Que ma vie est belle!

私とは、美しいもの、美味しいもの、楽しいものの集合体。

マルタ・アルゲリッチ@ロイヤルフェスティバルホール

2009-04-28 01:30:00 | コンサート

シャルル・デュトワ指揮、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団、ピアノ独奏:マルタ・アルゲリッチ。2009年4月27日、ロンドン、ロイヤルフェスティバルホールにて。

Prokofiev

The Love for Three Oranges: Symphonic Suite

Piano Concerto No.3

Romeo and Juliet (excerpts)

Charles Dutoit: Conductor

Martha Argerich: Piano

Royal Philharmonic Orchestra

ロンドンって本当に良い所だ。高くても50£でこの演奏が聴けるのだから。月曜とはいえ空席があるのは勿体無い!

月並みな表現だけれど、アルゲリッチは本当に上手い。幾ら早いパッセージでも、とても正確だし、音も粒揃いで、きれい。やっぱり、ここのコンサートグランド、とても良いピアノだったんだ(笑)。

プロコフィエフのピアノ協奏曲、殆ど聴いたことが無いけれど、ぐいぐいと引き込まれて、一瞬たりとも飽きることがない。尤も、殆どピアノパートのことしか覚えていない。オケがいたことを忘れている。

初めて生で聴くアルゲリッチ。とても自然で、演奏中「あちら側」へ行ってしまうピアニストが結構多い中、彼女は淡々と、あくまで「こちら側」で弾いている。見た目は、ちょっと既に魔女っぽいけれど。

アンコールはショパンのマズルカを2曲。あまりに美しい音で、涙がこぼれそうになる。

デュトワは、N響とも関係が深く、その顔には見覚えがあるが、背中をこんなに長い時間まともに見たのは初めて。もう70歳を超えているにもかかわらず、素晴らしいスタイルで、貴族的。指揮も「殿様」っぽい。まるで、

「お前、弾け!」

とオーケストラに命じているように見える(特に顔が見えないと-ファニーフェイス、と思いませんか?っと、失礼!)。

しかし、お殿様の指揮、というのはちょっとつまらなかったりする。昨年オケで演奏した曲だというのに、「ロメジュリ」では一瞬気を失ってしまった。オケの技術力はともかくとして、私達のオケのほうが、面白い演奏だった、気がする。

ドュトワは現在このロイヤルフィルハーモニー管弦楽団の主席指揮者兼芸術監督である。殿にはやっぱり「ロイヤル」がお似合いなのだろうか。