二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

GATE~続いたネタ36 夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-10-11 23:44:01 | 連載中SS

「平成側の状況は・・・悪いらしがどの程度だ?」

「詳細は後程書類を渡しますが武官から報告では、
 銀座において左派の抗議活動が極めて活発で、
 一部で不穏な動きがあり総理の安全に不安を訴えています」

「向こうの野党連合が北京で軍国主義者を一歩たりとも日本に入れない、
 と共同声明を発したとの特命大使の吉田から報告されています・・・嶋田さん、また何かやらかしまよ連中」

「だが、それでも行くしかないさ。
 元々首脳同士の会談は事前に交わされていた約束だ。
 それに俺は元々戦犯役として期待されていたわけだから今更怖くないさ」

「・・・アメリカを下した今この事を言うな、嶋田。
 夢幻会の奇人変人連中を纏めるのに必要な人材なのだから」

「随分評価してくれるようで、どうも・・・というか貴方がそれを言いますか近衛さん!?」



――――――昭和20年(1945年) 某料亭



「そろそろか?」
「はい、間もなくお見えになるはずです」

狭間陸将の問いに菅原が答える。
銀座と異世界を繋ぐ2つの古代ローマ風の門の前には、
平成日本と昭和日本の関係者が勢ぞろいしており、門の向こうから来訪する人物を待っていた。

「・・・しかし、嶋田総理か。
 我々の歴史の中では評判はよろしくなかった人物だが、
 向こうでは対米戦に勝利し、戦後の世界体制を構築しつつある大物政治家とはな」

「外務省の方も当初は我々側の歴史に存在する嶋田繁太郎をイメージしていましたが、
 向こうの日本に赴任している部下からの報告では、極めて有能な人物との報告されています」

史実における嶋田繁太郎の評判は非常によろしくない。
保守派、東条の腰巾着、そして敗戦後の晩節を汚す行為。
等と褒められるような要素が何一つなく架空戦記では決まって悪役と表現されている。

だからこそ、あの嶋田繁太郎が総理大臣であり、
空母や航空機の導入を主導するなど山本五十六的なポジションであることに驚愕した。

「だが、大丈夫かね?
 私が言うのもアレだが・・・。
 彼に対する我々側の世論の受けが非常に悪い。
 現にこの門の向こうにある銀座では70年代の学生運動のような状態になっている」

平成の銀座門正面はまたもや人ごみで埋もれていた。
首脳会談のために訪問する嶋田総理を抗議するために多くの左派団体が集結しており、
今の所は警察と公安が秩序を保たせているが、いざ本人が来た瞬間どうなるか?
ハガチー事件のように取り囲まれるような事態も十分考えられていた。

「ええ、正直外務省はその点を理由に乗り気でありませんでした。
 しかしそれを踏まえてもなお早期首脳会談を、と向こうの強い要望がありましたから」

「強気だな、我々を信頼している・・・わけではないな。
 もしも総理に何かあればそれを理由に外交的に揺さぶりを仕掛けるつもりだな」

「きっとそうでしょう。
 何もなければ問題ないのですから、
 どちらに転んでも向こうには利があります」

2人して相手の強かさと自分たちの条件の悪さに思わずため息を吐く。
何せつい最近総理が突然の辞任をして交代したばかりな上に、外野からの雑音。
夜盗(野党)連合の足の引っ張りなどと、客人を歓待するどころの話ではななかった。

「銀座駐屯地から外は警察の管轄だ。
 自衛隊は何もできない、後は何も起こらぬように神様仏様・・・。
 いや、ここは特地だからあの武神ことロウリィ・マーキュリーに祈ってみるとするか」

「では、自分も。
 正に現人神ですからね彼女は。
 知覚できない神よりもご利益がありそうですね」

狭間陸将の冗談に菅原が笑う。
本当に神がいるこの世界ならご利益は叶う可能性が高く、
日本人らしく「多くの神様の1人」として2人して内心で祈りをささげた。

しばらく祈りを捧げていた時、
帝国の名を冠する日本側の人員があわただしく動き始めた。
狭間陸将の元に官僚の1人が駆け足で近づくと密かに耳打ちする。

「ふむ、来るようだな」
「はい」

狭間陸将は改めて制帽を被り直し、菅原はネクタイを締める。
周囲も同じように身なりを整え始め弛緩していた空気が緊迫する。

そして門の向こうから人影が見えてくる。
少数の軍人と官僚と共にする集団、その中心に彼はいた。

「大日本帝国内閣総理大臣、嶋田繁太郎に、捧げーーーー銃!」

自衛隊の儀仗兵が一斉に捧げ銃をし、
音楽隊が訪問の儀式に威厳を付与するメロディーを流す。

「さあ、始まりだ」

嶋田繁太郎とはどんな人間か、
その目と耳で確認する時が来たと菅原が呟いた。







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おススメSS FGO語り

2016-10-08 23:46:25 | おススメSS

FGO語り

毒舌ショタコン作家ことアンデルセンが語るSSです。
多くの英霊がなぜマスター(ぐた子)に協力するか語り、
両義式の本質を見抜き、巌窟王は人間を愛していると童話作家は語る・・・。

人生初の投稿。
と明言されていますが非常によく考えられています。
キャラの性格、感情表現も初めて書かれたとは思えない出来合いです。

ぜひみてください。


「だが……」

この沈黙を破ったのは、
元凶であるアンデルセンさんだった。
意外にも、彼の話はまだ終わっていなかったのだ。

「サーヴァント同士をまとめ上げ、
 カルデアを一つにする、という点においては比類なき才覚を持っている」

……?どういう意味だろう。
マスター失格だとついさっき言った彼が、突然彼女を褒めた。

「そう神妙な顔つきをするな。
 考えてもみろ、このカルデアの異常性を。
 騎士王やジャンヌ・ダルクのような聖人がいると思えば、
 ジャック・ザ・リッパーや酒呑童子のような悪霊まがいもいる。
 そうかと思えば、アルテミスのように頭がヒャッハーなスイーツ女、
 自分以外の価値観をまるで顧みない金ピカ。おまけにカルナとアルジュナ、
 エジソンとテスラの喧嘩コンビだ。普通なら即分裂、内乱が起きても不思議じゃない」

確かにそうだ。
第六特異点まで旅してきた私たちカルデア内部は、
いまやサーヴァントの宝庫だ。
エジソンさん風に言うなら「人種のサラダボウル」だろうか。

これほど多様な人々が集まってしまうと、
不平等や格差が生じ、不満が溜まり、それが争いとなって噴出する。

それが社会の基本だ。
なのに、口喧嘩はともかく、深刻な争いや反乱の兆しは全くない。

「それはグランドオーダー、人類に対する共通の敵がいるからでは……?」

「違うな、それだけなら金ピカがあそこまで本気を出さない。
 ……これはマスターが普通の人間だからこそできる奇跡、夢見る少女だからだ」

「夢……?」

思わず聞き返した。
アンデルセンさんは「愛」や「夢」という言葉を迂闊に使わない。
よほど彼にとって重要な人物を評する際にしか用いないのだ。

「いいかマシュ。何の取り柄もない普通の人間が一生懸命になるからこそ、英雄が手を差し伸べるのだ。
 英雄というのは人物そのものではなく、既に達成した軌跡のようなものだからな。
 そんな達成した存在だからこそ、未だ到達してない者に憧れを抱く。
 私は旅を終えてしまったが、あの人はまだ旅を続けている、まだ夢を見ている……とな。
 そういう奴を前にすると、英雄は己が愛を捨て、夢見る人に協力する。本心から、凡夫の夢を応援するのだ。
 あのマスターがそれを自覚しているのかどうかは判らないが、少なくとも実践している。
 どんなに危険でも、どんな状況下でも、人類を救うという確固たる夢を追い続けている。
 ただ地道に、ひた向きにな。そんな彼女に応じて、サーヴァントたちも力を合わせているのだ。
 そこに英雄同士の執念や闘争はない。緩衝材も必要ない。自然とサーヴァントがまとまり、一つになって魔術王に立ち向かう。
 結果、内部崩壊という悲劇のエンディングは永遠に訪れない。
 おそらく、マスターはこのグランドオーダーという特異な状況下にこそ必要たる人間なのだろう。
 多数の異才をまとめ上げる凡人。中国の故事を拝借するなら、『将の将たる器』と呼ぶ。
 ……以上だ。何か言い返すことはあるか、マシュ?」





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【予告】ヴァルハラの乙女 第30話「魔女と彗星」

2016-10-05 22:47:51 | ヴァルハラの乙女

基地からバルクホルン達が来るから、無理はしないでね。
そう言い残したミーナの言葉を思い出しつつフリーガーハマーの引き金に指を掛ける。

明かりは太陽の光を反射している頭上の月だけで、
ネウロイは雲の下に隠れている上に、基地から来る援軍も時間を必要としている。

等と1人でネウロイを相手するには厳しい条件下にあったが、
魔法のレーダーとも言うべき魔導針を操るサーニャには夜の闇は関係なく、
ネウロイ相手に不足する火力も瞬発火力が高いフリーガーハマーなので問題はない。

(それに夜はいつも1人だったから・・・)

サーニャはそう独白する。
孤独には慣れている、そう慣れているから大丈夫。
そう自身に言い聞かせ、引き金に引っ掛けた指に力を入れる。

その際引き金のバネが強かったり、
あるいは戦場での興奮と緊張状態から力強く引くことなく、
所謂「暗夜に霜が降る如く」ゆるりと引き金を引いた。

刹那、ロケットの噴射音と噴き出る炎が夜空を彩った。
最も発射の瞬間サーニャは閃光で目が潰れないように目をつぶっていたので、
その光景を目にすることはなかったが脳裏に移されたレーダーからロケットが不発せず噴射したのを確認する。







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おススメSS ロアナプラ鎮守府

2016-10-03 23:35:26 | おススメSS

ロアナプラ鎮守府


基本ギャグなSSですが。
ロアナプラの字があることが察せられるように暴力こそ正義であり、
酒、暴力、ドラックなんでもありの「ようこそこの狂った鎮守府へ!」な話です。

グロシーンがかなりある上に世界観が崩壊しまくなSSなので、読む人を非常に選びます。
それでもギャクとして楽しめる!という人にはおススメです。



鳳翔さんは強い。この鎮守府にしては珍しく
あまり戦いを好まないけど、戦うとクッソ強い。もうほんと、ドチャクソ強い。
鳳翔さんが使役する霊──鳳翔さん曰く頼んで力を貸してもらってるだけらしいけど──は向こうからは干渉出来るが、此方からは干渉する事が出来ない。

つまりは、向こうの攻撃は防御不可で、こっちの攻撃は通らないということだ。強い。
それに軽空母達は、鳳翔さん──ついでに僕も──を絶対の神として崇めている。
だから鳳翔さんと敵対すれば、軽空母全員と敵対する事になる。

この鎮守府の賭け事を運営している隼鷹を敵に回す事を喜ぶ艦娘は、残念ながらほとんどいない。
まあそんなわけで、鳳翔さんにたてつく者は少ない。精々他の筆頭と、旗艦くらいのものだろう。

その筆頭達も、互角に戦えるというだけで勝てるかどうかは分からない。
結局のところ、僕の事を旦那様と呼ぶのはおーけー。直接触れるのはえぬじーとなったらしい。この鎮守府では、力こそ正義だ。

「ん〜〜! 今日の仕事終わり!」
「お疲れ様でした」

コトリと、鳳翔さんが僕のバカデカイ机に湯呑みを置いた。
湯気がたってるけど、いつの間にお茶を淹れたんだろう。ずっと僕の後ろにいたはずだけど……
いつも気になるんだけど、結局いつも聞きはしない。怖いからね。

「……少し、散歩にでも行こうか」

「それでしたら、宴会にご参加されてはいかがでしょうか?
 今日は空母筆頭、赤城さん主催の宴会が行われているはずです」

「宴会かぁ、宴会かぁ……」

正直、宴会に参加するのはちょっと遠慮したい。
それは別に、大学生の頃無理矢理飲まされて死にかけたとか、宴会芸を強要されて嫌な目にあったとか、そういったわけじゃあ無い。

この鎮守府で行われる宴会には、宴会芸がつきものだ。
“アタリ”の宴会芸を引けば、実はかなり楽しい。
良くも悪くも、この鎮守府にいる艦娘達はその能力がぶっ飛んでる。

例えば那智の、装填数が六発の拳銃で、
空中に投げた空き缶を下に落ちるまでにリロードしながら百回射抜く宴会芸は、見ていてとても楽しかった。

他にも島風の超高速での移動による分身を利用した一人演劇、
不知火の絶望と希望を謳った詩の朗読、愛宕の豊乳、どれもこれも他ではちょっと目に出来ない。

だけどその一方で、“ハズレ”を引いたときは悲惨だ。
例えば瑞鶴の超回復をいかした自身の腸での縄跳び、
金剛のTNT爆薬わんこ蕎麦、夕立の深海棲艦踊り食い、龍驤のまな板、どれもこれも他ではちょっと目に出来ない。したく無い。

まあでも、鳳翔さんが提案してくれたんだし、折角だから行こうかな。








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