そろそろ今年を振り返る時期となった。私にとって今年は画期的な年で、ブログが大きな影響を及ぼしていることは間違いなさそうだ。今年の記事のリストを作りながら、こんなにいろいろなことが起こっていたのかと驚いている。その地下に眠っているものを思い出しつつ、書いてみたい。
1) ブログを始めた。これは将来を考えるようになったことと関連が深く、多くの思索を誘った。考えをまとめて文章にすること、あるいは書く過程で考えをまとめていくことを学びつつあるようだ。
2) そのお陰で、ものを意識的にじっくり見るようになった。哲学的に?なった。それは私の devise になった « J'OBSERVE DONC JE SUIS » にも表れている。
3) それは時間を止める(留める)ことにもつながった。意識や考えの写真化である。
4) 一ヶ月のパリ滞在の見えざる効果が至るところに表れている。空や雲の美しさを向こうで発見してから、自然や身の回りに転がっている美を見つけようとする心の動き、何事もできるだけ深く考えようとする心の動きなどなど。さらに、新たな人とのつながりもいろいろできた。そのひとつとして、IP協会の広報のお手伝いもするようになっている。
5) 親しくなりたい芸術家が増えた。これからのために種を蒔いたと言ってもよいかもしれない。例えば、ショーペンハウアーについての記事を読んだお陰で、彼を非常に近く感じるようになった。実際に 『パレルガとパラリポメナ』 (『付録と補遺』) の 「読書について」 という本を最近読み始めているが(「意志と表象・・」は後ほど)、不思議なくらい自然に私の中に入ってくる。彼の声が聞こえるようでもある。驚くべき効果である。
6) 美術館に行くようになった。今まではむしろ音楽会の方であったのが、考えられない変化である。おそらく、鑑賞している間、自分の体が自由であり、そのため頭も自由に働くということを感じたせいではないだろうか。映画からも遠ざかっているのはそのためかもしれない。
7) フランス語の基礎がそれなりにできつつあり、一段落した。その上、思いもつかなかったフランス語でのブログまで始めた。フランコフォンにすれば、フランス語のようだがどこかおかしい、exotique なフランス語ということになるのだが、気にせずに続けている。これからも自らの思索の糧とするべく、読み、そして書いていくのだろう。面白い展開である。
8) フランスの雑誌 LE POINT を購読するようになった。この雑誌や読書雑誌 LIRE などは視点が新鮮で、大きな影響を受けた。また TV5 のドキュメンタリーにも触発されている。
9) 今日、ドイツの若手ピアニストの演奏に触れ(近いうちに書きます)、その人となりをネットで調べていたら、まだ国際的ではないのだろうか、まともな記事はすべてドイツ語だった。学生時代に2年ほどやったのだが、ほとんど残っていない。わかりたいという欲求の芽生えを一瞬だが確かに感じた。
10) これらすべての活動を通じて、これから進むべき方向性や観察し考えるべき対象などが少しずつ見え始めているようだ。
2005年は大きな節目の年、何かの始まりの準備期間であったような、そんな気がしている。
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