1)CRAZY LIKE A FOX
2)SOLID GOLD
3)DON'T WORRY BABY
4) ONE NIGHT STAND
5)THE KID ARE ALRIGHT
6)MOVE OVER MS. L
7)TEENAGE IDOL
8) BACK DOOR SALLY
9) IN MY LIFE
10) TOGETHER
ザ・フーのドラマーだった、キース・ムーンの最初にして最後のソロ・アルバム。
ザ・フーの5)といったの曲を中心に、カバー曲を収録。ミュージシャンもリンゴ・スターやジョー・ウォルシュといった面々が参加。
内容は肩に力を抜いて、カバー曲を歌った手堅くもあり、(悪い意味では無く)お気軽なアルバムに聞こえます。
このアルバムを聴いた理由…。それは、ビートルズのカバー曲である9)を聴きたかったから。
音楽のガイド本等で、9)を聴くと「涙を誘われる…」という意の感想を目にしました。
“ 聴いてみたいなぁ ”と思うも、1990年代にはCD化されておらず、中古LP盤は高価。2000年代に入り、CD化され聴くことが出来ました。
初めて、そのような評判の9)を聴く時、ちょっとドキドキしたのを覚えていますね。
さて、聴いてみました。「涙を誘われる…」というのはわかる気がします。涙が出ないまでも、しみじみと聴いてしまいます。
ピアノを基調として、コーラス隊のスキャットが入る、心洗われるような雰囲気の曲調にアレンジされており、キースが優しく、語りかけるように歌っています。
彼は'70年代中盤から、アルコール依存症による体調不良を抱えていました。
1978年のザ・フーのアルバム『WHO ARE YOU』のレコーディングの際には、ドラムを上手く叩くことが出来ないこともあったとか。
そして、『WHO ARE YOU』を発売した約1ヶ月後に、彼は薬物の過剰摂取により、この世を去りました。
彼の持ち味は、ハチャメチャっぽいパワフル・ドラム。
それと重なるように彼自身も、すごくはしゃいで、人を笑わせるキャラクターだったそうです。
そんな彼が、9)を通して「こんな俺だけど、みんな受け入れてくれて、ありがとうね…」と言っているようにも聞こえます。
このソロ・アルバムから約3年後に彼は他界しますが、何だか9)が少し早いお別れの挨拶のようにも響いてきます。
[CD日記 '70洋楽編 # 64]
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