真面目に 泳いだ。
何十年ぶりだろう?
娘の水泳特訓に付き合って
とにかく 真面目に 泳いでみたのだ。
いやぁ~ 疲れたねぇ~(笑)
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その昔 運動が まるっきり駄目な…
「のび太」みたいな少年がいた。
逆上がりができなくて いじめられ
かけっこも いっつもビリで また いじめられ
病弱だから すぐ熱を出し
ガッコを休んで また いじめられ
休んでばっかりだから 掛け算の九九ができなくて
授業中には 涙ぐみ
クラスの 最下層で 蠢いていた 情けない少年…
そんな 僕が… 唯一 人並みにできたのが 水泳だった。
親父やお袋が 心を鬼にして
当時としては 珍しい… スパルタ水泳教室に
僕を通わせたのだ。
泣きながら 通った。 ビンタ喰らいながら 泳がされた。
溺れかけたことも 一度や二度ではない。
そんな 僕が 東北地方に 転校したのが
小学校6年生のとき。
「また 転校先でも いじめられるのか…」
「まっ どこでも おんなじだな…」 なんて 思って
暗い気持ちで 新しい 学校に 通い始めた。
ところが そんな 僕が… 体育で一番になったのだ。
【背泳】ができる奴が クラスで誰もいなかったのだ。
そもそも プールのある小学校なんて
当時の この地方では 数えるほどしかなかった。
どいつも こいつも 河で泳いでいた。
流れのある河で… 悠長に 背泳なんぞは しない。
だから どいつも こいつも 平泳ぎしかできない…
そんな中で たまたま 僕だけが 背泳ができたのだ。
クラスの代表選手になった。 生まれて初めてのことだった。
世界が一瞬にして変わった。
クラスのみんなが 僕を 「すごぉ~い」と 誉める。
僕は ちょっと 赤くなりながら 笑った。
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娘に 水泳を教えながら…
私は 背泳ぎを 何度も 何度も 繰り返した。
あの頃を 思い出しながら…
横で 娘も いつの間にか 背泳ぎを 覚えた。
さっきまで 娘と一緒に
昼寝をしていた。
冷えた西瓜を食べたあとに…
畳の上で 昼寝をした。
昭和40年代的 昼下がりを 楽しんだ。
良き一日である。