「 黒い刺客 」
また悲しい想い出がふえました
もう あってはならない
悲しい出来事が…
淀の三分三厘 坂の上
さて これからという時に
ガクッと崩れた
ライスシャワー
菊を咲かせた黒い刺客は
緑輝く盾の覇者
ああ これが最後の走りになろうとは
想い出の淀が消えてゆく
さらば ブルボン
さらば マックイーン
そして 的場さん
平成七年六月四日 京都競馬場
宝塚記念にて
左第一指関節開放脱臼のため予後不良
春の天皇賞が明日行なわれるが、
その度に思い出される馬がいる。
四白流星が泥んこになって大外から駆けて来たタイテエム。
ハイセイコーの悪役となったタケホープ。
無冠の貴公子に春を告げたテンポイント。
逃げて逃げて襟裳に花を咲かせたエリモジョージ。
どの馬も思い出である。
ミホノブルボンを敵にまわしたライスシャワーは、タケホープを思わせた。
国民的アイドルのハイセイコーをやっつけたタケホープは、
悪役のように思われていた。
そんなタケホープのイメージをダブらせたのが、ライスシャワーであった。
その馬体や鋭い差し脚は、まさに黒い刺客だった。