フラメンコ超緩色系

月刊パセオフラメンコの社長ブログ

冬ぼたん [021]

2006年01月28日 | 四季折々

 

        冬ぼたん


    


 東京には四季がないと云われるが、江戸っ子としてはそりゃねえよと云いたくなる。
 ここ大江戸にも、折々の季節の風情をめいっぱい感じることの出来るファンタジック・スポットが実はたくさんあるのだ。

 一月は、上野東照宮の冬ぼたん。
 二月は、湯島天神や池上梅園の梅。
 三月は、向島や神田川や飛鳥山などの桜。
 四月五月は、亀戸天神の藤と根津神社のつつじ。
 六月は、堀切菖蒲園もしくは明治神宮の菖蒲。

 私の上半期の年中行事をちょっと書き出すだけでもこれだけある。がっとネジを巻いて仕事を片づけ、アレグリアのフットワークで目的地に到着すれば、やっぱ来てよかったよーとなること請け合いなのである。


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 そんなわけで本日の私も、がっと午前中に仕事を片づけ、快晴に恵まれた大江戸は上野のお山、東照宮の中にある“ぼたん苑”へと出かけ、冬牡丹のその清らかな風情を、このうす汚れた私の心の中にしこたま吸い込んできた。
 久しぶりにそのまま上野・鈴本演芸場でどっぷり落語でもという段取りだったが、せっかく撮った何とも可憐な冬ぼたんを一刻も早くブログにアップしたくなってパセオに戻ったところだ。


    

    

                 


 ぼたんの脇に、それにちなんだ俳句の立て板がたくさん並んでいるのだが、その中で迷わず私が選んだ一等賞はこれだった。

    「八方に開き崩れず寒牡丹」

    

 な、なんと作者名は“佐藤桂子”とある。
 たぶん同姓同名なのだろうが、ちょっとびっくりした。
 その瞬間、優雅なのに力のあるこの佳句と、絶世の美女と謳われた(もちろん今でも)スペイン舞踊の佐藤桂子さんのエレガントな舞いがオーバーラップした。

 冬ぼたんのまん中に、あの優しい桂子先生の美しい笑顔がパッと浮かんだ。

 



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