音楽が好きなんです

~音楽好き(ニッチーくん改め)マロくんのCD日記や、あれこれ~

557 STEVIE RAY VAUGHAN AND DOUBLE TROUBLE 『TEXAS FLOOD』〈1983 アメリカ〉

2024年09月01日 09時03分13秒 | CD日記 '80洋楽編


1)LOVE STRUCK BABY
2)PRIDE AND JOY
3)TEXAS FLOOD
4) TELL ME
5)TESTIFY
6)RUDE MOOD
7)MARY HAD A LITTLE LAMB
8) DIRTY POOL
9) I'M CRYING
10) LENNY

スティーブ・レイ・ヴォーンは、1970年代から地道に音楽活動をしてきました。
1982年、モントレー・ジャズ・フェスに出演した際に、デイヴィッド・ボウイやジャクソン・ブラウンに見出され、1983年にはデイヴィッド・ボウイの『LET'S DANCE』のレコーディングに参加。またジャクソン・ブラウンとの縁で、スティーブとスティーブのバンドである、‘ ダブル・トラブル ’との名義でレコーディング。これがその1stアルバムです。

内容はブルーズ・ロック。とは言え、泥臭さは希薄で、カラッとした軽快なサウンドです。
Voはスティーブで、ちょっと踏ん張った、パワフルなVo。
特筆すべきは、彼のギター。過度なエフェクトを掛けたものではなく、“♪カリカリ~ン ”、 “♪コリコリ~ン ”といった、いかにも弦を弾いているようで、クリアな音色。 それが彼のギターの持ち味でしょう。
アップテンポでノリノリの曲から、スロー・ブルーズまでバランスの取れたリスト。
アルバム前半ラストの5)と後半スタートの6)、そしてラストの10)はインスト曲で、曲配置がよく考えられています。6)はハイテンション系のインストで、ノリノリのギターが聴けるし、10)はアルバムのお別れの曲のようで、染みる曲。1)から聴いて10)で終わると「いいねぇ~」と思う1枚です。
それにしても、お洒落で、キラキラしたサウンドが持てはやされた1980年代のミュージック・シーンの中で、彼のようなブルーズ・ロックの作品が売れたというのは、すごいなぁと思います。先述した、カラッとした軽快なサウンドが受けたのでしょうか。

悲しいことに、彼は1990年に自身の乗ったヘリコプターの事故で亡くなりました。
生前のダブル・トラブル名義でのアルバムは4枚しかありません。
次作『COULDN'T STAND THE WEATHER』(1984)は、彼の代表作として挙げられる1枚で、こちらはややHR寄りの音。少し彼のギターも尖っている感があります。
1stと2ndまでが、私には強い印象を残しています。

3rd『SOUL TO SOUL』(1985)は、メンバーにオルガンが加わったことや、曲によってはホーン・セクションが入っていることから、ストレートなサウンドの中に ‘ 甘み ’ が加わった感も。
ドラック中毒の治療を経てからの復帰作でもあり、遺作となってしまった4th『IN STEP』(1989)。こちらもややHR寄りの音ですが、初期のカラッと仕上がりでは無く、ギュッと詰まった密度のある音の仕上がり。熱いサウンドは健在ですが、印象に残る曲が無いような…。

すいません、以上は飽くまでも個人の感想です。
とりわけ、彼のギター等を距離近く堪能できるアルバムは、この1stだと思います。

もし彼が生きていたら、シブいブルーズ・ロックをプレイし続けていたでしょう。
また他のギタリストと共演で熱いプレイを聴くことも出来たかもしれません。
そう思うと、良いミュージシャンを失ったことを実感します。

[CD日記 '80洋楽編 # 29]
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359 GARY MOORE 『CORRIDORS OF POWER』〈1982 イギリス〉

2016年04月05日 08時16分19秒 | CD日記 '80洋楽編
                     

                     1)DON'T TAKE ME FOR A LOSER
                     2)ALWAYS GONNA LOVE YOU
                     3)WISHING WELL
                     4) GONNA BREAK MY HEART AGAIN
                     5)FALLING IN LOVE WITH YOU
                     6)END OF THE WORLD
                     7)ROCKIN' EVERY NIGHT
                     8) COLD HEARTED
                     9) I CAN'T WAIT UNTIL TOMORROW

久しぶりにCD日記と参りましょう。

ゲイリー・ムーアというギタリストのプロフィールは奥深く、1970年代にプログレ・バンド“SKID ROW”(アメリカの同名バンドとは別物)でデビュー。SKID ROW脱退後は、コロシアムII、シン・リジィに加入。自身のバンド結成やソロ活動でHRサウンドを展開。1990年代にブルーズ・アルバムを制作してからはブルーズ・サウンド中心に活動をしていました。
簡単に彼の足跡を辿るとこのような感じでしょうか。

私がムーアを知ったきっかけは、ある音楽誌内の宣伝広告。広告内での、歯を食いしばった表情でギターを弾くムーアのショットに、“どんなギターを弾くのかな?”と思いました。
のちに某音楽誌内での“1980年代のベストHR/HMアルバム 100選”なる記事でこのアルバムが紹介されていて、聴いたのでした。

さて、今回取り上げるアルバムは彼のソロアルバムとしては2作目となる『CORRIDORS OF POWER』です。
彼のブルーズ・サウンドへの敬意の表れか、FREEのカバー曲の3)をプレイしています。
6)はジャック・ブルースも参加しています。タイトルの通り“世界の終わり”を表すかのように天地がひっくり返るような“ぶっ飛んだ”間奏が聴けます。まぁ、そこがタイトル通り“いかにも”な感じで、ニヤリとしちゃいますが。(笑)
美しいピアノのイントロで始まる2)や、ムーアの十八番である泣きのギターが聴ける4)といったバラードも聴きどころ。
私個人は叙情的なブルースの9)が大好き。徐々に熱く力強い雰囲気になり、タイトルのように“明日まで待てないんだ!”という内面の感情が伝わってくる、良い曲だと思います。

ムーアのVoは上手いと言うより“歌える”という感じです。しかし、どの曲でも彼の鋭く、また“泣いている”ギターが聴けます。
'80年代特有の“ちょっとクリア過ぎるかな?”といった仕上がりですが、HR、ブルーズ、バラードと収録されており、全編バランスの取れた好作品ではないかと思います。

[CD日記 '80洋楽編 # 28]
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255 BLACK SABBATH 『BORN AGAIN』〈'83 イギリス〉

2012年08月04日 09時48分43秒 | CD日記 '80洋楽編


1 TRASHED
2 STONEHENGE
3 DISTURBING THE PRIEST
4 THE DARK
5 ZERO THE HERO
6 DIGITAL BITCH
7 BORN AGAIN
8 HOT LINE
9 KEEP IT WARM

ブラック・サバスというバンドは好きで、現在では主要なアルバムは所有していて聴きます。しかし私の音楽生活を振り返ってみると、彼らのCDをなかなか買う機会を逸してきてしまった、というのもあります。
そんな私ですが、サバスで初めて聴いた作品がオジー・オズボーンを擁する初期サバスではなく、
(この作品の発売当時として) “ 元 ” ディープ・パープルのイアン・ギランを迎えたこの作品でした。

通算13作目のアルバム。2代目Voのロニー・ジェームズ・ディオが脱退。イアン・ギランを3代目Voとして、制作されたアルバム。
一言で言うなら、サバスらしい、HR/HMアルバムです。
音質がザラザラしていますが、これはミキシング作業中のミスでなったものだとか。リマスターをした結果、だいぶザラザラ感が取れた感もありますが、しかし、このザラザラ感が “ ヘヴィ・メタル・サウンド ” を醸し出しています。
イアンの邪悪なシャウトや、笑い声(←もちろん、演出です)が聞ける3はサバスらしいHM。曲終盤で聞ける、イアンの邪悪な笑い声の一部が、日本のデーモン小暮の笑い声と重なるのは、私だけでしょうか?
まさに “ 魔界のHR ” な5。地の底から響くヘヴィなリフが印象的な曲で、これもサバスらしい曲。
ラストの9はヘヴィながらも、叙情性を含むブルーズ。何でも、イアンが妻に向けて書いたものだとか。私はこの曲が大好きで、HMアルバムながらも、ラストに叙情性のある曲を配置することで、アルバムが引き締まっているように思えます。
一般的にサバスのディスコグラフィーの中でも、この作品はあまり評価されていない(?)ようですが、サバスらしい重く邪悪なHR/HMサウンドが聞けるので、いいアルバムだ思いますし、私は大好きです。

このアルバムの個人的な思い出を。
イアン・ギラン参加の作品と知りながら、なかなか買わずにいた私。「さぁ、聴いてみよう!」と思った時には、その当時、何とCDが廃盤状態…。そうなると余計聴きたくなるんですよね。(笑)あちこちの中古CDショップや、レコード協会の廃盤セールに足を運ぶも入手できず…。そして、とある郊外の中古CDショップで、アナログ盤を発見!まずはそれで聴くことになりました。針を落として流れてきたザラザラした音質には戸惑いました。
その後、中古CDを発見し購入。「見つけたぜ!」とばかり喜ぶのも束の間、何とその数ヶ月後にデジリマ盤が発売。そちらも買いました。
それから数年後、輸入新仕様デジリマCDが登場。前デジリマ盤はブックレットなどイマイチだったので、そちらに買い直し。
そして昨年2011年に、ライブ音源も含めたデラックス・エディションが発売。
現在は、アナログ盤とデラックス・エディションCDしか所有していませんが、CDに関しては4回も買ってるんですね。(笑)
私とこのアルバムは、そんな関係です。(笑)

このジャケ、初めて見た時は「怖いジャケだなぁ」と思いましたが、よく見るとサバスらしい “ いかにも ” なジャケで、微笑ましくも思うのですが、そう思うのは私だけでしょうか?

[CD日記 '80洋楽編 # 27]
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229 JEFF BECK 『THERE AND BACK』〈'80 イギリス〉

2011年10月09日 07時34分45秒 | CD日記 '80洋楽編


1 STAR CYCLE
2 TOO MUCH TO LOSE
3 YOU NEVER KNOW
4 THE PUMP
5 EL BECKO
6 THE GOLDEN ROAD
7 SPACE BOOGIE
8 THE FINAL PEACE

ジェフ・ベックの(ライブ盤を除く)通算8作目 。インスト路線としては3作目。
前作『WIRED』(←記:CD日記 '70洋楽編 # 14)前々作『BLOW BY BLOW』(←記:CD日記 '70洋楽編 # 39)と比べると、やや地味な感のある作品ですが、完成度は高いと思います。

ファンキーなインストの3。曲の終盤、ヘヴィなリズムの上を、ジェフのギターが暴れています。“暴れている”とは大袈裟までも、縦横無尽なギターが聴けます。この部分は何度聴いても、エキサイトします。
数多くのバンドのセッションに参加、最近ではTOTOのメンバーとして知られている、サイモン・フィリップスの凄まじいドラムも聴ける7。まさに疾走している曲でサイモンの高速ドラムに、ジェフのギターが駆け出す、エキサイティングな曲。
4、8といった大人しい、バラード曲もなかなかいいものです。8で聴けるギターのトーンは、近年、ジェフのギター・プレイの“十八番”的なトーン。この曲がそのスタート地点なのかもしれません。

音が少し引っ込んでいる感があり、おとなしい印象があるのがやや残念。もう少し迫力のある仕上がりにしていたら、また印象も変わっていたことでしょう。
しかし、1、3、4といった曲が、近年のライブでもプレイされることから、ジェフ自身のお気に入り曲なのでしょう。聞き逃せない作品であることには違いないと思います。

[ CD日記'80洋楽編 # 26 ]
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200 DAVID BOWIE『SCARY MONSTERS』〈'80 イギリス〉

2011年01月23日 08時53分35秒 | CD日記 '80洋楽編
                      

                      1. IT'S NO GAME (PART 1)
                      2. UP THE HILL BACKWARDS
                      3. SCARY MONSTERS (AND SUPER CREEPS)
                      4. ASHES TO ASHES
                      5. FASHION
                      6. TEENAGE WILDLIFE
                      7. SCREAM LIKE A BABY
                      8. KINGDOM COME
                      9. BECAUSE YOU'RE YOUNG
                     10. IT'S NO GAME (PART 2)

1990年代前半、デイヴィッド・ボウイの過去の作品が(本格的に)CD化されるということで、私もCD化を楽しみにしていたことを以前お話ししたことがあります。
その中で、この『SCARY MONSTERS』も是非聴きたい作品として、CD化を待っていました。
と言うのも子供の頃、親戚の人からもらったカセットテープに1や3、4といった曲が入っていたことがあり、すでに知っている曲が収録されていたからです。

この作品、ボウイのスタジオ盤としては14作目。ロックからポップスなどの幅広い音楽が聴けるアルバムです。
ボウイがシャウトする、ヘヴィ・ロックの1からアルバムはスタート。曲をサポートとする個性ある音色のギターは、キング・クリムゾンのロバート・フィリップがプレイ。
またこの曲、歌詞の“和訳ナレーション”が合間に入るという珍しい構成の曲。演出の効いた女性ナレーションは少々クサく、微笑ましいものがありますが、ボウイのシャウトと併せてこの曲を緊張感のあるロックにしています。
この強烈な曲を子供の頃聴いた私は、衝撃でしたねぇ。でも、すでに好きな曲でもありました。(笑)
この1は“パート1”で、ラストの10は“パート2”となっています。
“パート2”は“パート1”を穏やかに、そしてクリアに仕立てた感じの曲。もちろんナレーションもありません。この穏やかな10もなかなか良い曲です。1との聴き比べをする楽しさもあります。
この作品を代表するボウイの名曲の4。“ポニョンポニョン”した音色のワウワウ・ギターや、かすれた声で歌うボウイが印象的な曲。
この曲に登場するのは、ボウイの1969年の“スペース・オディティ”という曲中で登場する、宇宙船で宇宙を彷徨っているトム少佐。しかしこの4では、そのトム少佐は実は薬物中毒者だったと歌っています。自分の曲の登場人物をこき下していることから、当時リスナーから、「ボウイは引退するのでは?」などと物議を醸したそうです。
他ダンサンブルな5や、ザ・フーのピート・タウンゼントがギターを弾いている9など収録されており、彼の作品中の傑作と評価されています。

しかし、「ボウイ(の作品)はここまでだった…」という意見が聞かれます。
というのも、レーベルを移籍して発表した次作『LET'S DANCE』('83)ではヒットを飛ばし、これまでの“ひと癖あるミュージシャン”から“キラキラしたイケメンポップス・スター”に変身。要するに“万人受け”する方向に向かったのです。
『LET'S DANCE』は大ヒットしますが、そのことが彼の創作活動に迷いをもたらすこととなり、'90年代前半まで、迷走(?)し続けました。
そんなことから、「ボウイ(の作品)はここまでだった…」という意見があるんですよね。私もわかるような気がします。

ちなみに2002年に最新作が出されてから、以降出ていません。何でも、家族と過ごす時間を大切にしていることから、現段階では“活動休止中”なのだそうです。


〈追記〉
今回が通算200回目の更新となります。開設から約3年半。200回というのは遅いペースですね。(苦笑)
これからも細く長く、出来るところまでやっていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

[CD日記 '80洋楽編 # 25]
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