伝統と革新
イラスト by 八戸さとこ
「犬も歩けば棒にあたる」。
この意味深長な法則こそが、本欄のボーン・アイデンティティである。
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「よせばいいのに、犬コロがそこら辺をうろついたりするから棒で打たれたりするのだ。ヘタに出しゃばればいろんな災難に遭うのだよ」(前者/伝統)
冒頭の至言は本来、このようなネガティブな戒めのことわざだったそうだ。
伝統的にはそういう意味だったものが、最近ではむしろ反対の意味で使われている。
「何もしないで怠けてては何も起こらない。とにかく行動だ。意外にもラッキーな事が起きるかもしれない」(後者/革新)
とまあ、近頃はこういうポジティブな意味で使われるようになってきている。
言葉はそのままに、内容だけが革新されているのだ。
当ブログの目指すところは、もちろん後者の、革新の心意気にあふれるニュアンスである。
何もせずに指をくわえたままボケてゆくよりも、ボロボロにされてもいいから何かしながらボケてゆこうという、いわばポジティブな戦略的転換なのだ。
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ただ、心意気は後者であっても、これまでの私の実績からすると、前者的な失敗に終始する可能性は極めて高い。
ソレアを歌ったつもりだったのに「良かったわ、いまのガロティン」と突っ込まれたカンテ練習生は多いはずだ。……そう、君のことだ。
私の場合もおそらく、君の二の舞となるだろう。すでにその兆しもある。
だがしかし、後悔はすまい。
なぜならその場合、「ことわざというのは、やはり本来の意味(前者/伝統)に立ち返るべきものだ」という伝統の本筋を、我が身を呈して守ることができるからである。
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討ち死にかよ………。
ま、それはそれで本望じゃないか、というような気もしてきた。
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