木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

感覚の相違

2020-10-25 01:09:20 | 仕事
つい先日、鏡餅の返品を食らいました。
作り始めた頃に一度回転させるために裏に開いてる穴の周りが崩れているということで不満を言われたので返品に応じました。
見えないところだったので少し気の緩みもあったのかもしれません。
それで簡単な作り方の説明をした上で裏にある小さな穴が必要なことをお知らせしています。
その穴で持たせると言ってもその穴にねじ込んで支えるので穴の周りが少し粗びます。
中には目に添って少し欠ける物もありました。
よって最近は下の餅の穴に関しては底面をサンダー掛けした後にパテを埋め込んで乾いた時点でもう一度サンダーをかけて仕上げることにしています。
ですからその面でのクレームはもう出なくなりました。
で、今度のご不満はといえば下の餅の上の部分、上の餅で隠れる部分なのですがそこに刃物の跡があってややまっすぐではない というものでした。(あと下の餅の切削面が美しくないとか言う言葉もありましたがこちらは木の質によるものとしか思えませんでした)
二つの不満を書かれていたのでもしかしたら本当に僕の不注意でご迷惑をかけたのならキャンセルでお金が戻るのは勿論、無償で新しい物をもう一度吟味して送って差し上げようかと思った次第です。
でも実際に戻ってきた品物はそれほどの誠意を示すにはこの子に悪いくらい、申し訳ないけど僕の感覚ではお客様のご気分を害しただけで、キャンセルと言われればハイどうぞ と割り切れる程度だったわけです。
それでもやはりお気に召さなければ返却は致し方ありません。
何故その部分に刃物の跡があったかと言うと、上の餅と下の餅を重ねます。
その重ねた時に横から見て一部でも隙間が出来ることを恐れているため 上の餅の底はサンダーでまっすぐ仕上げてあるのですが
下の餅の上面はまっすぐ加工ではなく真ん中に向かってすこしだけ沈み込むように加工してあるわけです。
それのときの刃の跡が少し残っていたのでしょう。
重ねて鎮座した時に美しいを意識しているので重ね面の隠れたところに気持ちの方の隙が出来てしまったのでしょう
でも僕の作品はこれでいいと言う自信もある。
でもお客様の気持ちは尊重しなくてはならない。
また一つ勉強させていただきました。
コメント (10)
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