1)SOUL OF LOVE
2)OVERLOADED
3)HEART OF FIRE
4) SAVING GRACE
5)ALL I WANT IS YOU
6)CHASING SHADOWS
7)LOVE IS ALL I NEED
8) RIDE MY LOVE ※
9) NIGHTS LIKE THIS
10) SHADOW OF THE SUN
11)I LOST IT ALL
12) HOLDING BACK THE STORM
※は日本盤ボーナストラック
元FREE~BAD COMPANY、また2005~2009年まではQUEENと共に活動した、ブリティッシュ・ロックにおける名ヴォーカリストの1人でもある、ポール・ロジャースのオリジナル・ソロアルバムの2作目。純粋なソロアルバムとしては、1983年の『カット・ルース』以来、14年振りのアルバムとなります。
詳細は割愛しますが、1982年のBAD COMPANYからの脱退後、音楽活動があまりパッとしたものではありませんでした。
しかし1993年、名ギタリストをゲストに迎えた、マディ・ウォーターズのブルーズ・カバー・アルバム『マディ・ウォーター・ブルーズ』で再び脚光を浴びることになりました。
さすがに彼のアルバムとなると、王道(悪く言えば、無難)な作風で安心して聴けますが、ハード・ロック、ブルース、バラードとバリエーションに富んでいて楽しめます。
それと“24トラック・アナログでのライブ録り”という拘りによって製作されたアルバムです。確かに“仕上げ”はなされていると思いますが、バックメンバーも最小限で、ポールのVoの“生のライブ感”が伝わってくる所が多々あります。
オープニングの快活なロックの1)や、ヘヴィな2)でその気合いが伝わってきて、このアルバムに引き込まれます。
7)はゴズベル調の女性コーラスが彩りを添えている曲で、アルバム中盤で印象を付けます。
私が1番好きなのはバラードの5)です。まさに“俺はお前が好きだぁ~~~!”と熱く歌い上げている曲。「ほらぁ~、彼女が聴いたら泣いちゃうよぉ~。ズルイぞ!」とツッコミを入れたくなる、“ヴォーカリスト、ポール・ロジャース”の真骨頂といった曲で、泣けます。
実は私も、この曲を聴きながら好きな女性の顔を思い浮かべて、胸が熱くなってしまった経験があります(←本当の話です・笑)。みなさんもお試し(?)ください。本当にジ~ンときます。
トータルタイム約60分が長めに感じるのと、後半になると「あれ?前半にこんな雰囲気の曲があったような…」と思えることが、やや難といったところでしょうか。
あと、「僕は歌手。歌が好き。頑張って歌います!」というようなジャケットが地味ですかねぇ。ポール・ロジャースを知らない人は、ジャケを見て惹かれるかどうか…。
それにしても、昔から(FREE時代のややダミ声スタイルを除いて)、彼のVoの素晴らしさが変わらないのが凄いです。まさに“ミスター・ヴォーカリスト”です。それと日本でいうところの歌謡曲、演歌の心を持つヴォーカリストだと思います。
ちょっと真面目で、地味なアルバムかもしれませんが、彼のVoを堪能できる、良い作品だと思います。
ちなみに『1997 マロくん版レコード大賞』で、このアルバムが1位となっています。
私の中では、絶対に手放さないアルバム(俗に言う、無人島に持ってきたいアルバム)のリストに名を連ねている1枚です。
[CD日記 '90洋楽編 # 21]