二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

GATE~続いたネタ37 夢幻会、彼の地にて戦いけり

2016-10-18 06:57:39 | 連載中SS

「ここに国民連合政府が成立したことを宣言します!」

野党連合、北京の記者会見にて。


「保守派なる人種は脳科学的に見て脳が未発達」

某自称脳学者のコラム。


「帝国主義の亡霊から目を覚まし、
 日本は中華と共に人民にとって正しき道を歩むべきである」

某大陸国家政府の報道官からのコメント。




GATE~続いたネタ37 夢幻会、彼の地にて戦いけり




「随分な歓迎ですね」

門を超えると予想通りの喧騒に包まれていた。
陽性ではなく陰性のあらゆる罵倒が銀座のビルに木霊し、
警備に当たる警察が秩序を保とうと必死になっているがおさる様子はない。

「閣下、気分を害されるのは最もです。
 ですがあれは一部の人間が盛り上がっているだけです。
 現に今日も甲子園球場と東京ドームは人がで賑わっています
 日本国民の全てが閣下を歓迎していないというわけではございません」

平成日本政府から接遇役としている白百合大臣が弁明する。
歓迎の場として最悪な状況下で言えることはこれぢかなかった。

「ご安心を、白百合大臣。
 国民が様々な意見を言えることはむしろ健全なことです。
 私の方もこうした国民感情と政治との兼ね合いで随分悩みましたら」

「・・・そう言って頂けると助かります」

嶋田の「政治問題や取引として扱わない」
とも言える発言に白百合は深々と頭を下げる。

「しかし、我々の銀座もそうでしたが、
 建物こそ修復できても企業は戻ってきていないようで」
 
「はい、その通りです。
 あの【帝国】による侵攻で企業の従業員だけでなく、
 役員諸共が殺害される事態が相次いだせいで倒産する企業が未だ続いています」

やはりな、と嶋田が呟く。
かつて程活を取り戻したように見える銀座だが、その打撃は未だ残っている。
元々東京という土地は首都圏ということもあり企業だけでなくその本社が置かれているのが多い。

しかし、突然の戦争状態への突入。
加えて異世界の軍勢は民間人と軍人の区別をせずに「平等」に殺戮と略奪をした。

結果、機械を守ろうとして社長以下従業員が全滅した町工場。
ドアを破られまいと死守するが空しく突破され殺戮の場となった事務所。
男性は面白半分にビルから突き落とされ、女性は兵士たちの慰安役ととなった大企業の本社ビル。

と文字通りの地獄絵図が展開され、多くの企業が打撃を受けた。
何とか経済の停滞や不況を緩和すべく政府が積極財政を推し進めているが、完全な復興からは未だ遠い状況である。

「ですがアルヌスの丘を共に占領していることで、
 銀座の門をリスクではなく、新たなフロンティアの入り口。
 と捉えた市場のお陰で株価は順調に上がっていますので・・・」

「このまま維持して行きたい、か。
 その辺の事情は我々側の事情と変わりはないな。
 何せ好景気を維持できれば政権は安泰なのだから」

野党議員たちが若いころから嵌まっているマルクス主義と反戦主義よりも、
好景気こそ国民が求める物であるのを2人は理解していた。

「・・・閣下とは我々と利害の一致が見いだせるようで、喜ばしい限りです」
「それは、とても良い事です、白百合大臣」

話し合う中環境の場として最悪に属する場所で、
ようやくお互いの利益を見いだせたことに2人して笑顔を浮かべた。

(もっとも、お互いの価値観が違うゆえに、
 平成の日本とは最後の所で利害を共有できなくなるかもしれないかも、な)

嶋田は内心でそうつぶやく。
方や世界の盟主に躍り出て、ひたすら前に突き進む新興国。
もう片方は国家として成熟しているが、精神的に弱い所がある国。

等と同じ日本人とはいえ価値観を相違としており、
嶋田はその時は協調よりもこちらの我欲を主張するつもりであった。






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