1)DON'T FADE AWAY
2)ALL IN THE NAME OF LOVE
3)RESTLESS HEART
4) TOO MANY TEARS
5)CRYING
6)STAY WITH ME
7)CAN'T GO ON
8) YOU'RE SO FINE
9) YOUR PRECIOUS LOVE
10) TAKE ME BACK AGAIN
11)WOMAN IN TROUBLE BLUES
12) ANYTHING YOU WANT ※
13) CAN'T STOP NOW ※
14) OI (INSTRUMENTAL) ※
※はボーナストラック
ホワイトスネイク(以下:WS)は、ディープ・パープルで3代目Voを務めたデイヴィッド・カバーデイルが結成し、1978年にデビュー。
1978~1982年まではブルーズHRバンドとして活動、1984~1989年まではHMバンドに転身し、1987年のアルバム『WHITESNAKE』では、収録曲にレッド・ツェッペリンに似た曲も収録され賛否を浴びるも、大ヒットしました。
実にWSはサウンド傾向を変えたり、メンバー・チェンジを繰り返し活動を続けてきましたが、“豪華な駄作”とも言われている、『SLIP OF THE TONGUE』(1989)で実質的な解散をしました。WSは“カバーデイルのバンド”なので、彼次第でバンド活動が決まってしまうのですが…。
カバーデイルは、1993年にはジミー・ペイジと組んだ『COVERDALE PAGE』(別記:CD日記 '90洋楽編 # 6)、(# 7)として活動。しかし、これも長くは続かず、1997年に8年振りのWS復活となったのが本作です。
彼のVoの持ち味は“ディープ・ヴォイス”と呼ばれる低いVoなのですが、HM期のWS以降、ギャンギャンとシャウトするVoスタイルに変更しました。そのことがCOVERDALE PAGE時代には、“元ZEPのロバート・プラントの真似”と揶揄されたりもしました。なので、少々大げさに言えば、あの“ディープ・ヴォイスはもう聴けないのか?”という気持ちを持つリスナーもいたようで、私もその1人でした。
そんな心配も吹き飛んだのが本作です。
1)からディープ・ヴォイスで歌い上げるバラードで、アルバムがスタート。彼には、このような曲を歌わせるといいんです。私の好きな1曲でもあります。
アルバムタイトル曲でもある、HRサウンドの3)では、前半はディープ・ヴォイスで、後半はシャウト・スタイルで歌っており、その強弱が良い味を出しているような気がします。
発売当初、ブルースの4)を前面にプロモーションをしていました(という記憶なのですが)。この曲、2000年に発表したソロ名義のアルバム『INTO THE LIGHT』でセルフ・カバーされています。私は綺麗で優しいアレンジがされている、後者のバージョンの方が好きです。セルフ・カバーするところを見ると、彼のお気に入りの1曲なのでしょう。
アルバム全体としては、ブルーズHR期に戻った感があります。当時、HM期にノックアウトされたリスナーからは、戸惑いがあったと聞きます。
どちらかと言えば、私はブルーズHRを歌うWSが好きなので、歓迎の方でした。
しかし正直なところ、本作は地味な部類に入り、傑作もしくは佳作とは言えないかもしれません。
実はWSの歴代の作品をある程度聴いています。私の中ではブルーズHR期は、今ひとつ深みのないものに響き、またギンギンギラギラした、ゴージャスなHM期も好きになれませんでした。私とWSは結局、ベスト盤止まりといったところです。
しかし、なぜかこのアルバムは手元に持っています。何か惹かれているんでしょうね。
個人的にこのアルバムには思い出があります。実は学生時代最後に買ったCDです。
ちょうど卒業式が終わり、数日後に発売され、買いに行ったのです。
社会人デビューまでの残り約1週間。「これから毎日仕事をするのかぁ~」と不安を抱えていました。そんな時期に買ったこのアルバムです。今でも、このアルバムを聴くと、その時の気持ちが甦ります。
[CD日記 '90洋楽編 # 22]