墨汁日記

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徒然草 第三十一段

2005-08-26 19:35:10 | 徒然草
 雪のおもしろう降りたりし朝、人のがり言ふべき事ありて、文をやるとて、雪のこと何とも言はざりし返事に、「この雪いかが見ると一筆のたまはせぬほどの、ひがひがしからん人の仰せらるる事、聞き入るべきかは。返す返す口をしき御心なり」と言ひたりしこそ、をかしかりしか。
 今は亡き人なれば、かばかりのことも忘れがたし。

<口語訳>
 雪がおもしろく降りしきった朝、人のもとへ言うべき事があって、文(手紙)をやったら、雪のことを何とも言わぬ(、その)返事に、「この雪をいかに見ると一筆も言われぬほどの、ひがひがしからん人(ひねくれ者)の仰られる事、聞き入れるべきでしょうか。かえすがえす口惜しい御心です」と言っていたのこそ、おかしかった。
 今は亡き人であれば、これだけのことも忘れがたい。

<意訳>
 雪が面白いぐらいに積もっちゃった朝。
 たのみ事があって、ある人の元へ手紙を送らせたら、返事を持って帰って来た。
 昨晩から降り続き、ふりつもった今朝の大雪には、全くふれていなかった俺の手紙への返事。
「この雪をいかに見るの、一言すらないようなひねくれ者の言う事を聞き入れても良いものでしょうか。かえすがえす口惜しい御心です」
 ただ、おかしかった。
 今は亡き人の言葉であるから、こんな事でも忘れたくはない。

<感想>
 この段の手紙の主の死が、最近の兼好をブルーにさせていた原因なのかもしれない。










原作 兼好法師

現代語訳 protozoa

参考図書
「徒然草」吉澤貞人  中道館
「絵本徒然草」橋本治  河出書房新書
「新訂 徒然草」西尾 実・安良岡康作校注 岩波文庫
「徒然草 全訳注」三木紀人 講談社学術文庫


台風

2005-08-26 06:03:22 | 携帯から
なんか中途半端に強い風が吹いている。上空をすごい速さで雲が流れ、チョボチョボと小雨が降る。

台風はどうしたのだろう。もう行っちゃったのか、これから来るのか。国分寺駅の改札にかけられた風鈴たちが、風に吹かれてヤケクソぎみに鳴っている。