1. PARCHMAN FARM
2. MY LADY FROM SOUTH OF DETROIT
3. BRO. BILL
4. YOU CAN'T JUDGE A BOOK BY THE COVER
5. LET ME SWIM
6. NO NEED TO WORRY
7. OLEO
8. FEEL SO GOOD
今までの音楽生活の中で、“一度手放したけど、のちに買い直した”という作品が、いくつもあります。この作品もそんな作品の1つです。
なぜ、このアルバムを買ったのか?このバンドのメンバー、ティム・ボガート(ベース)、カーマイン・アピス(ドラム)のプレイを、ベック・ボガート・アピスで聴いていたから。[←CD日記 '70洋楽編 # 17に記述]カクタスを知った私は、「ティムとアピスのバンドなら、いいロックが聴けるのでは…」と思い、買ったのです。
ティムとアピスは、ジェフ・ベックとバンド結成に動くも、ジェフが交通事故に遭った為、話が棚上げに。「話が棚上げになっちゃったから、オレらはオレらで、バンドを組むか。」(←と言ったかわかりませんが・笑)という経緯で結成されたのが、このカクタス。
この作品が彼らの1stとなります。
一言で言えば、泥臭く、ドシンドシンとくるヘヴィなHRが聴けます。
1からノイジーで、ヘヴィなHR。Voは喧しく、ギターがグリグリ、ベースはブルブル、ドラムはバタバタ、といった感じです。
2はこのアルバム唯一、フォーク的な優しい歌。アピスのバス・ドラムが良いアクセントになっています。
5は私のお気に入りの曲。間奏で1つの盛り上がりを見せ、そこでのハードなプレイがカッコいいです。 やはり、ノイジーですが…。
ギターのイントロがカッコいい8。間奏では、アピスの“バタバタ、ドンドン”のドラムソロがフューチャーされています。
某音楽誌で“あまりにマッチョで、辛口で、硬派…”とカクタスのサウンドを形容していましたが、まさにその通り。“男達が汗をビシビシ飛ばしながら、一直線にヘヴィHRを演奏している様相”と言ったらいいでしょうか。(笑)なので、少々暑苦しいアルバムかもしません。
音質も少々荒いですが、返ってそれがとても生々しく、ストレートであるため、そこが魅力でもあります。
さぁ、当時期待をして買った私は、あまり良さがわからず、後年手放すことに。
それからまた数年後、「カクタスをもう一度聴きたいなぁ」と思い、買い直し。その頃はたくさんの音楽を聴いていたために、“免疫” が出来ていたのか、違和感なく聴くことができ、「あれ、カクタスいいじゃん!」という具合になりました。
現在、カクタスはこの1stとベスト盤を持っています。ベスト盤を通して聴くと、これまた良い曲がたくさんあります。
彼らは4枚のアルバムを出して、解散。ティムとアピスは、ジェフ・ベックとバンド結成に再び動くのです。
ちなみに4枚のアルバムは、現在リイシューされています。
2006年に、ほぼオリジナルメンバーで復活した彼ら。『Ⅴ(ファイブ)』というアルバムを発売。
中古で入手し、聴きました。確かに、彼らの持ち味の泥臭さいHRなのですが、やはり現在の録音なので、'70年代の“泥臭さ”のそれとは違っていて、何だか寂しくも思いました。
結局、そのCDは手放しました。
[CD日記 '70洋楽編 # 25]
その時のイメージが後々まで付いて回ることが
しばしばありますね。
レコードの場合だと
音楽の内容以外で
ひどいノイズが入ってしまったものなどは
聴かなくなってしまうことも。
1つの作品を、初めて聴く時の印象はめちゃくちゃ大事です。その作品に対しての個人的な感想はもちろん、その時の気分、自分が置かれている状況など、あらゆるものが影響します。
“吉”と出ると本当にラッキーですが、“凶”と出ると、なかなかその印象が取れませんよね。