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熱化学方程式攻略 その6

2012-01-28 23:43:08 | 竜の研究室

 【解法2】 エネルギー図を作成して、【数値計算だけで】攻めて行く

 
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 例題 2012年1月実施センター試験 大問2 問1(解答番号 8)
    (問題文は大幅に簡略化してあります。)

  次の熱化学方程式のQの値を決定せよ。

  Fe2O3(固) + 3CO(気)

      = 2Fe(固) + 3CO2(気) +Q[kJ]

  ただし、生成熱は以下の通りである。
    Fe2O3(固)  824[kJ/mol]
    CO(気)     111[kJ/mol]
    CO2(気)    394[kJ/mol]

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 着目点
 ※ 与えられたデータは すべて【生成熱】である。
   即ち【構成元素の単体】から出発したときの熱である。
 ※ 目的の式の左辺と右辺も…
   3種類の単体 2Fe、3C、2O2 から作り出すことを考える。
 
 まず 左辺を 2Fe、3C、2O2 から合成する…エネルギー図を描いてみよう。

     2Fe、3C、2O2
         ↑
         | この高さの差はデータより 824+111×3=1157 kJ
         ↓
     Fe2O3、3CO


 同様に 右辺を 2Fe、3C、2O2 から合成する…エネルギー図を描いてみよう。

     2Fe、3C、2O2
         ↑
         | この高さの差はデータより 394×3=1182 kJ
         ↓
     2Fe、3CO2

 結局、2つの図をまとめると

     2Fe、3C、2O2     
       ↑          ↑
      1157 kJ
       ↓         1182 kJ 
  Fe2O3、3CO       ↓
                  2Fe、3CO2



  左辺と右辺の差は 25 kJ(1182-1157)になる。
  右辺の方が左辺より低い(大きく下がっている)から あきらかに発熱。
  以上より +25 kJ と判断できる。


  この方法は かなり訓練しないと…実戦では使えないのですけど、
  熱化学方程式を1つも書かなくて済むのですな。
  慣れてくれば この問題でも1分以内に解けます。
  図を描くのに、それなりのセンスが要求されますが、めっちゃくちゃ高速です。

     お勧めです!
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