無人島で観る映画(下)
無人島に漂流された皆さま(6月2日の当欄参照↓)に、それぞれ最高級プラズマテレビと最高級ビデオDVD再生機を、スポンサーのご好意(私)で無料支給したとゆーのに、回答者はわずか13名様であった。
http://blog.goo.ne.jp/paseo1984/e/1524f9c2d579597ff26654b72fa8925a
コンセント(及び発電所)を無料支給しなかったところに、今回の企画の中途半端さがあったことは明らかであり、次回企画にその改善策を盛り込みたいものだと虚心に思う。
具体的には、最高級コード付コンセント(カレー味)を支給しようと考えている。
なお、最高級発電所の支給はすでに長期ヴィジョン(二十年後)に編入済みである。
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云うまでもなく回答者は全員、美男美女の人格者であり、残り人生の運命がチョー大吉を保証されている方々ばかりである。
では、その少数精鋭メンバーにご回答いただいたラインナップを整理してみよう。
●tomeさま/ひまわり
(うわっ、大丈夫か、熱ねーか。ソフィア・ローレンとマストロヤンニか、オレもベスト10には入るかも。マンシーニの音楽もいーしな)
●勝田さま/大脱走
(勝っちゃんらしーね。やっぱ、あのマックイーンだよな。ところであのラストシーンって“パピヨン”のラストとダブらねーか?)
●AOI.さま/小さな恋のメロディ
(わっ、お嬢さま、そー来ちゃいましたか。さすがに勇気ありますねえ。は、恥ずかしいって、それはこっちのセリフなんですけどお)
●左大臣さま/サウンド・オブ・ミュージック
●大友浩さま/キートンのマイホーム
(ありゃ先生、ずいぶんスパッと決まったね。AOIや高原由紀と共演して、もう世の中に怖いものがなくなっちゃったんですね)
●オルテンシアさま/ミッション・インポッシブル2
(えーとオル天使アは14歳だったっけ。ヨランダ組員にしては、ずいぶんおねーちゃまチョイスだね。あのフラメンコシーンにはびっくりだったな)
●カデーナ生徒さま/XYZマーダーズ
(絵に描いたよーなギャグアクションって、ヨランダのおえかきフラメンコみてーなやつかなあ。これは観さしてもらうとするか)
●ファンCさま/火曜日ならベルギーよ
(死滅しかけた甘くせつない恋心を思い出させてくれるイカした(←死語)1本、だそーだ。こりゃあ観ずばなるめえなあ)
●ミッキーさま/リトル・マーメイド(ディズニー)
(エリック王子~私を無人島から助け出して~という映画らしい。私は観てないが、たぶんパン屋さんで修業中のミッキーマウスのお話だと思われる)
●六太さま/キャストアウェイ
(六ちゃん上出来だわこりゃ。無人島生活の実践マニュアル兼ファンタジーだもんね。それにしてもトム・ハンクスが出ると締まるよなあ)
●右大臣さま/蒲田行進曲
(んー右大臣、いいとこ突いてきたなー。さては相当のマニアか。オレもこれは大好きだ。久しぶりで観たくなったぞ。銀ちゃんサイコー!)
●ラヴァンダさま/レジェンド・オブ・フォール
(ほー、そー来た。詳しい筋は忘れちまったが、ちょっとだけ『エデンの東』っぽいやつだな。あれにのめり込むとは末恐ろしいヤツじゃ)
●高原由紀さま/カルロス・サウラのフラメンコ
(悩んだ末のド真ん中ストレートか、お見事! 三年後に救出される頃には相当な踊り手になってるはずだ。ともにドサ回りでもやっか)
どおでえ。
いかにも、「残り人生の運命がチョー大吉を保証されている方々」ばかりであることを裏付けるようなナイス・チョイスではないかっ!
ほんとーに美男美女の人格者なのかっ?と、突っ込まれそーな回答も若干あるが(あわわ)、そこはほれ、回答者はそれぞれ別の無人島に漂流された方々ばかりであり、その島(国と云ってもいい)の中では、最高の美男美女&人格者であることは、この私が保証しよーじゃないか。
何といっても、彼ら以外に人っ子ひとりいない島なのである。
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さてさて、すでに何度も観てるやつでも『ひまわり』や『蒲田行進曲』みたいに、すぐにでもリピートしたい映画もあるなあ。
ご選定いただいた13タイトルのうち、私が観たことのない映画は4本だった。で、これらについては、遅くも年内には全部観さしてもらうつもりだ。13名の麗しき賢者のみなさん、ほんとにどうもありがとう!
私は“縁”というものに鈍感なタイプなのだが、ここ最近例えば、大友浩ブログで知った映画『風の丘を越えて』とか、六太から教わった『十二国記』(小野不由美の小説)などが私の中に引き起こした化学反応について、そうした現象そのものを私はとても興味深く眺めた。
ようやく“縁”というものの面白味がわかり始めるお年頃になった、ということかもしれないな。
で、ここからはさらに蛇足。
例によって私のこの一本だが、皆さんもそうであられたように、これは迷いに迷った。また、若い頃感動した映画と、歳を食ってから感動できる映画とは質そのものもちがう。
だがしかし、自前の発電所とともに背中にしょって無人島に持ち込める映画はただの一本なのだ。
んで結局、迷った末に選んだ一本は、最初の直感通り、若かりし私のその後の基本的生き方を決した映画であった。
「ケチなペテン師たちが大悪人をハメちまう」だけのストーリーなのだが、これを観た二十歳の私はミョーにピンと来てしまったのだ。
……しくじったところで所詮人生遊びじゃねえか。どーせなら手間暇ケチらねーで身体張って行こーぜー……。
みたいな、映画に流れる通奏低音にもろ共鳴しちまったのだ。
そのとんでもない結果がパセオフラメンコであり、現在のとほほな俺だ。まったく、よゐ子は早まってはいけねーぞ。
映画『スティング』
1973年/CICビクタービデオ
で、こないだマイ選考会(決勝に五本残った)の折りに久しぶりに、このポール・ニューマン&ロバート・レッドフォードの黄金コンビによる映画『スティング』を観たわけだが、セリフ回しがこれまた良くってねー。
三年間つづくロビンソン生活の間に、英語をちょっと勉強しよーかな、なんてガラにもなくそう思っちゃったわけよ。
英和辞典を一冊忍ばせてヒマに任せてそれを丸暗記して、発音は毎日観るこの映画でゲットしちまおうという魂胆だ。
さすがに朝から晩まで落語(三木助の芝浜とざこ八)のマスターだけだと飽きちゃうかもしれんしお。
(参考→http://blog.goo.ne.jp/paseo1984/d/20060305)
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さて、通りかかった船に救出された私は、結局は二束三文で旅回りのストリップ一座に売り飛ばされ、そこでナンチャッテ落語家としてデビューし、田舎のストリップ小屋でダメ出しを喰らう毎日を送るわけだが、最後のネタの切り札がこれ、イングリッシュ落語『スティング』である。
芸はねーけど努力家であることが認められた私は、晴れて一座の下足番に昇進するのであった。
(つづく……わきゃねえと思うが)
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