【解法3】 究極の高速技 【符号反転・数値代入法】
原理を理解するのは ちょっと苦労するのだが…
理解しちゃった人には 【魅惑の高速技】
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例題 2012年1月実施センター試験 大問2 問1(解答番号 8)
(問題文は大幅に簡略化してあります。)
次の熱化学方程式のQの値を決定せよ。
Fe2O3(固) + 3CO(気)
= 2Fe(固) + 3CO2(気) +Q[kJ]
ただし、生成熱は以下の通りである。
Fe2O3(固) 824[kJ/mol]
CO(気) 111[kJ/mol]
CO2(気) 394[kJ/mol]
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着目点
※ 試しに 酸化鉄の生成熱を書いてみよう。
2Fe + 3/2 O2 = Fe2O3 + 824 kJ
と言うことは これを式変形すると
Fe2O3 = 2Fe + 3/2O2 - 824 kJ なわけだ。
これを目的の式にぶち込んでしまいましょう。
同様にCOやCO2の項も 生成熱を式変形してぶち込んじゃいましょう。
(2Fe + 3/2O2 -824 kJ)
↓
Fe2O3(固) + 3CO(気)
↑
(3C + 3/2O2 - 333kJ)
= 2Fe(固) + 3CO2(気) +Q[kJ]
↑
(3C+ 3O2 - 1182 kJ)
結局 出現する化学式はすべてバサバサと消去できて、生き残るのは
-824 -333 = -1182 + Q ---(★)
∴ Q= +25 kJ となります。
以上より
【生成熱の符号をひっくり返して、目的の式に代入して、数値計算すればできあがり】なわけ。
プロは 本番で 【化学式はどうせ消去されるから】(ということを知っているから)
(★)の式だけ書いて、計算しておしまい。 ん~ 30秒いらないね。(笑)
ただ、 私は個人的に この方法は あんまり好きじゃない。
確かに 絵解きよりも 高速なんだけど、全体像がイメージできないし
出てきた答が あってるんだか 間違ってるんだかを 検証しにくいんだよな。
まぁ~ 採用するかどうかは 読者の判断にまかせます。
速度を大事にするなら【解法3】、イメージを大事にするなら【解法2】かしら?
どっちにしても【解法1】だけは やめなさい。いいことないですから。
次回は、小生が大好きな【絵解き熱化学】(解法2)の攻め方を もう少し解説します。