粋な贈り物

今　Led Zeppelin の 【Stairway Heaven】を聴いている。
言わずと知れた　名作中の名作である。

この曲には　ある思い出がある。
高校３年生の３月。
大学にも合格し、新しき生活に夢を膨らませつつも…
悪友たちと　別れを惜しむ日々

そんな中　別の高校に在籍していた友人のＡ君が
就職のために　一足先に　東京へと旅立った。
残された連中は　いつもの　喫茶店で　ダラダラしていた。
「あぁ～　Ａも　いっちゃたなぁ～」なんて　ぼやきながら。

喫茶店に電話がかかってきた。
東京に行ったＡ君からだった。
「やっぱり　おまえら　そこに　屯してたな。
　その店が懐かしくなったから　プレゼントを贈るよ。
　マスターに頼んで　有線のチャンネルを　●△に合わせてね。」

「なんだ？　なんだ？」と　騒ぐ我が友たち。
しばらくして　流れてきたのが　【天国への階段】だった。

Ａ君が　わざわざ　地元の有線に電話をかけて　
リクエストしてくれたのだ。

奴が　いつも　ギターで　弾いていた曲だった。
（もっとも　いつも　同じところで　こけていたけど。）

がんばって　俺たちのバンドが　コピーしようとして…
そして　いつも　オリジナルと比較すると　あまりにも情けないできなので
結局…　人前では一度も披露できなかった　挫折の塊の曲だった。


喫茶店で　全員が　無言で　聴いていた。
いろんなことを　思い出しながら。
なんだか　高校生活で　一番…【カッコいい一瞬】だった。（苦笑）


いまでも　この曲を聴くと　あの瞬間が目に浮かぶ。
もう３０年も前のことなのに…
Ａ君とは　結局　高校卒業以来　一度も会っていない。
どこで　何をしていることやら？