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連絡メカニズムの協議加速 尖閣情勢、安倍首相は改善要請 日中首脳会談 (時事通信)

2016年09月06日 | 安全保障と東シナ海紛争
連絡メカニズムの協議加速 尖閣情勢、安倍首相は改善要請 日中首脳会談

時事通信 2016/09/06-00:42)

 【杭州時事】

 20カ国・地域(G20)首脳会議に参加するため中国・杭州を訪れている安倍晋三首相は5日午後、中国の習近平国家主席と会談した。両首脳は東シナ海などで偶発的な衝突を避けるための「海空連絡メカニズム」の運用開始に向け、防衛当局間の協議を加速することで一致した。
 
 首相は東シナ海の沖縄県・尖閣諸島周辺の情勢に関し、「公船や軍による特異な活動は極めて遺憾だ」と伝え、領海侵入や接続水域航行が相次ぐ状況を改善するよう求めた。習主席は「東シナ海の平和と安定を共同で維持すべきだ」と述べた。
 
 両首脳の会談は約1年半ぶりで3回目。南シナ海の領有権問題で中国の権益主張を退けた7月の仲裁裁判所判決後、初めてとなる。首相は南シナ海への中国の海洋進出について、「国際法のルールを守り、周辺国の不安解消に努めてほしい」と要請。ただ、仲裁判決には触れなかった。これに対し、習主席は「日本は言動に気を付けるべきだ」とけん制、日本は当事者でないとの従来の立場を繰り返した。
 
 両首脳は、東シナ海ガス田の共同開発交渉に関し、14日に交渉再開のための協議を行うことで合意。さまざまなレベルで対話を促進することも確認した。習主席が日中関係について「一日も早く正常な発展の軌道に戻すよう努力しなければならない」と述べたのに対し、首相は「安定的な友好関係を築いていきたい」と応じた。
 
 会談では、北朝鮮が5日、弾道ミサイル3発を日本海に発射したことに関しても意見交換。首相は習主席に、「責任ある国連安保理常任理事国としての中国の建設的な対応を期待する」と述べ、対北朝鮮制裁決議の厳格な履行を求めた。 


 日中首脳会談のポイント
 一、防衛当局間の海空連絡メカニズムの協議加速
 一、東シナ海問題で、安倍晋三首相は遺憾の意伝達
 一、南シナ海問題で、首相は周辺国の不安解消を要請
 一、東シナ海ガス田の共同開発で、交渉再開に向け協議


 日中関係をめぐる最近の動き
2012年 9月 日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化。中国公船の領海侵入が急増
  13年11月 中国が東シナ海に防空識別圏設定
     12月 安倍晋三首相が靖国神社を参拝
  14年11月 日中が関係改善に向けた4項目の合意文書発表。安倍首相と習近平国
         家主席が北京で初会談
  15年 4月 安倍首相と習主席がジャカルタで2回目の会談
  16年 5月 伊勢志摩サミットで、中国を念頭に「海洋の法の支配」を目指す宣言
         採択
      6月 中国海軍の艦艇が尖閣周辺の接続水域を初めて航行
      7月 オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、南シナ海をめぐる中国の主張を退
         ける判決
      8月 尖閣周辺で中国公船の挑発行動が激化。王毅外相が来日。谷内正太郎
         国家安全保障局長が訪中
      9月 安倍首相と習主席が中国・杭州で3回目の会談


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