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自壊していく中国経済 ⑤ 中国地方負債が膨張、不動産バブルや金融安定に赤信号 (ロイター)

2016年05月03日 | 中国バッタ屋経済の終焉
焦点 中国地方負債が膨張、不動産バブルや金融安定に赤信号
ロイター 2016年 05月 3日 11:07 JST
(Nathaniel Taplin記者)

[上海 29日 ロイター]

  中国の地方政府は中央政府の借り入れ規制緩和に乗じて、債券発行により大量の資金をオフバランスで調達し始めた。調達資金は中国の貧弱な景気回復を下支えするが、一方で地方政府の負債は一段と膨らんでいる。

不動産やコモディティなど一部資産クラスでバブルの懸念も高まり、金融の安定に赤信号が灯っている。

 エコノミストは、中国の景気回復の背景には公的部門の投資増加があるとみている。第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率は7年ぶりの低い伸びにとどまったが、他の経済指標は3月に入って成長が上向いたことを示している。そして公的部門の投資資金の大半は地方政府が起債により調達したものだ。

光大証券が民間調査会社WINDのデータを元に推計したところ、地方政府の資金調達プラットフォームである融資平台(LGFV)の第1・四半期の調達額は少なくとも5380億元(830億ドル)に上った。前年同期から178%の急増で、四半期としては2014年6月以来の高水準。3月の起債額は2870億元(443億ドル)で月間で過去最大だった。

 政府は14年に地方債市場を創設し、LGFV債を地方債のバランスシートに組み込もうとした。しかし経済成長が鈍ったため、昨年半ばに軌道を修正して借り入れ規制を緩和した。

 中央清算機関や仲介会社のデータによると、今年第1・四半期のLGFV債の発行は地方債の起債規模の60%程度となり、昨年第4・四半期の37%から上昇した。

ノムラ(香港)のチーフ中国エコノミストのYang Zhao氏は「政府は昨年下半期に、負債によって調達可能なプロジェクトファイナンスの比率を引き上げた」と指摘。この規制緩和がLGFV債の起債増加につながったとみている。

 その上で「この流れが続けば、負債の対GDP比は急速に上昇しかねない。持続可能な政策とは思われず、政府当局者は2四半期以内に(与信)緩和のペースを減速するだろう」とした。

 LGFV債は、アナリストが懸念を示しているにもかかわらず投資家からの引き合いが比較的強い。企業の債務不履行が増えて社債への信頼感が低下しているためだ。

上海を拠点とする外国のバイサイドの資金運用担当者は「運用担当者は社債の信用の質に対する懸念を強めており、国債や政府機関債に回帰しつつある」と話す。

AA格付けのLGFV債の利回りは昨年半ばには通常の社債より高かったが、今では30ベーシスポイント(bp)低い水準で取引されている。このため「あらゆるLGFV債は半分国債のようなものだから、LGFV債を通じた調達は容易だ」(中国の市場関係者)との声も聞かれる。

地方政府は駐車場から観光客向けアトラクションまで、さまざまな施設向けの資金を起債により調達している。27日には貴州省のLGFVが7年物の債券で8億元を調達したが、この資金は欧州最大級のサッカースタジアムの2倍の規模を誇る施設の建設などに充てられる。このLGFVの利払いに対する営業収益の比率は急激に悪化しているが、それでもこの債券の格付けは上から3番目の「ダブルA」だ。


 


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