先日、仕事場の N 氏に頼まれたダイアナ・クロールの Christmas Songs のお返しにドイツの若手によるゴールドベルグ変奏曲の CD をプレゼントされた。この曲はグレン・グールドの2つのバージョンを始め、レコードや CD で多くの人の演奏で聞いている。何度聞いても飽きが来ない。神の手による作品と言ってもよく、ショーペンハウアーではないが、この世がなくなっても残るものだろう。
マルティン・シュタットフェルト Martin Stadtfeld : GOLDBERG-VARIATIONEN
普段グレン・グールドを聞いているためか、この演奏には力みや哲学臭?はほとんど感じず、軽やかで新鮮である。同時代の空気を吸っているかどうかで、演奏は目に見えない変化をしていて、それを聞き手が敏感に感じ取るのだろう。グールドは素晴らしいが、それとは違った味がある。残る演奏かどうかはわからないが、それが同時代感なのだろう。古い名演奏家も大切だが、この時代に生きる演奏家も我々を刺激してくれる。
来年3月9日、Sumida Triphony Hall でこの曲を演奏するようだ。
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バッハに吸い込まれる (2006-02-03)