今日一日 暇な時間をみつけては…
【エチレンを空気酸化したら アルデヒドで止まるのだ!】の確証を得ようと
ネット上をウロウロしていた。
調べたら…(参考書にチラッとぐらい載っている程度に)メジャーな反応であった。
【ワッカー酸化】とか言う反応なんだそうだが…
相変わらず、私の脳内では「知らねぇ~よ。そんな反応!」である。
一言で片付ければ「オジサン(筆者)が勉強不足なだけぇ~」なのであるが…
さっき「どうして 俺は勉強不足になってしまったか?」をじっくり考えてみた。
原因 その1
「アルデヒドなんて 所詮…中間体じゃんか!」と、勝手に決め付けていた。
高校化学での【アルデヒドのポジション】は、はっきり言って以下の3点だけである。
① 第一級アルコールを穏やかに酸化すると生成
② 第一級アルコールを豪快に酸化すると、
アルデヒドはすぐカルボン酸になっちゃうよ。
② 還元性があるんだよ。銀鏡反応するんだよ。面白いでしょ~
あとは構造決定問題のネタになるだけで、ほとんど出番はない。
アルコールやカルボン酸と比較すると…非常に身分が軽いのだな。(苦笑)
従って、無意識のうちに…細かい研究はサボっておった。(反省)
まして、アセトアルデヒドの工業的製法なんて、まるっきり勉強していなかった。
原因 その2
「アルケンの酸化って いろんなパターンがあるからなぁ~」
「センター試験じゃ あんまり出たことないし、大胆に削ってしまえ!」と…
これまた 勝手に 思い込んでしまった。
オゾン分解だの、水酸基×2の生成だの、
酸素原子が割り込んで三角形型の構造を作ったりだの…
真面目に授業で展開すると あれこれ…てんこ盛りになってしまって
さっぱり 進まんのだな。あはは。だから【大胆にカァァァト!】してた。(反省)
原因 その3
高校の有機化学って ときどき…
「細かい理屈は 考えずに とにかく 覚えなさい!」的な反応が出てくる。
その典型が フェノールの製法で出てくる【アルカリ融解】ですな。
ベンゼンスルホン酸ナトリウム(固体)に水酸化ナトリウム(固体)を混ぜます。
ガンガンと加熱します。固体は融解します。
あら 不思議… ナトリウムフェノキシドができましたぁ~
高校時代に習ったときから…「硫黄原子はどこに行ったのだ?」と悩んだ。
恩師に質問した。「うるさい! とにかくできるんだ! 覚えろ!」で片付けられた。
大学で有機化学の専門書(モリソン・ボイドだったかな?)を読んでみた。
「上記のような反応が【進行することが知られている。】」と書いてあった。
ますます…「なんでやねん?」と思う。
自分が教える立場になった。ある程度は知識が増えたが…
全部を説明するとなると、やっぱり面倒である。(笑)
そして 結局… 「細かいことは気にしないで 覚えろぉ~」となる。(苦笑)
結局、この問題(27番)も… 同じような【丸暗記反応】だったのか?
「文句を言わずに覚えろ!」と叫んで、授業で触れておくべきだったのかしら?
ん~ 高校化学の限界を感じるなぁ~ (ため息)
原因 その4
【第一級アルコールの酸化】の問題を出すときには…
無言の【お約束】があるのだ。 と…勝手に決め付けていた。
前述のように、
「アルデヒドで停まるのか? それともカルボン酸まで進むのか?」を
受験生に出題するときは… 無言の【お約束】(仁義)みたいなものがある。
例-1 【穏やかに】酸化した。
(アルデヒドで停まるのだと、訴えている。)
例-2 得られた化合物の液性は【中性】であった。
(アルデヒドで停まったのだと、はっきり言っている。)
例-3 得られた化合物は、【銀鏡反応が陽性】であった。
(アルデヒドで停まった可能性が大きい。
でも、ギ酸かもよ? と…出題者はこっそり叫んでいる。)
例-4 得られた化合物に、【炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると発泡した。】
(弱酸遊離だよね。カルボン酸になってるよ。と明言している。)
少なくとも受験生の半数以上が…
「あ~アルデヒドで停まったんだな~」とか
「カルボン酸まで行っちゃったのねぇ~」とか
判断できるような【手がかりを与える】のが【出題者としてのモラル】だと…
勝手に思っていたのだ。
逆に…自分が出題するときは、この仁義を厳格に守っていたのです。
その意味で、センター試験出題者は 「大胆な掟破りの犯罪者」なのです。(笑)
私
「どっちだか わかんねぇ~じゃんか!」
出題者
「あら? アセトアルデヒドの代表的な製法でしょ? 知らないわけ?」
私
「知るわけねぇ~よ! そんなマイナーな反応!」
出題者
「あら…失礼ね。メジャーな反応ですよ。ちゃんと参考書にも載ってるわよ。」
私
「もっと ヒントを~ それが出題者の仁義というもんじゃ!」
出題者
「そんな仁義… 誰が決めたの?
指導要領に そんなこと…書いてないよん! ざまぁ~みろっ! ケケケ」
ん~ 残念ながら 喧嘩を売っても 私に勝ち目はないな。
実に 無念じゃぁぁぁぁぁぁ~ 不覚! 迂闊!
それでも(負けることを承知の上で) 敢えて 最後に書くぞ!
「こりゃ! 問題を作ったのが どこの誰だか知らぬが…
少しは 受験生の心理に 寄り添った問題を 作れや! ぼけっ!」
あぁ~ ちょっと すっきり!(笑)