見果てぬ夢(堀越千秋展)
銀座は私のホームグランドである。
と云えば、私を知るほとんどの人はビックリするはずだ。
私とてそのひとりである。
場違いにもバブル時代にはいわゆる“銀座のバー”でいろんな方々におごちになったものだが、ブタに真珠とはこのことかい、とそのたんびに我ながら思ったものだ。
やはりとゆーか、めざす画廊を見つけるのに20分かかった。
結局、ギャラリー悠玄は地下鉄銀座駅から2分、とてもわかりやすい立地にあった。私の方向感覚は探しものには適してない。
きのう4月4日は、先月ご紹介した堀越千秋作品展“見果てぬ夢”の初日だった。
http://blog.goo.ne.jp/paseo1984/d/20060322
作品が小さくプリントされた案内ハガキを見た瞬間、何か鋭くピンとくるものがあったのだが、それは上出来の直観だった。
結果から云うと私は昨日、何かとてつもなく大きくあたたかなアートに出逢うことができた。
四つのフロアに展示された作品に、およそ一時間私は釘付けとなり、感嘆のうめきをもらし続けたのだった。
「凄い」のは昔からわかっているつもりだったが、それを「好き」だと感じたのは今回が初めてだった。その理由は、たぶん個人的なものだろうから説明してもはじまらない。てゆーか、特に絵画・陶芸に関して私はチョー不案内なので、もともと語る資格さえありゃしないのだ。
まず滅多にないことだが、私はその作品群にストレートに感動したのだった。私が抱いた感情というのは、
「とても大きくて、懐かしい共感」
というものだった。そして同時に“見果てぬ夢”というタイトルを、ものすごくリアルに実感できた。
今回はヘボな写真は載せないことにしよう。実物を歪めたくないので。ご自分の感性でご確認いただくのが一番だと思った。
お忙しい時間をやりくりして駆けつける方々の期待を裏切ることはないだろう。と、私としてはとても控え目に締めくくってお
きたい。
イラスト by 八戸さとこ
その衝撃的な興奮の、その余韻にひたりつつクールダウンするために、オープニングのパーティーは失礼して、久方ぶりの夜の銀ブラを決めこむ。そのまま家路に着けば申し分なしだが、両足は意に反してご近所の隠れ家(健さん)へと直行する。
すでに先着していたのがご近所の飲み仲間のかよちゃん(木村よし乃似の評判のチョー美人)で、開口一番彼女はこう云った。
「堀越さんの初日行ってたんでしょ?」
えっ、何でわかった?
現在はバイレ・フラメンコにすっかりハマっているかよちゃんだが、彼女はずっと以前から堀越エッセイ(読売新聞)の大ファンだったと云うのだ。
ちっとも知らなかったぜ。やっぱ一般社会でも画伯は有名なんだな。テレビでも、カンタオール堀越千秋を観たという。
私のブログで今回の個展を知り絶対行くぞと決めていた、のだそうで、それでオープニングの日をおぼえていたのだ。
「明日あさってなら巨匠にチューしてもらえるぜ」
「チューはどうでもいいけど、堀越さんの作品にひたすら浸ってみたいっ!」
アラン・ドロンこと(再三自称されているので間違いない)ハンサム巨匠としては、ややビミョーな心境かもしれない。
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