)。
チケットは勿論完売。チケットセンターに連絡すると、「当日券は会場に並んでいただきます」-え、いつものオペラは2時間前くらいまでネットで買えるのに?
ま、いつもオペラの当日券は意外と出るように見受けられるので(並んだことはないが)、他の用事を済ませつつ、オペラハウスまで運動がてら歩いていった。当日券の列は20名くらいか。
ところが、1時間待っても列があまり短くならない。チケットを売りたい人から直接買っている人も居たが、本当に動かない。係りの人が来て、この辺り(私の前の人が尋ねていた)は、ギャンブルするようなものだね、と言い放って行ってしまった。
えー、そんなに可能性低いの?
でも、チケット交換もあるから、とりあえずダメと分かるまで並んでいることに。
すると、係りの人が、£90の席が1つだけありますが、どうしますか?と聞いてきた。も、勿論、買います!-どうやら、ペアの人が多く、またシングルの人は安いチケットを探していたお陰で、お鉢が回って来たらしい。
バルコニーの最前列中央左寄りの席。これを当日£90ならば文句は言えまい。ま、出来次第だが。
オペラに慣れていると、バレエの出だし、演者がまったく声を出さないことが奇妙に思える。今日は「ドン・キホーテ」。といっても、バレエ上の主役は彼ではないが-とりあえず最初彼が舞台に現れる。その手つきの芸術的なこと。声を出せない代わりに、手が雄弁に語る。いや、なんとも妖艶なその動きを観ていると、思わず真似をしてみたくなる。
主役はKitriがNatalia Osipova(ナタリア・オシポワ)、BasilがIvan Vasiliev(イワン・ワシリエフ)。このプリンシパル2人が抜群に上手い。この2人の日(今日と日曜日)のチケットが完売、ということのようだ。この2人が上手いということは素人目にも明らかなのだが、バレエは本当にわからないので、他の人になると、ちょっと眠気が。。。
それにしてもワシリエフの滞空時間の長さよ。ナタリアも、良く回る。月並みだが、こうして笑って踊るために、彼らは一体どれだけの努力をしたのだろう。幾ら、才能に恵まれたとはいえ(それでも、彼らも完璧ではないのだ-プリンシパルになったばかりという若い彼ら、益々の発展を祈念したい)。
ロイヤルオペラハウスでのカーテンコールは初めて見た(普段は皆結構諦めが良い)。2回目、3回目はワシリエフはサービスで、中からジャンプしながら登場し客席からの更なる喝采を浴びていた。
結構なものを拝見いたしました。£90の価値、充分にありました。ありがとう。