「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

思い出のライスシャワー

2012-04-28 21:15:10 | 競馬・ボート







「 黒い刺客 」



また悲しい想い出がふえました

もう あってはならない
悲しい出来事が…
淀の三分三厘 坂の上
さて これからという時に
ガクッと崩れた
ライスシャワー

菊を咲かせた黒い刺客は
緑輝く盾の覇者

ああ これが最後の走りになろうとは
想い出の淀が消えてゆく
さらば ブルボン
さらば マックイーン
そして 的場さん




平成七年六月四日 京都競馬場
宝塚記念にて
左第一指関節開放脱臼のため予後不良








春の天皇賞が明日行なわれるが、
その度に思い出される馬がいる。
四白流星が泥んこになって大外から駆けて来たタイテエム。
ハイセイコーの悪役となったタケホープ。
無冠の貴公子に春を告げたテンポイント。
逃げて逃げて襟裳に花を咲かせたエリモジョージ。
どの馬も思い出である。

ミホノブルボンを敵にまわしたライスシャワーは、タケホープを思わせた。
国民的アイドルのハイセイコーをやっつけたタケホープは、
悪役のように思われていた。
そんなタケホープのイメージをダブらせたのが、ライスシャワーであった。
その馬体や鋭い差し脚は、まさに黒い刺客だった。






大分県玖珠町  ・  JR九州 「豊後森円形機関車庫」

2012-04-28 20:33:03 | 近代化産業遺産・土木遺産

















































鹿倉トンネルを出て峠を下ると、5分ほどで豊後森に出る。
そこから大分自動車道の豊後森インターを抜けると右手に、
忽然と田んぼの中に豊後森円形機関車庫が姿を現す。

日本を代表するリゾートエクスプレス「 ゆふいんの森 」 号が豊後森駅を発車する。
車窓の右側に見えて来る巨大な扇型の建物。
ガラスは割れ、荒れるがままの建物だが、
どことなく威厳に満ち、地方鉄道が活気に満ちていた時代を想像させる。

転車台を抱え込む劇場のような円弧の機関車庫は、
九州でただひとつ残されたものである。



竣工   /  1934年 ( 昭和9年 )
設計者 /  不詳
■ Bランク近代土木遺産



昭和9年に全線開通した久留米と大分を結ぶ久大線。
昭和12年には宝泉寺までの支線・宮原線も開通し、豊後森駅を拠点として活躍した。
円形機関車庫は久大線開通時に開設した豊後森機関区の車庫である。
終戦直前に米軍機による機銃掃射に遭い、機関車の損傷や死者3人を出す惨事となり、
その爪あとは今も外壁に弾痕が生々しいく残っている。

戦後は蒸気機関車25両を擁する大規模な機関区となり、
昭和29年には隣の恵良駅から分岐して、
肥後小国駅にいたる宮原線も開通し、ますます重要度は増した。
昭和45~46年にディーゼル化が行われたため、
それにともない機関車庫も廃止されることとなった。
半径約48mの円弧を描く建物に放射状に13両分の格納スペースが連なった
九州最後の円形機関車庫も、
今後どうなるのか分からない。





沖縄県南城市 「 安次富金橋の墓と位牌 」

2012-04-28 19:48:29 | 沖縄の王墓、按司墓、拝所













尚 泰久王の長男、安次富金橋 ( あしとみかなはし ) は、
王位継承もならず、富里の当山に田舎下りしていた。
父・尚 泰久との折り合いも悪かったといわれている。
田舎下りした金橋は、当山の地に安次富グスクを築き、しばらくそこに居住していた。

古老の伝える話では、金橋は家族とともにグスクにのぼり、
天に向かって「供養の祈願」をしていたという。
「 私は長男でありながら何故に王位に就かなかったのか、
天の神の采配で裁いてください ( テインジ御願 ) 」 と言って、
方位十二支に向って五十三回手を合わせ供養の祈願をしたと言われている。

それなのに、尚 泰久王の墓も位牌も隣同士にあるのは、不自然に思えてならなかった。