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熱化学方程式攻略 その7

2012-01-29 00:15:16 | 竜の研究室

【解法3】 究極の高速技 【符号反転・数値代入法】
 原理を理解するのは ちょっと苦労するのだが…
 理解しちゃった人には 【魅惑の高速技】  

**********************************

 例題 2012年1月実施センター試験 大問2 問1(解答番号 8)
    (問題文は大幅に簡略化してあります。)

  次の熱化学方程式のQの値を決定せよ。

  Fe2O3(固) + 3CO(気)

      = 2Fe(固) + 3CO2(気) +Q[kJ]

  ただし、生成熱は以下の通りである。
    Fe2O3(固)  824[kJ/mol]
    CO(気)     111[kJ/mol]
    CO2(気)    394[kJ/mol]
************************************


 着目点
 ※ 試しに 酸化鉄の生成熱を書いてみよう。
 2Fe + 3/2 O2 = Fe2O3 + 824 kJ
 と言うことは これを式変形すると

  Fe2O3 = 2Fe + 3/2O2 - 824 kJ なわけだ。
 
 これを目的の式にぶち込んでしまいましょう。
 同様にCOやCO2の項も 生成熱を式変形してぶち込んじゃいましょう。


  (2Fe + 3/2O2 -824 kJ)
    ↓
  Fe2O3(固) + 3CO(気)
              ↑
             (3C + 3/2O2 - 333kJ) 


      = 2Fe(固) + 3CO2(気) +Q[kJ]
                   ↑
               (3C+ 3O2 - 1182 kJ)

 結局 出現する化学式はすべてバサバサと消去できて、生き残るのは

   -824 -333 =  -1182 + Q  ---(★)

   ∴ Q= +25 kJ となります。


 以上より 
 【生成熱の符号をひっくり返して、目的の式に代入して、数値計算すればできあがり】なわけ。

 プロは 本番で 【化学式はどうせ消去されるから】(ということを知っているから)
 (★)の式だけ書いて、計算しておしまい。 ん~ 30秒いらないね。(笑)


 ただ、 私は個人的に この方法は あんまり好きじゃない。
 確かに 絵解きよりも 高速なんだけど、全体像がイメージできないし
 出てきた答が あってるんだか 間違ってるんだかを 検証しにくいんだよな。
 まぁ~ 採用するかどうかは 読者の判断にまかせます。
 速度を大事にするなら【解法3】、イメージを大事にするなら【解法2】かしら?
 どっちにしても【解法1】だけは やめなさい。いいことないですから。

 次回は、小生が大好きな【絵解き熱化学】(解法2)の攻め方を もう少し解説します。


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