カンスの背の上で

たまには火を吹け! カンス! ほれほれ!
              (ボッ!) 

センター化学 問題番号27を 再考する。 

2012-01-16 18:36:09 | 竜の研究室

 今日一日 暇な時間をみつけては…
 【エチレンを空気酸化したら アルデヒドで止まるのだ!】の確証を得ようと
 ネット上をウロウロしていた。

 調べたら…(参考書にチラッとぐらい載っている程度に)メジャーな反応であった。
 【ワッカー酸化】とか言う反応なんだそうだが…
 相変わらず、私の脳内では「知らねぇ~よ。そんな反応!」である。

 一言で片付ければ「オジサン(筆者)が勉強不足なだけぇ~」なのであるが…
 さっき「どうして 俺は勉強不足になってしまったか?」をじっくり考えてみた。



 原因 その1
 「アルデヒドなんて 所詮…中間体じゃんか!」と、勝手に決め付けていた。

 高校化学での【アルデヒドのポジション】は、はっきり言って以下の3点だけである。
 ① 第一級アルコールを穏やかに酸化すると生成
 ② 第一級アルコールを豪快に酸化すると、
    アルデヒドはすぐカルボン酸になっちゃうよ。
 ② 還元性があるんだよ。銀鏡反応するんだよ。面白いでしょ~

 あとは構造決定問題のネタになるだけで、ほとんど出番はない。
 アルコールやカルボン酸と比較すると…非常に身分が軽いのだな。(苦笑)
 従って、無意識のうちに…細かい研究はサボっておった。(反省)
 まして、アセトアルデヒドの工業的製法なんて、まるっきり勉強していなかった。


 
 原因 その2
 「アルケンの酸化って いろんなパターンがあるからなぁ~」
 「センター試験じゃ あんまり出たことないし、大胆に削ってしまえ!」と…
     これまた 勝手に 思い込んでしまった。

 オゾン分解だの、水酸基×2の生成だの、
 酸素原子が割り込んで三角形型の構造を作ったりだの…
 真面目に授業で展開すると あれこれ…てんこ盛りになってしまって
 さっぱり 進まんのだな。あはは。だから【大胆にカァァァト!】してた。(反省)


 
 原因 その3
 高校の有機化学って ときどき…
 「細かい理屈は 考えずに とにかく 覚えなさい!」的な反応が出てくる。
 その典型が フェノールの製法で出てくる【アルカリ融解】ですな。
 
 ベンゼンスルホン酸ナトリウム(固体)に水酸化ナトリウム(固体)を混ぜます。
 ガンガンと加熱します。固体は融解します。
 あら 不思議… ナトリウムフェノキシドができましたぁ~

 高校時代に習ったときから…「硫黄原子はどこに行ったのだ?」と悩んだ。
 恩師に質問した。「うるさい! とにかくできるんだ! 覚えろ!」で片付けられた。
 大学で有機化学の専門書(モリソン・ボイドだったかな?)を読んでみた。
 「上記のような反応が【進行することが知られている。】」と書いてあった。
 ますます…「なんでやねん?」と思う。
 自分が教える立場になった。ある程度は知識が増えたが…
 全部を説明するとなると、やっぱり面倒である。(笑)
 そして 結局… 「細かいことは気にしないで 覚えろぉ~」となる。(苦笑)

 結局、この問題(27番)も… 同じような【丸暗記反応】だったのか?
 「文句を言わずに覚えろ!」と叫んで、授業で触れておくべきだったのかしら?
 ん~ 高校化学の限界を感じるなぁ~ (ため息) 

 
 原因 その4
 【第一級アルコールの酸化】の問題を出すときには…
    無言の【お約束】があるのだ。  と…勝手に決め付けていた。

 前述のように、
 「アルデヒドで停まるのか? それともカルボン酸まで進むのか?」を
 受験生に出題するときは… 無言の【お約束】(仁義)みたいなものがある。

 例-1 【穏やかに】酸化した。
      (アルデヒドで停まるのだと、訴えている。)
 例-2 得られた化合物の液性は【中性】であった。
      (アルデヒドで停まったのだと、はっきり言っている。) 
 例-3 得られた化合物は、【銀鏡反応が陽性】であった。
      (アルデヒドで停まった可能性が大きい。
       でも、ギ酸かもよ? と…出題者はこっそり叫んでいる。)
 例-4 得られた化合物に、【炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると発泡した。】
      (弱酸遊離だよね。カルボン酸になってるよ。と明言している。)
      
 少なくとも受験生の半数以上が…
 「あ~アルデヒドで停まったんだな~」とか
 「カルボン酸まで行っちゃったのねぇ~」とか
 判断できるような【手がかりを与える】のが【出題者としてのモラル】だと…
 勝手に思っていたのだ。
 逆に…自分が出題するときは、この仁義を厳格に守っていたのです。

 その意味で、センター試験出題者は 「大胆な掟破りの犯罪者」なのです。(笑)
 
 私  
   「どっちだか わかんねぇ~じゃんか!」
 出題者
   「あら? アセトアルデヒドの代表的な製法でしょ? 知らないわけ?」
 私  
   「知るわけねぇ~よ! そんなマイナーな反応!」
 出題者
   「あら…失礼ね。メジャーな反応ですよ。ちゃんと参考書にも載ってるわよ。」
 私  
   「もっと ヒントを~  それが出題者の仁義というもんじゃ!」
 出題者
   「そんな仁義… 誰が決めたの?
    指導要領に そんなこと…書いてないよん! ざまぁ~みろっ! ケケケ」


       ん~ 残念ながら 喧嘩を売っても 私に勝ち目はないな。
       実に 無念じゃぁぁぁぁぁぁ~  不覚! 迂闊!

 
 それでも(負けることを承知の上で) 敢えて 最後に書くぞ!
       
 「こりゃ! 問題を作ったのが どこの誰だか知らぬが…
  少しは 受験生の心理に 寄り添った問題を 作れや! ぼけっ!」

         あぁ~ ちょっと すっきり!(笑)





 

 
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