1. ALL SHOOK UP
2. SPNISH BOOTS
3. GIRL FROM MILL VALLEY
4. JAILHOUSE ROCK
5. PLYNTH (Water Down The Drain)
6. THE HANGMAN'S KNEE
7. RICE PUDDING
ジェフ・ベックの2ndアルバム。
前作『トゥルース』(←[CD日記 '60洋楽編 # 16]参照)に続き、いわゆる“第1期ジェフ・ベック・グループ”によるもの。(一部メンバー・チェンジあり)
前作『トゥルース』はパンチのある低音が効いた音でした。しかしこちらでは、前作より乾いた音に聞こえますが、ノイジーな音になっています。
それと、メンバーに名を連ねている、ニッキー・ホプキンズのピアノが加わっている点で、ちょっと軽快な印象もあります。
1と4はエルヴィス・プレスリーの曲をカバー。特に4は、ハードで、やかましいアレンジとなっていて、1つの盛り上がりを見せます。
3はニッキーのピアノがフューチャーされた、綺麗なインスト。ハードな曲が並ぶの中にあるせいか、“ひと休憩”的な効果をもたらしています。
ツェッペリン・サウンド風のオープニングで始まる2も、私は好きです。曲のラストにロン・ウッドのベース・ソロがフューチャーされていますが、割とすぐに、フェイド・アウトして曲が終わってしまいます。この呆気ない終わり方に、何回も聴いても、「あ~、もうちょっと聴きたいのになぁ…」、「ここから、もうひとひねりあればぁ…」と思います。(笑)
もう1つ、最大の聴き所は7分ちょっとに及ぶインストの7。静と動のパートが交互に存在するようなインストです。後に、ジェフがインスト路線に行くことを思うと、すでにこの頃から何かが芽生え始めていたのかもしれません。
それにしてもこの7、まるで途中でスイッチでも切られてしまったかのように、パッと終わってしまうラストには、少々笑えます。
第1期ジェフ・ベック・グループの2枚の作品で、前作『トゥルース』ではブルース・ロック色がやや強いですが、こちらは激しく、一気に聴かせる作品(トータルタイムが約31分)になっているように思えます。
私個人の感想は、前作に軍配。前作の方がブルースの深みのようなものがあって好きです。
もちろん、このアルバムも好きですが、ハード一辺倒という感じで、深みが感じられません。
しかし、Voのロッド・スチュワートのストレートなシャウトも含め、激しいハードロックが聴けるアルバムであることには、間違いありません。
さて、第1期ジェフ・ベック・グループはこの作品で解散。何でもこのバンドで、ウッドストック・フェスティバルの参加する予定もあったそうですが、解散により不参加になった、という話もあります。
そして次に、ジェフ以外、新しいメンバーによる、いわゆる“第2期ジェフ・ベック・グループ”が始動します。
[CD日記 '60洋楽編 # 17]