1)LOOK AT YOURSELF
2)I WANNA BE FREE
3)JULY MORNING
4) TEARS IN MY EYES
5)SHADOWA OF GRIEF
6)WHAT SHOULD BE DONE
7)LOVE MACHINE
イギリスのHRバンド、ユーライア・ヒープの3rdアルバム。邦題タイトルは『対自核』。私はこれまでのところ、ユーライア・ヒープ(以下:ヒープ)にすごくハマッた訳では無いのですが、このアルバムは名盤でもあるので、取り挙げてみます。
(総じて)リズムは“ズンチャ、ズンチャ、ズンチャ、ズンチャ♪タイプのタテ乗りで、やや単調でもありますが、勢いのあるHRを聴けます。
リズムは重く、ケン・ヘンズレーのオルガンはビービーと響き、ミック・ボックスのギターがギリギリと鳴り、デイヴィッド・バイロンは張りのあるハイトーンVoで歌う…、とかなりラウドな音。単にヘヴィという訳では無く、勝手な造語ですが、“ラウド・ヘヴィHR ”です。
しかし、ヘヴィといっても泥臭いものではありません。クィーン程ではありませんが、演劇っぽい彩りがなされているからだと思います。
例えば“ア~⤴ ア~⤵♪”とか、“ドゥドゥ、ドゥドゥ~♪”や“ナナナナ、ナ~ナ、ナ~♪”といったようなスキャットを曲中で聞けるので、そこから演劇っぽい彩りに思えるのでしょう。
なので、同年代のレッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ブラック・サバスとは違ったHRサウンドです。
タイトル曲の1)は最高です。スタートからラウドなHRを聴かせてくれます。この曲のタイム4分~ラストまでの約1分間の後奏部ではムクムクと熱を帯び、高揚感を増すエキサイトなプレイが聴けます。私は何回聴いても、後奏部では全身の毛がそば立ちます。こういうどこか危ないエキサイトな演奏は、現代のHR/HMバンドには真似が出来ません。
3)のバラードも人気があるようですが、私はピアノを基調とした穏やかな6)が異彩を放っているような気がします。
ヒープはメンバーチェンジを繰り返しながらも、現役のバンド。でも全盛期は、5thアルバム『THE MAGICIAN'S BIRTHDAY』(1972)までと言われています。
現在、ヒープの国内盤CDがほとんどありません(以前もそうだったような?)。日本では、ヒープは2番手の認識なのでしょうか。
もう少し注目されてもいいでは、と思います。
[CD日記 '70洋楽編 # 58]