茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」は
私のとても好きな詩です。
友人から同じ作家の「倚りかからず」という詩が好きと教えられて、
「清冽」を読む気になりました。
詩人茨木のり子の肖像 後藤正治著
茨木のり子は育ちもよく、優しく正しい人で誰からも愛され尊敬されていたとありました。
そうかもしれないけれど、茨木の作品の行間に、強さ・激しさ・潔癖・孤独を見たように思います。
読み終わって、私の背中が真っ直ぐに伸びました。
孤独ではあったけれど、人格的に素晴らしい人との交流がありました。
私も、かかわりを持ってくれている人たちとていねいな付き合いをしたいと思うようになりました。
倚りかからず
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚 りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれくらい
自分の耳目
自分の二本足でのみ立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
この詩集が1999年(平成11年9に発刊されてベストセラーになったそうです。
茨木のり子、73歳の時です。
茨木のり子の、「詩のこころを読む」を読んでみるつもりです。