2008年6月12日。ラッセル・ワトソンコンサート@Royal Festival Hall。
Atlanta出張から帰り、時差ぼけ解消のために何か演奏会はないかと検索して見つけたラッセル・ワトソン。英国で最も人気のある(クラシック系)歌い手だが脳腫瘍のために活動を中止していると読んでいたので、出掛けてみることとした。
オペラ歌手なのかと思っていたが、7つの声色を持つ、と言われるだけあって、様々な歌を歌った。個人的には声を張り上げない、ゆったりとしたイタリア曲を歌うと良いと思う。オペラ歌手と思えば批評家の批評どおりではある。
勿論、障害を言い訳にできない人をプロと言うのではあるが、芸術を創ったり鑑賞する上で知識が欠かせないように、ラッセル・ワトソンの経歴や病歴を無視して、その音楽を聴くことも不可能である。
純粋に、生きていることを喜び、音楽に携われることを喜ぶ人のコンサートであった。総立ちの聴衆に迎えられ、総立ちの聴衆に見送られていった。
帰りのTubeでヴァイオリン(ヴィオラ?)と旅行鞄を抱えた男性に出くわした。演奏家なのだろうか-彼が、プロであっても、心から音楽を愛する人であることを祈らずにはいられなかった。