1)MOVING ON
2)OH PRETTY WOMAN
3)WALKING BY MYSELF
4) STILL GOT THE BLUES
5)TEXAS STRUT
6)TOO TIRED
7)KING OF THE BLUES
8) AS THE YEARS GO PASSING BY
9) MIDNIGHT BLUES
10) THAT KIND OF WOMAN
11) ALL YOUR LOVE
12) STOP MESSIN' AROUND
ゲイリー・ムーアのソロ名義アルバムとしては8作目。
ムーアのソロを初めて手にしたアルバムは『CORRIDORS OF POWER』でした。
上記のアルバムは好きですが、正直私には、それ以外のHR/HMモノはあまり響くものがありませんでした。
しかし、ブルーズをプレイする彼は好きで、そのきっかけとなったのがこのアルバムでした。
それまでHR/HMを中心にしていた彼が、ルーツであるブルーズへ転身したアルバムです。とは言え、泥臭いというより、熱く、HRっぽい音で録られています。
半分ばかりカバー曲が占めますが、ムーアなりの“ 熱い ”解釈がなされています。
またゲスト・プレーヤーも参加。2)にはアルバート・キング、6)にはアルバート・コリンズといったブルーズの大御所がギターで参加。ニッキー・ホプキンズはピアノを3曲弾いています。
中でも、10)は元ビートルズのジョージ・ハリソン作。曲中ジョージはスライド・ギターを弾き、コーラスにも加わっています。どこか甘い曲調は、ジョージの曲らしくもあります。
そして最大の聴き所は、アルバムタイトル曲の4)です。すでに“ PARISIENNE WALKWAYS (邦題:パリの散歩道) ”(1978)で、
‘ 泣きのギター ’を必殺技としていますが、4)でもギターが泣きまくっています。特に後奏からエンディングまでの約2分30秒間が最高です。よく聴くとトーンが少し変わったり、テンポをずらしたりと奥が深いです。
これだけ染み入る泣きのギターを聴かされると、「ゲイリーさん、ずるいよなぁ~」とツッコみたくなります。
この後彼は、多少実験的なアルバムを発表することもありましたが、基本的にブルーズ路線へ進んでいきます。
しかし残念ながら、2011年に彼は他界しました。[音楽コラム # 75]
まだまだ頑張ってほしかったな、と改めて思います。
[CD日記 '90洋楽編 # 28]