習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『毎日かあさん』

2011-12-07 21:54:34 | 映画
 東陽一監督の『酔いがさめたら、うちに帰ろう』と競作になった。あれが夫の側から描いた物語であるなら、これはもちろん妻の側から描いた物語だ。鴨志田穣と西原理恵子の夫婦の物語を2本の映画が分け合う。前者は浅野忠信と永作博美が主演し、こちらは小泉今日子と永瀬正敏が主演する。どちらも素晴らしい映画だった。こんな映画を作ってもらえて彼らは幸せだった、はずだ。  子どもたちがすばらしい。映画は甘い家族愛の物 . . . 本文を読む
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劇潜サブマリン『帰ってきた兄』

2011-12-07 21:32:49 | 演劇
 まだ20歳前後の若い作家(作、演出 千葉悠平)の作品だ。大阪芸大の学生劇団による公演。学外で本格的に上演し、自分たちの表現を広く世界に指し示そうとする、なんて言うのは、いささか大袈裟か。でも、その心意気は買う。チラシを見たとき、家族の問題を扱っているみたいで、そこにもそそられた。頭でっかちの自己満足でもなく、頭がからっぽのエンタメでもない。そんなほどほどのバランス感覚が伺える。出来あがった作品は . . . 本文を読む
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スアシ倶楽部『甘い想い』

2011-12-07 21:10:09 | 演劇
 とても素敵な40分ほどの小さな芝居だ。ジュンパ・ラヒリという人の『停電の夜に』を、三好淑子さんが構成、演出した作品である。彼女の美意識が前面に出て、趣味のいい小品として仕上がった。とても贅沢な時間である。 「なにか言いっこするのよ、暗いなかで」と当日パンフの表紙に書かれてある。これは、それだけのお話なのである。ある夫婦が停電になった部屋で、隠していたわけではなく、たまたま今まで喋る機会のなかっ . . . 本文を読む
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カラ/フル『発するチカラ』

2011-12-07 21:01:06 | 演劇
 3・11以降の演劇もようやく第2期に突入してきたようだ。そこで描かれるのは被災地との距離感ではなく、直面する状況の中で何を描くのか、という次元に移り変わってくる。  この作品は、直接今回の震災を扱った作品ではないが、明らかにその影響下で作られたものだろう。書けなくなった劇作家が、主人公で、彼の妄想が描かれていく。シェルターのような場所(パンフには地下室に作られたカフェ、とある)で、缶詰になり、 . . . 本文を読む
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