山田詠美の作品はデビュー以来読んでいます。
いやなときもあるのですが、たいてい共感できる部分があります。
このところいろいろな人の手軽な話題作を読んでいましたが、
読むから先に内容を忘れていってました…。
この作品を読んで、書き手の重さを感じました。
ずっしり読んだ手ごたえです。
内容は子供を2人、放置して死なせてしまった女性の話で、
事実をもとにしています。
3代にまでさかのぼって、ルーツをたどります。
これだけを描くのにたくさんの下準備があったことが
作品の中から、作家の情熱や怒りとともに感じます。
都会にはこんなにたくさんの人がいるのに、
手を差し伸べる人がいなかった事実。
自分の身近でもあるだろうと思ったこと。
久しぶりに重い読書となりました。
空虚間のようなものも感じました。