作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 江戸っ子の朝飯 】

2007-02-25 13:30:00 | 02 華麗な生活


神楽坂の横丁を入ったところにあった、
矢来の通商『牛込寮』の朝飯は豪華だった。

パン食なんか一人も居らず、
すべて「これが正式な日本のアサメシだ!」。

定番の炊き立てのご飯、味噌汁、干物の焼いたの。
他に納豆、焼き海苔、佃煮、お新香、玉子なんかの
副菜が、所狭しと大盛りで出されていた。

味噌汁の具にはいろんな物があったが、
よく出たのが、大根を千本に切ってさっと油で炒めた
一件で、こいつが滅法に美味かった、

ビックリしたのは海苔を焙っては、どんどん補給する
焼き海苔の豪華さで、神楽坂の本通に海苔屋が軒を
連ねるのが分かるような気がした。

干物は鰺が多かったが、新鮮な物で、関西では朝から
魚は食べないから、味噌汁と干物、それに焼き海苔だけで
充分に思えた。

納豆、玉子、佃煮は食べる余地がなかったが、たいてい
20名は居る出張者で、そういった副菜もどんどん消費
されていた。

朝早く起きると、豪華に作られた庭園を歩む。
高台だから、お堀端の辺りを見下ろすことが出来る。

当時は牛込寮の他に、渋谷に松涛寮があり、こっちは
基本的に重役さんの使う施設だったが、上司の中には
豪傑がいて「構うもんか」と利用したことが何度かある。

こっちは上品過ぎて、ボクにはちゃきちゃきの下町言葉
で仕切る住み込み三人が居る牛込寮が身体に合っていた。

                              

                                     パパゲーノ

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