作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 解説「炎の商社マン」(5)日本航空 】

2010-02-18 12:41:00 | ○ 小説「炎の商社マン」

ヨーロッパが遠い場所にあって、安売り切符や、団体旅行が
ポピュラーになる前のことだから、中原がハンブルグに
赴任した頃のヨーロッパに来る客といえば、大企業の
お偉方に限られていた。

日本航空の名声は高く、機内食は世界一だと言われ、
ナショナル・フラッグ・キャリヤーとして押しも押されもせぬ
存在であった。

会社更正法を適用されて、実質倒産状態にまで追い込まれた
姿を見るにつけ、心が痛む。
海外にあって、航空機会社と船会社と仲良くしているかどうかで、
ずいぶん得もするし、せっかくの船長主催のすき焼きパーティー
にも招かれないことになる。

人間大好き人間の中原は、敵も作るが人恋しいところが
受けて、社外での付き合いにはこと欠かなかった。

だから当時はハンブルグで長い休暇があるJALのクルーたち
とも、仲良しになった。
彼等、彼女等は時間がたっぷりあるのに、クルマを持たないから、
まだ数少なかった日本料理屋で落ち合って、ナイトライフを
楽しむためのアッシー君をも中原はやっていた。

当時のJALには、まだジャンボの就航がなく、乗客も少ないし、
スチュワーデスたちは、みな良家の姫君であった。

小説に書いたことは、小説であるが故に、ホントのハナシ
ばかりとは限らないが、決して無いハナシをオーバーに
書いた覚えもない。ガールフレンドが大勢できたことに
間違いはない。

中原は従前からの繊維のビジネスを全く無視して、すべて
新規開発に回ったし、社内にも先輩と言えそうな人が
いなかったから、好き勝手にやりたいことが出来た。

ニュービジネスが、扱い金額においても、従前の織物の
小商売とは比較すべくもなかったし、エージェントを間に
入れることもなかったから、利益高が大いに向上し、
総支配人の豊村常務を喜ばせた。

苦労は人一倍だったが、新たなビジネスを次々と成功させる
喜びもまた、ひとしおで、人生を通じて楽しい日々でもあった。


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「炎の商社マン」  

    
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