音楽が好きなんです

~音楽好き(ニッチーくん改め)マロくんのCD日記や、あれこれ~

549 QUINCY JONES 『SMACKWATER JACK』〈1971 アメリカ〉

2024年04月20日 08時45分20秒 | CD日記 ジャズ・フュージョン編


1)SMACKWATER JACK
2)CAST YOUR FATE TO THE WIND
3)IRONSIDE (THEME FROM “ IRONSIDE ” - NBC-TV)
4) WHAT'S GOING ON?
5)THEME FROM “ THE ANDERSON TAPES ”
6)BROWN BALLAD
7)HIKKY-BARR (THEME FROM “ THE BILL COSBY SHOW ” - NBC-TV)
8) GUITAR BLUES ODYSSEY: FROM ROOTS TO FRUITS

最近(2024年4月時点)、某ビールメーカーが製造するノンアルコール・ビールのテレビCMを観ていたら、3)の一部をBGMで使用していたので、このアルバムを取り上げようと思いました。

クインシー・ジョーンズというと、私はまずマイケル・ジャクソンなどのアルバム・プロデューサーのイメージが強いです。
元はジャズ畑の人で、自身もトランペットを吹いていたそうです。
1960年代からプロデュース業をするようになりました。また彼も曲を書き、自分のビックバンドをプロデュースし、アルバムを発表し始めました。
ちなみに、映画『オースティン・パワーズ』(1997)のテーマソングで使用された、《 Soul Bossa Nova 》(1962)も、彼の曲。この曲、私が子供の頃、某専門学校のテレビCMでも使われていました。

さて、このアルバムはジャズというよりは、テレビドラマのテーマ・インスト曲から、カバー曲まで多彩な内容。一言で言うなら、“ ソウル寄りのサントラ風アルバム ”  なのでしょうか。
1)はキャロル・キング、4)はマーヴィン・ゲイをカバー。クインシー自ら柔らかい歌声で歌っています。
6)はハーモニカを主体とした、美しいバラード・インスト。後に彼が手掛ける、映画『ゲッタウェイ』(1972)のサントラでも、このようなハーモニカのバラードを聴けるので、そこへ繋がっていった訳ですね。

このアルバムの中で一番は、先述した3)です。ホーン・セクションの迫力と痛快さのある一曲です。この曲、アメリカのTVドラマ『アイアンサイド(邦題:鬼警部アイアンサイド)』のテーマ曲。
日本では、ある年代の方はご存じかもしれませんが『ウィークエンダー』という番組内での、「新聞によりますと~!」のBGMというと、「あ~、アレ!」という方が多いかもしれません。
『ウィークエンダー』をご存じでない方にご紹介すると、タレントが事件を(時には漫談のように)紹介、レポートするといったTV番組が昭和50年代にあったのです。
その番組内で、3)の一部をBGMに使用していました。そのせいか、現代でもTV番組で “ 事件発生! ” や “ 驚きの出来事発生! ” の演出BGMで使われることもあります。
それにしても、何回聴いても3)は飽きることの無い曲。CDを買ったときには何回も(特にヘッドフォンで)聴いたものです。

余談ですが、『ウィークエンダー』では、この曲以外にも洋楽が使用されていました。
当時はそのようなことは知りませんでしたが、現在の情報社会ではいろいろ調べる手段もあって、大人になってから知ることとなりました。
ここでも、ちょっと紹介しておきます。

★番組始まりタイトルと、スポンサー紹介時のBGM
 →CHASE 《 Bochawa 》(5分30秒あたりから5分55秒のラストの部分までが使用されていた)
この曲、最初はやや大人しめの曲ですが、4分50秒辺りから3人のトランペットが激しく効いた、テンションの高い曲に転調します。
そこからラストまでの約1分間は、全身の毛がそばだつくらい興奮を覚えます。何回聴いても感動する曲です。

★番組オープニングのテーマソング(?)
 →THE LOVE UNLIMITED ORCHESTRA 《 Rhapsody In White 》
ストリングスが美しい曲です。ただちょっと曲構成が浅いような気も。

『ウィークエンダー』と兄弟企画の『テレビ三面記事』(←こちらは朝のワイドショー番組の曜日別企画として放送されていた)では、BLOOD, SWEAT & TEARSの《 Spinnig Wheel 》の冒頭 “♪パパパパパァ~パッ、パッパッパァ~” のホーンセクションが使用されていました。やはりこの曲も “ 事件発生! ” や “ 驚きの出来事発生! ” の演出BGMで使われることがありますねぇ。

『ウィークエンダー』と『テレビ三面記事』は懐かしのTV番組で、思い出もあるのですが、ここは「懐かしのTV番組のブログ」ではないので、これでおしまい(笑)。

[CD日記 ジャズ・フュージョン編 # 6]
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540 MILES DAVIS 『ON THE CORNER』〈1972 アメリカ〉

2024年02月17日 08時46分12秒 | CD日記 ジャズ・フュージョン編


1)ON THE CORNER / NEW YORK GIRL /
  THINKIN' OF ONE THING AND DOIN' ANOTHER / VOTE FOR MILES
2)BLACK SATIN
3)ONE AND ONE
4) HELEN BUTTE / Mr. FREEDOM

これまで、いろいろなミュージシャンの多数の作品を聴いてきました。
音楽誌やCDの帯での作品の紹介で ‘ 問題作 ’ とか ‘ 意欲作 ’ なんていうレッテルを貼られている作品があります。それを読んで「それで、どうなの(このアルバムは)?」なんて、思うことがありました。
そのように呼ばれている作品は、‘ これまでと違った内容の作品 ’ とか ‘ これまでの内容と異なるので、好き嫌いが分かれる作品 ’ というものだと、私は思っています。

さて、このマイルスの作品も ‘ 問題作 ’ 、 ‘ 意欲作 ’ に当たるのでしょう。
1969年辺りからロック寄りのアプローチを始めたマイルス。ロックと言うよりは、プログレに近いですが、段々とそこへソウル、ファンクの要素が強く加わってきます。
何でも、彼はジェームズ・ブラウンやスライ&ザ・ファミリー・ストーンらのサウンドに興味を抱いたからで、マイルスもソウル、ファンクを表現し始めました。
スタジオ盤で、マイルス流ソウル&ファンクを収録したのがこの作品。

リズムは強力(リズムの洪水?)。もちろん、打ち込みによるものでは無く、パーカッションが鳴り響くので泥臭く、熱く、肉体的な感じ。全体として音の塊がぶつかっているようなサウンド。
マイルスのトランペットはストレートに吹くというより、トランペットにマイクを繋げ、それをワウワウペダルを通して出しているので、“ クニュクニュ ” した音色が多いです(ワウワウペダルを使うのは、ジミ・ヘンドリクスの影響を受けている)。
と、ここまで書くと「すごいアルバムだなぁ!」と思うかもしれません(私も初めて聴くまではそうだった)。しかし実際に聴くとドライで、どこか平坦なサウンドにも聞こえ、掴み所が無かったりもします。
聴きやすい曲は、収録時間5分ちょっとのファンキーな2)くらいですね。
正直、私は現在でもこのアルバムは「よくわからない」と言うのが感想。

しかしこの作品のサウンドは、後のアシッド・ジャズ(←ミュージシャンで例えるなら、ジャミロクワイ)やクラブ・ジャズの ‘ 原石 ’ の1つでもあります。
このアルバムに参加したキーボードのハービー・ハンコックは、ここで経験したことを自分の中で昇華し、1973年に《 Chameleon 》、1983年に当時のコンピューター技術を駆使した《 Rock It 》(←『踊る! さんま御殿!!』の番組内で使われてますねぇ!)など、リズムの効いた作品がヒット。そして、これらハンコックの曲は、アシッド・ジャズやヒップホップへの影響は少ないでしょう。
大沢伸一のMONDO GROSSO(モンドグロッソ)のクラブ・ジャズを聴いた時、私はこの『ON THE CORNER』の要素を感じることもありました。
またヒップホップやダンス系の音楽制作をする人で、この『ON THE CORNER』のリズムをサンプリングで用いる人もいるとか。

このアルバム自体は乗れて、踊ることの出来る作品ではありません。
ジャズ畑のマイルスがソウル、ファンク・ミュージックを取り入れた、いわば実験的な作品なので、好き嫌いも分かれるようです(中古CDでよく見かけるような…)
しかし、後のアシッド・ジャズ等へ受け継がれていく要素を持つ作品の1つでもあるので、問題作とはいえ、重要作の側面も持っているような気がします。

[CD日記 ジャズ・フュージョン編 # 5]
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493 NARADA MICHAEL WALDEN 『GARDEN OF LOVE LIGHT』〈1976 アメリカ〉

2022年04月04日 11時04分16秒 | CD日記 ジャズ・フュージョン編


1)WHITE LIGHT
2)GARDEN OF LOVE LIGHT
3)DELIGHTFUL
4) FIRST LOVE
5)MEDITATION
6)THE SUN IS DANCING
7)YOU GOT THE SOUL
8) SAINT AND THE RASCAL
9) YOU ARE LOVE

ナラダ・マイケル・ウォルデンは、ジェフ・ベックの『ワイアード』に参加し、その中で激しいドラムを叩いている方です。

ある音楽ガイド本のジェフ・ベック特集で、ジェフがゲスト参加したアルバムを紹介するページがありました。ジェフはたくさんのセッションに参加しており、コージー・パウエルやミックジャガーのソロ作品、フュージョン系ではスタンリー・クラークなど、聴いてみたいと思える作品が紹介されていました。
その中での興味持ったアルバムの1枚は、『ワイアード』でバシッバシッ! とドラムを叩いていたナラダの本作でした。
当時CD化されておらず、ガイド本によれば中古レコードで入手可能と記されてはいましたが、都心の中古レコード屋を回るも、いかんせん、ロックだか、ジャズだか、フュージョンだか…と適切なジャンルがわからない。探してみるも徒労に終わったのを記憶しています。
しかし縁はいつ、どこで結ばれるかわかりません。それから数年後、実家近隣にある某大型リサイクルショップの中古レコード売り場で発見!嬉しかったですねぇ。有り難く聴かせてもらいました。

このアルバムはナラダの1st。
いわゆるフュージョンの作品ですがインスト曲はもちろん、Vo入りの甘い系のソウルの曲も収録されていて、安定感のある内容。
音は'70年代フュージョン特有の “ カラッと爽やかな ” ものではなく、落ち着いた仕上がり。時折、スピリチュアルな雰囲気漂うのは、ジョン・マクラフリンのバンドにいた影響でしょうか。
ジェフ参加の8)ですが、ジェフらしいトーンやハツラツとしたギターを聴ける曲。しかし『ワイアード』程の ‘ 熱い共演 ’ ではないかもしれません。
私は1)や4)も好きです。
段々熱を帯び、劇的なエンディングとなる1)は、「はいっ、アルバムが始まりますよっ!」と言っているようにも聞こえます。
4)はカルロス・サンタナが登場。自身のアルバムよりは控えめなトーンですが、バックのストリングス・アレンジと相成って、とても癒やされ、染みる、美しい曲。アルバムの中で、この曲が一番に思えます。

後年、タワーレコード限定リイシューでCD化されました。
少し地味な作品ですが、思い入れのある1枚です。

ナラダは'80年代に入ると、アレサ・フランクリンやホイットニー・ヒューストンといったソウル・R&B系のプロデューサーとして活躍。
'90年代後半、日本の某大手企業主催の音楽イベントのプロデューサーとなり、ステージを手がけました。‘ バシッバシッ! ドラムのナラダ ’ の印象を持つ私は、音楽イベントのCMに彼が登場した際、「あっ、ナラダだぁ!」なんて思いましたね(笑)。
2010年のジェフ・ベックのツアーに参加。来日も果たしました。その時、ジェフのバックでヘヴィなドラムを叩く姿を見て、感激しました。

[CD日記 ジャズ・フュージョン編 # 4]
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463 MILES DAVIS 『AT FILLMORE』〈1970 アメリカ〉

2021年07月23日 08時36分19秒 | CD日記 ジャズ・フュージョン編



〈DISC 1〉
1) WEDNESDAY MILES
   ~ 1 Directiones
   ~ 2 Bitches Brew
   ~ 3 The Mask
   ~ 4 It's About That Time
   ~ 5 Bitches Brew / The Theme
2) THURSDAY MILES
   ~ 6 Directiones
   ~ 7 The Mask
   ~ 8 It's About That Time

〈DISC 2〉
3) FRIDAY MILES
   ~ 1 It's About That Time
   ~ 2 I Fall In Love Easily
   ~ 3 Sanctuary
   ~ 4 Bitches Brew / The Theme
4) SATURDAY MILES
   ~ 5 It's About That Time
   ~ 6 I Fall In Love Easily
   ~ 7 Sanctuary
   ~ 8 Bitches Brew
   ~ 9 Willie Nelson / The Theme
※以上は、輸入盤CDブックレットの表記に準ずる。
オリジナル(並びに旧規格CD)は1)~4)での、4曲表記(全4曲のチャプター)。
現行CDは、それぞれの公演のメドレーパートごとに、チャプターが付けられている。


1969~1974年のいわゆる‘ エレクトリック・マイルス期 ’での公式ライブ盤は、マイルスの生前発表されたもので、7枚。
マイルス・デイヴィスのガイド本『マイルスを聴け!』の著者、故・中山康樹氏は同著の中で、「マイルスの一番カッコイイ時…」の音源だと述べ、絶賛しているのが、このライブ盤。
私はこのライブ盤のCDを初めて聴いたとき、まだ『マイルスを聴け!』を読んだことは無く、むしろ何の情報も無く聴いたのですが、確かにシビれました!中山氏のレビューに十分賛同できますね。

簡単に言うと、ロック寄りのサウンドを追求し始めたマイルスを、レコード会社がロックファンにアピールさせる企画を立てました。それが、当時ロックの殿堂と言わていたライブハウス‘ フィルモア・イースト ’(ニューヨーク)と、‘ フィルモア・ウエスト ’(サンフランシスコ)で公演を行うというもの。フィルモアと言えば、クリームや、グレイトフル・デッド、アル・クーパーなど数々のロック・ミュージシャンがそこで公演し、またその模様を収録したライブ盤を私達は聴くことが出来ます。伝説のライブハウスなのです。(ライブハウスとはいえ、日本でいうなら小ホールクラスに近い規模だったようです)

このアルバムはフィルモア・イーストでの、1970年6月17(水)、18(木)、19(金)、20日(土)の4日間の公演を収録したもの。それぞれの曜日を取って、タイトルを付けています。
それぞれの曜日において、上記の通りメドレーではありますが、普通に考える “ このまま次の曲へ行きま~す! ” といったメドレーとは違い、アレンジや即興等があるので、これはこれで準新曲のようにも聞こえます。
サウンドは俗に言うジャズのそれでは無く、切れのある、熱いロック(プログレ)。1)は、スタートからいきなり緊張感漂い、ドキドキワクワクさせられます。
マイルスは切れのあるトランペットをかましてくれますが、ずっと吹きっぱなしではなく、キース・ジャレットとチック・コリア(2021年2月9日お亡くなりになりました。合掌。)のキーボードが暴れるパートもあり、これもまた危険な薫りを漂わせています。
4日間の中で、特に金曜日の3)が最高の演奏とされ、個人的には3)の「~ 4 Bitches Brew / The Theme」の、タイムが4分から4分25秒あたりのトランペットの鳴りが大好きで、シビれます。
このライブ盤を初めて聴いたときは、日常でもトランペットの鳴りが頭の中で響いていたのを記憶しています(笑)。

それぞれの公演は約25分前後で収録されていますが、実は編集されたもので、ノーカットでは50分近い演奏。
4日間のノーカット盤BOXが、2014年にオフィシャル・ブートレッグで発売されました。
それ以前は(現在も?)、高音質ブート盤で聴くことが出来ました。初めてブート盤で聴いた時は、50分近いステージに驚いたものです。
このライブ盤は編集がなされていますが、これはこれで楽しめる外せないライブ盤で、そこはプロデューサーのテオ・マセロの手腕が発揮されたのでしょう。
併せてノーカット盤を聴くと、「あ、この部分はこのココで登場するんだぁ!」と、深く聴くこともできます。

あと意外なのは、これらステージがシンガーソングライターであるローラ・ニーロの前座ステージであったこと。(しかし中山康樹氏によれば、これはマイルスが第1部、ローラが第2部ステージといった「2部構成のライブ」と見るのが妥当で、ローラはマイルスとの2部構成のステージに歓迎だった…と述べている)
第1部でこんなに熱いものを聴かせれたら、第2部ステージではもうヘトヘトになっちゃいそうです。

エレクトリック・マイルスの熱いプレイが聴ける、カッコイイライブ盤です。

[CD日記 ジャズ・フュージョン編 # 3]
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431 MILES DAVIS 『BITCHES BREW』〈1970 アメリカ〉

2020年05月18日 11時21分44秒 | CD日記 ジャズ・フュージョン編
                       

                       DISC 1
                       1)PHARAOH'S DANCE
                       2)BITCHES BREW

                       DISC 2
                       1)SPANISH KEY
                       2) JOHN McLAUGHLIN
                       3)MILES RUNS THE VOODOO DOWN
                       4)SANCTUARY

“エレクトリック・マイルス”期の最高傑作とされる1枚。

“これってどんなアルバムか?”と言われると、私のような素人が表現するのは結構困る…。
素人表現ですが、このアルバムの印象を箇条書きにしてみましょう。

・奥の深い、魔力のある音楽空間。
・混沌。
・ファンキーなリズム。(ドカドカ、ポコポコ、シャカシャカと…)
・ちょっぴり恐ろしい。(地の底から響くような、バス・クラリネットが鳴るため…)
・インプロヴィゼーション(即興演奏)等もあるが、純粋なジャズのそれでは無い。
・ロックの分野で言えば、プログレ、ジャズ・ロックに属する。
・…とは言え、生半可なプログレとは規模が違う。

以上でしょうかねぇ。 あくまでも個人的な印象なので悪しからず。

上記の通り曲目が少ないですが、長尺なトラックが多く並んでいます。
それぞれの曲を1発録りした訳では無く、多数ミュージシャンによる、いわゆるセッションを録り、それをプロデューサーのテオ・マセロ氏が編集し、アルバムにまとめていくという制作過程。なので、エレクトリック・マイルス期における作品は、テオ・マセロ氏の功績もあるのです。
そういう側面から、長尺、奥深い、悪く言えば、着地点の無いサウンドと言えるでしょう。

DISC 1の1)から、ビッチェズ・ブリューの世界に引き込まれます。マイルスのトランペット、またウェイン・ショーターのソプラノ・サックスが幻想的に鳴り響きます。熱いドラム、パーカッションが響き、ジョン・マクラフリンのギターがキンキンと鳴る中盤は、ムクムクと熱気を帯びるものがあり、私には(ホラーの意でなく)ちょっと恐い曲に聞えます。(でも、好きです・笑)
DISC 2の1)もクールなトランペットがカッコイイ、熱い曲。収録曲の中で‘ジャズ’に近い方かも。
やはり、アルバムタイトル曲のDISC 1の2) でしょう。イントロのベースが緊張感を持たせる中、マイルスのトランペットのファンファーレが高らかと鳴り響く…、まさに“お見事!”の一言!何度聴いても、興奮し、感動します! ファンファーレが終わるとちょっとひと息置き展開へ。そしてまた奥深い、熱い音楽空間へ入っていく…。約27分の長い曲で、聴いていて少々グッタリする感もありますが、色褪せることの無い、奇跡で生まれた曲の1つでしょう。少々乱暴な聴き方ですが、オープニングの約3分間のファンファーレだけでも必聴です。

内容はもちろん、ジャケット共々好きになると、何枚でも所有したくなる魔力があります(私だけ?)。これはキング・クリムゾンの1stと同じような気がします。
現在はCD3枚(←それぞれ仕様が違います)、アナログ盤2枚を所有しています。
それでも手放した物もあり、旧規格の輸入盤CD、コンプリートセッションBOX、SACDハイブリッド盤、4ch音源収録SACDハイブリッド盤なども所有していました。
これらは無用の長物に思えてきちゃって…。中でも4ch音源収録SACDハイブリッド盤なんざ、普通のSACDプレーヤーでは4ch音源が聴けないし、ジャケットは大きいし…、イヤになっちゃいました(苦笑)。

ちなみにアナログ盤音源で4chミックスを聴いたことがあります、音像が変わっています。
手に入れたいですが、あまり見かけないし、少々お高め…。

ということで、このアルバム、人を惹きける魔力のある、素晴らしい作品だと思います。

[CD日記 ジャズ・フュージョン編 # 2]
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