木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

無花果

2011-08-30 23:52:51 | Weblog
このまえ誰かのブログにイチジクのことが書いてあった
美味しいって

僕もイチジクが大好きだった

いつも僕は母親の実家に行っていた
生まれて一年10か月後に妹が生まれたので
直接母親の手に触れることが少なかったのかもしれない
うちにいる時はおばあちゃん子で母の実家に行っても初孫だった僕はみんなの人気者だったみたいだ
それこそ蝶よ花よと育てられた
・・でも本当は母親の愛情を求めていたのかもしれなかった
母の実家も同じ区にあって車なら10分とかけずに行けるとこ
そこにはイチジクの木があった
欲しいというといつも・・じゃないか
季節によってだが美味しいイチジクにありつくことができた
それでも不思議なことに僕はその木自体を見たことがなかった
いつもおじさんが二階の窓から一階の屋根に下りて取ってきてくれた
今でもその木を見た記憶が全くない


小学生になってからだった
一年か二年 そんな頃のこと
うちの目の前の線路の向こう側へ遊びに行った
空き地なのに鉄条網があってその中に一本の木があった
それはまさしくイチジクの木
美味しそうな実がいっぱい生ってる
子供だからその鉄条網はかろうじて潜れそうだ
僕は友達と一緒にそれを潜り抜けた
そして一個だけ一番美味しそうな実を捥いだ
一刻も早くそこを抜けて違う場所で食べたかった
友達が先に抜けた
僕も左足から抜けて、頭も潜り終って、あとは右足を抜くだけ
早くしなくっちゃの心が右足の位置を少し狂わした
鉄条網の上を向いた剣先が半ズボンだった僕の右足のひざの横を走った
傷口が口みたいに開いてたくさんの血が出た
今もこうやってる僕の右足のそこにはその時の跡が残ってる
悪いことをしたバツだ
そう思った
もうイチジクを食べる気が失せてしまった

そんなことがあったなぁ
でもその時だけの話でイチジクは今も好きだよ
だいたい398円・・・高級品だ(笑)
今年はまだ食べてない
美味しいタイミングを逃さないようにしよう

コメント (10)
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