音楽が好きなんです

~音楽好き(ニッチーくん改め)マロくんのCD日記や、あれこれ~

475 『'80年代ハード&ヘヴィ6作品』をやってみて思ったこと

2021年09月14日 21時46分38秒 | マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品
今回誌面を読んで思ったのが、'80年代ハード&ヘヴィは幅が広いこと。ジャンルはHR/HMはもちろん、ポップス系、ハードコア、インダストリアル系、産業ロック、パンク、ヒップホップ系(?)等といった具合で、多岐にわたる。
1985年のパワー・ステーションも挙がっており、「まぁ、確かにそうだよねぇ」と思った。
昔聴いたことのある某曲はHR/HM系バンドの曲であると思っていたが、ヒップホップ系(?)のビースティー・ボーイズの‘ Fight For Your Right ’というのも意外だった。

さて、私の'80年代ハード&ヘヴィの作品選考には困りました。それは対象となる作品の所有数が少ないから。
私の場合、1980年後半あたりから“ 主体的 ”な音楽生活が始まった。ポップスも好きだったけど、HRを求めている自分もいた。当時HRバンドで好きなのはヴァン・ヘイレンくらい。でも「求めているのと、ちょっと違うんだよなぁ」と思っていた。
それがあるきっかけでレッド・ツェッペリンを聴き、「これだっ!」となり、加えて'70年代には、自分が好む(HRを中心に)サウンドがあることを知った。なので、私は時間を遡っていったのです。

私にとってのHR/HM界における'80年代は、やや並行でもあり、追体験で聴いた側面があります。
実際聴いてみると、スラッシュ・メタル、ニュー・ウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル(NWOBHM)に括られるバンド勢、LAメタル等は、正直ピンッとこなかった。
今回1位のガンズ・アンド・ローゼズも、事実、だいぶ後になって良さがわかった。

では、どうしてあまり聴かなかったのか(好めなかったのか)。
'80年代は、音楽がビジネスコンテンツになった時代。
'70年代は(ちょっと気難しい)芸術家のミュージシャン達が、深刻な表情で黙々とプレイして、リスナーはそこに魅了され、聴いた。
しかし'80年代はその「深刻な表情」が無くなり、代わりにファッションも含め、キラキラしたエンターテイメント性が入り込んだ。そして今度はミュージシャン達が「私達の音楽ってコレだよ、聴いてね!」とリスナーへアプローチを始めた。アプローチの方向が'70年代それとは逆となったのです。なので、取っ付きにくさが軽減、(悪い意味ではなく)サウンドも軟質なものへとなっていく。
HR/HM界も同じで、衣装もバンドのカラーの1つ。厳つい表情でプレイしても、ヘドバンも、どこか演出というエンターテイメントに映って見える。
加え、録音技術も向上。硬めな音から、響きを持たせたクリアな仕上げの音となった(現在聴くとわざとらしく、かえって'70年代より古く感じるけど)。そのクリアサウンドにより、新たなハード&ヘヴィ感は生まれるが、本当の「重量感」はそれまでより希薄になったような気がする。
以上は、私の勝手な考察です。
そのように感じるので、'80年代HR/HMは一部を除き、好めなかったのでしょう。
なので、ラックに収まっている枚数は少ないし、今回の1~6位まで見ても、1位のガンズだけが'80年代に登場したバンド(ミュージシャン)で、他は'70年代から活動している人達というラインナップになっています。

別に'80年代ハード&ヘヴィを悪く言うつもりはありません。それはそれで足跡を残しています。
'60年代、'70年代の洋楽好きの傾向のある私ですが、誌面を通して聴いてみたい、聴き直してみたいと思える'80年代ハード&ヘヴィ作品もありました。またそこから広がるかもしれません。
聴きたい作品がまた増え、楽しみでもあります。


[マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品 # 4]
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474 『マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品』〈3〉第1~3位

2021年09月12日 08時56分34秒 | マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品
選考基準
◆1980~1989年発表のアルバム。
◆ロック系のアルバム(プログレ、ポップス系等は除く)。
◆1人のアーティスト(もしくは1つのバンド)で1枚選考。
◆ライブ盤、ベスト盤は除く。
以上の基準で、2021年8月現在、私のラックに収まっている作品から選考。
選考は、あくまでも私の主観です。
取り上げたアルバムで、以前CD日記で登場しているものは、リンクで見られます。


第1位 GUNS N' ROSES 『APPETITE FOR DESTRUCTION』(1987)


'80年代のバンド(しかも新人)で、'80年代型のガツンと純粋なハード&ヘヴィなサウンドを聴かせてくれたのはガンズ・アンド・ローゼズでしょう。(誌面でも1位でした)
サウンドの源流はローリング・ストーンズで、近いところだとエアロスミスの影響が強いでしょうか。
アクセル・ローズのクセのあるハイトーンVoに好みが分かれますが、スラッシュを中心としたザク~ンとしたギターが鳴り響く、ストレートなヘヴィHR。
サウンド、バンド共に'80年代のキラキラ(クリア)感に強く染まっていないことから、多くの人々に受け入れられたのだと思います。
このアルバムの印象を強く残し過ぎたのと、この後、意外にアルバム枚数を出さない活動が裏目に出たのか、迷走する大物バンドとなってしまったのが残念。



第2位 BLACK SABBTH 『BORN AGAIN』(1983)


オジー・オズボーンが脱退、ロニー・ジェームズ・ディオを迎えた『HEAVEN AND HELL』(1980)が傑作とされますが、『HEAVEN …』は元来のオカルト志向のHRバンドが純粋なHR/HMバンドへと変貌を遂げた感じで(すでにオジー在籍時後半はオカルトさは薄れていたけど)、正直私にはピンとこなかった。
この『BORN AGAIN』は、(元)ディープ・パープルのイアン・ギランを迎えたことに賛否があります。まぁ、全盛のギランの喉ではないけど、しっかり歌っています。‘ Disturbing The Priest ’の終盤では、後のデーモン小暮のような笑い声を上げていたりもします。
サウンドは、元々のオカルトさを1980年代に合わせ再現した感じ。制作中のアクシデントによりザラついた音ですが、それがよりヘヴィさを醸し出しています。まさに魔界から鳴り響く邪悪なHR/HM。加えてジャケットもコワいです。(共に「いかにも!」ですが・笑)
ブラック・サバスであってブラック・サバスでない(?)、次作『SEVENTH STAR』(1986)も'80年代ハード&ヘヴィの候補に挙げてよい作品だと思っています。



第3位 DIO 『HOLY DIVER』(1983)


このアルバム、だいぶ前所有していたのですが、あまり聴かないので手放しました。
しかし聴き直してみたくなり、実はこの8月に中古でデジリマ盤をリーズナブルな価格で見つけ購入。そしてラックに収まったことで第3位へランクイン。
張りと伸びのあるロニー・ジェームズ・ディオのVoと、まさに鋼の太いサウンド(‘ 分厚い ’より、‘ 太い ’という言葉が合う)。キラキラしたサウンド・プロデュースが主体となる'80年代に、確固たるHR/HMサウンドを示したことに拍手ですね。
反面、単にそれだけでちょっと退屈にも(私には)聞こえます。


[マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品 # 3]
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473 『マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品』〈1〉第4~6位

2021年09月10日 20時59分47秒 | マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品
選考基準
◆1980~1989年発表のアルバム。
◆ロック系のアルバム(プログレ、ポップス系等は除く)。
◆1人のアーティスト(もしくは1つのバンド)で1枚選考。
◆ライブ盤、ベスト盤は除く。
以上の基準で、2021年8月現在、私のラックに収まっている作品から選考。
選考は、あくまでも私の主観です。
取り上げたアルバムで、以前CD日記で登場しているものは、リンクで見られます。


第4位 JUDAS PRIEST 『BRITISH STEEL』(1980)


ジューダス・プリースト(以下: JP)は悩みました。
確かにヘヴィであるけど、“ 鋭さ ”の方が上回っている気がします。それ故に、'70年代版では作品を挙げず。
デビューから少々地味な(?)存在で、サウンドを模索しながら作品を重ねていった感があります。そして'80年代に入り、俗に言う“ ヘヴィメタル ”サウンドを開花、確立させました。という訳で、'80年代版ではJPを選びました。
前作『KILLING MACHINE』(1978)からHMサウンドと言われますが、私はこの『BRITISH STEEL』から本格的にHMバンドへ移行したような気がします。
次作『SCREAMING FOR VENGEAVNE』(1982)や、『DEFENDERS OF THE FAITH』(1984)も十分候補かもしれません。しかしこれら2作は、先に述べた“ 鋭さ ”の方が上回っていて、光沢のある音質。
『BRITISH STEEL』はストレートながらも、どこかブリティッシュHRの重さ(暗さ、泥臭さ)が少し残っているような気がして、重量感を醸し出しています。1曲目‘ Rapid Fire ’の程良い疾走感が心地良く響き、私はシビれます。



第5位 KISS 『CREATURES OF THE NIGHT』(1982)


KISSも'70年代版では挙げませんでした。全盛のメイク時代を聴いてますが、容姿の印象に反して、意外にポップス性のあるHR。
1980年代以降のKISSは、HM色が強くなっていく印象。そしてバンドもノー・メイク・スタイルになっていきます。
このアルバム、デビューからのメイク時代としてラストの作品。この時代の録音のせいか、ギターはギンギン、ドラムの音はガツン、ガツン!と、かなりラウドな音。それもあってか(?)、内容もそれまでと違い鬼気迫るHR/HMを聴かせてくれます。初めて聴いたとき、「おっ、KISS気合い入っているねぇ」と思いました。
ジャケットもカッコいいです。



第6位 VAN HALEN 『FAIR WARNING』(1981)


自分の中でハード&ヘヴィと呼ぶには少し違和感があり、ヴァン・ヘイレン(以下: VH)も'70年代版では挙げませんでした。
しかし彼らの1980年代の躍進ぶりから、'80年代版では選考に挙げなくてはなりません。
そうすると挙げられるのが、やはり『1984』(1984)となるのでしょう。こちらは楽曲は良いですが、シンセが導入され、ちょっと洗練された感があります。
純粋にハード&ヘヴィというなら、この『FAIR WARNING』だと思います。
デイヴィッド・リー・ロスのVoの第1期VHの中で、ちょっと重量感の増したサウンドに思えます。やや泥臭くもあるけど、グイグイと押してくるHRが聴けます。大げさに言えば、第1期VHの中で、ヘヴィメタル(に近い)な作品だと思います。私は1~3曲目までが特に引き込まれます。


[マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品 # 2]
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472 次回から、『マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ 6作品』 スタート

2021年09月09日 20時55分27秒 | マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品
8月上旬、[マロくん選 '70年代ハード&ヘヴィ20]の特集をアップしました。
『レコード・コレクターズ』2021年9月号の特集は“ '80年代ハード&ヘヴィ100 ”。前回同様それに併せ、私も1980年代のハード&ヘヴィを選びました。

しかし困りました。それに相当する作品をあまり所有していないのです。なので今回は6作品となってしまいました。

作品数は少ないですが、何回かに分けて、次回からアップしていきたいと思います。


[マロくん選 '80年代ハード&ヘヴィ6作品 # 1]
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