昨年末の大騒ぎの飲み会のときに
親愛なるR氏は お土産に…
【巨大などら焼き】を持参してきたのであった。
なんでも…新宿だか銀座だかで
大変…好評な一品なのだそうな。
しかし…その大きさは半端ではない。厚さも半端ではない。
小生の顔も 相当に大きいが(苦笑)
それすらも 軽く凌駕する モンスター・サイズである。
パーティーに参加した面々…全員がため息をついた。
もともと 盛大に飲んだくれる会であるから
甘いものなんぞは ほとんど 出番がないのである。
テーブルの上に どぉ~んと 乗っかった どら焼き…
その横に ニョーボーが準備した ケーキ用ナイフ…
ニョーボーが 高らかに宣言した。
「1人 15度分… 必修ねぇ~」
参加者の顔に 動揺が走る。
長いこと生きてきているが…
どら焼きを 角度で分割するのは 初体験である。
嬉しそうに 娘の部屋から 分度器を持ち出す輩までいる。
主賓のオジサンの前に 巨大どら焼き×15/360 が 置かれた。
ムムムム… 通常のケーキの約3個分はあるであろう。
ムムムム… あふれんばかりの 餡子
ムムムム… おまけに 栗が ゴロゴロ入っておる。
それ行け~ 大将!
ここが 親分の迫力の見せ所!
これを喰わなきゃ 年は越せぬぞ!
好き勝手な 野次と拍手とともに…
オジサンは 目を白黒させながら
食べたのであった。
さぁ 喰ったぞ… おまえらも 存分に食え!
ところが どいつも こいつも…
「血糖値が高いので 5度で… お願いします。」
「女性陣は やっぱ… 3度未満が上品よね。」
「中抜きの ヘリの部分を… 10度ほど いただきましょうか?」
「だめよ。あなた! ダイエット中だから リタイアしなさい。」
「5歳児以下は 3度以下に限定せよ!
若年性メタボリックを 断固として食い止めるべし!」
言い訳の山を作って… さっぱり 減らぬ。
2時間後 娘が嬉しそうに叫んだ。
「やっと 残りが 180度に近づいてきたよ。」
要するに 半分まで いってないのね。
翌朝… 推定残り角度 160度の モンスターは
参加した面々に 等しく分配され
それぞれの家庭で 年を越すことになったのである。
R氏は 帰りぎわに… 小さく呟いた。
「来年は 巨大煎餅にしときますわ。ははは。」