1 NOBODY'S FAULT BUT MINE
2 THANK YOU
3 NO QUARTER
4 FRIENDS
5 YALLAH
6 CITY DON'T CRY
7 SINCE I'VE BEEN LOVING YOU
8 THE BATTLE OF EVERMORE
9 WONDERFUL ONE
10 WAH WAH
11 THAT'S THE WAY
12 GALLOWS POLE
13 FOUR STICKS
14 KASHMIR
1994年当時、「元レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジとロバート・プラントが合流、活動開始…」というニュースを聞き、色めきだったというお話しをしたことがあります。
そして、発表されたのがこの作品です。
14曲中、5、6、9、10の4曲が新録もの。その他はツェッペリン(以下:ZEP)の曲というラインナップ。
これだけ見ると、かなり興味をそそられますが、アルバムの全編に流れるテーマは、中近東音楽。
4曲の新曲はHRではなく、中近東音楽もの。ZEP時代の曲も中近東音楽の要素でアレンジされたセルフカバーとなっています。ちなみに、ZEP時代の曲はMTVのステージでプレイされたものも収録されています。
正直、新曲は面白味はありません。ですが、ZEPの曲はかなり良いアレンジがなされているものもあります。
4や、14は元々からエスニックな曲ですが、その要素がより強くなり、良い仕上がりになっていると思います。
中でも、個人的には13がとても良いアレンジではないかと思っています。オリジナルはヘヴィなHRですが、ここではエスニックなアレンジに加え、“静”で始まり、“動(ヘヴィ)”に転じるところが最高です。タイトルにあるように、4本のスティックでドラムが叩かれているので、“ドン、ドンッ!”低音が響き渡っています。
中近東要素が強いため、何かあえて“ZEPサウンド”を避けて製作された感じがして、聴き手側は、(当時)もどかしさが残りました。
ZEPというバンドは懐が深く、HRだけでなく、中近東要素を含む曲もプレイしていましたが、“それだけ”だとやはり面白味が欠けます。
本当は、ペイジあたりはロックサウンドをプレイしたい部分もあるのでしょうが、そうすれば“ZEP再来”とばかり言われてしまう。特にプラントはZEPのメンバーあったことを自負していますが、反面、ZEPのことに触れられると、“またZEPの話かよ~!と怪訝になり、“元ZEP”と言われるのがお好きでないようです。なので、あれこれ言われなくないので、ペイジとはロックサウンドをプレイしない方がよい…、とあえてロックではない方向の作品を発表しているように、私は思えます。
実際、2人はライブツアーを敢行しますが、フタを開けてみればZEPの曲がほとんどで、2人とも楽しそうにプレイをしていたので、それが本心なのかもしれません。
ちなみに、元ZEPのベーシスト、ジョン・ポール・ジョーンズはこのアルバムには不参加。と言うより、2人から声が掛からなかったとか。まぁ、ジョーンズを加えては“ZEP再結成”と言われてしまう。それを避けるためだったのでしょうが、曲目の3はジョーンズが中心となり、作られた曲。なので、「水くさいよなぁ~、オレにも声をかけてくれよぉ~」と、ジョーンズは少し不機嫌だったという話もあります。
ライブツアーでは、日本公演もあり、1996年2月に彼らは来日しました。
私も日本武道館で鑑賞。ステージ少し斜め後ろの座席でしたが、見渡しもよく、プラントも何度もこちらの方を見て手を振ってくれたので、良い鑑賞となりました。
しかし、曲が進むに連れて、気付けばペイジ、プラントを含めた(基本)4人のバンドメンバーの他、エスニック楽器奏者や、オーケストラのプレイも加わり、特に“カシミール”のプレイは豪快なものでした。
しかし、過去のZEPの4人による荒削りなプレイを思えば、そのような人海戦術的なステージでは、まとまったプレイが聴けて良いけれども、何か少し寂しい気もしました。まぁ、ZEPの再結成ではないし、これも時代の流れかな…、と思いました。
何はともあれ、ペイジとプラントをステージで見られたことは、幸せだと思います。
さて、この2人、ツアーをこなし、1998年にオリジナル・アルバムを発表することになります。
その作品も、またいずれCD日記に登場させる予定です。
[CD日記 '90洋楽編 # 12]