サブタイトルに、「私的キリシタン探訪記」とあったので、
関心を持って読みました。
1549年にザビエルが鹿児島に到着し、イエズス会が日本で布教を開始。
1582年に巡察師ヴァリニャーノが4人の天正遺欧使節を連れて長崎を出港したが、
1590年に帰国したときは、秀吉が伴天連追放令を発布していた。
1614年、家康による大追放。
1644年にペトロ岐部とともにローマで叙階された、最後の神父、小西マンショが殉教して終わる。
話が込み入っていて読み辛いところもあったのですが、
五島列島巡礼、島原天草巡礼、津和野祭り参加という自分の体験が、
この本の中で、ときどき納得させられるのを感じました。
津和野は教会から、峠まで行列をしたのですが、地元の人にとって、
キリシタン拷問がすぐそばで行われるのをどんな思いで暮らしていたか。
先祖の辛い思いを、思いださせる祭りであろうと思いました。
五島列島では比較的穏やかな風景でしたが、
移住してきたキリスト教徒が住むのは、
山の中腹の開墾しにくいところだったと知りました。
天草島原では、遺跡は立っているものの、キリスト教の雰囲気は全く感じられず、
冷たい、何もないところという印象を持ちました。
天草四郎記念館などありましたが、立派でしたが、淋しかったです。
雲仙教会の立派さ、ホテルの主が守っておられるそうですが、
主日のミサに与る人は、2人から5人くらいとか。
世界遺産になるという話題だけでなく、日本で過去にどんな苦しみがあったか、
せめて、私たちクリスチャンは、しっかり祈らなければいけないと思いました。